この記事では、イーサリアムキラーと言われるSolana(ソラナ:SOL)について解説していきます。
まだできて日の浅いブロックチェーンプラットフォームですが、その伸びは目を見張るものがあり、現在時価総額で7位となっています。
そんな、Solanaについて、この記事で最低でも
- Proof of Historyによって処理速度を高め、スケーラビリティー問題を解決したブロックチェーンプラットフォーム
- Solana財団のCEOアナトリー・ヤコベンコという人物を中心に開発された
という点は最低限押さえておいてください。
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている資本主義の奴隷編集部が解説します
Solana(ソラナ:SOL)とは?
ここでは、ブロックチェーンプラットフォームのSolanaネットワークと、そこで発行されるSOL(ソル)の概要について解説していきます。
運営企業SolanaとCEOアナトリー・ヤコベンコ
Solanaの運営主体はSolana財団(Solana Foundation)という団体です。
スイスのツークに本社を置く非営利団体であり、Solanaネットワークの分散化、成長、およびセキュリティに取り組んでいます。Solanaネットワークについては以下で解説していきます。
共同創業者は、アナトリー・ヤコベンコ(Anatoly Yakovenko) です。
ヤコベンコは、DropBoxなどの名だたる企業のエンジニアとしてのキャリアを歩んでいましたが、2017年にSolanaネットワークを開発し、現在に至っています。
Solana
Solana財団が提供するのがSolanaネットワークというブロックチェーンプラットフォームです。
Solanaネットワークから、開発者はDeFiやマイクロペイメント、Dappsを展開することができます。
ただブロックチェーンにおいて、イーサリアムやビットコインは、多くの取引を処理しきれない、スケーラビリティ問題による、ガス代が高騰という問題が発生していました。
そこで、Solanaは取引に順序をつける独自のアルゴリズムを利用することによって、スケーラビリティー問題を解決をします。
これにより、VISAなどの決済会社の地位を脅かすほどに処理速度を高めました。実際に、ソラナブロックチェーンは1秒あたり数万のトランザクションを処理できるようになっています。
こうしたことから、イーサリアムキラーの異名を持つようになりました。
SOL(ソル)
Solanaネットワークから発行される仮想通貨をSOL(ソル)と言います。SOLの所有者は、ステーキングができます。
ステーキングとは、ステーキングプールにSOLを預けること、ブロックチェーンに貢献することになり、その対価として報酬を得る仕組みことができます。
通貨単位 | SOL |
時価総額 | 7位 |
発行枚数上限 | ¥4,371,814,305,387.23 |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of History |
運営企業HP | solana.foundation |
公式サイト | solana.com |
Solana(SOL)の特徴
処理速度が速く、取引コストも安い
Solanaは、既存のブロックチェーンが抱えるスケーラビリティー問題を解決している高性能ブロックチェーンです。
実際にイーサリアムが1秒に取引できる取引数(TPS)が15件なのに対して、Solanaは5万件という圧倒的な処理速度を誇っています。
名前(シンボル) | Ethereum (ETH) ※マージ以前 | Solana (SOL) | Avalanch (AVAX) | Polkadot (DOT) | Fantom (FTM) | TRON (TRX) |
---|---|---|---|---|---|---|
レイヤー | レイヤー1 | レイヤー1 | レイヤー1 | レイヤー1 | レイヤー1 | レイヤー1 |
EVM互換性 | ○ | × | ○ | × | ○ | × ※TVMあり |
ガス代 | 4000~6000円 | 1円以下($0.00007) | 5円 | 30円 | 1円以下($0.00001) | 調査中 |
1秒に取引できる取引数(TPS) | 15件 | 5万件 | 4500件 | 1000件 | 30万件 | 調査中 |
時価総額 | 40兆円 | 3.2兆円 | 2兆円 | 2兆円 | 4000億円 | 8300億 |
イーサリアムとの連携
Solanaネットワークでは、イーサリアムなど他のチェーンとの連携により相互運用性を高めています。
例えば、イーサリアムは、高いガス代とスケーラビリティー問題を抱えています。そこで、イーサリアムとSolanaがブリッジすることで、処理速度が高いSolanaネットワーク上での処理が可能になります。
2020年には、SolanaはスタートアップのCertus Oneと連携して進めていたワームホール(Wormhole)というイーサリアムとのブリッジ機能が完成し、実装に至っています。
ただ、2022年2月に370億円分のイーサリアムが盗まれたという話も出ており、まだまだ改善の余地はありそうです。
Solana(SOL)とブロックチェーンのトリレンマ
Solana(SOL)は、暗号通貨,ブロックチェーン業界を最も盛り上げたプラットフォームと言われるイーサリアムの問題点であるトリレンマを根本から解決したプラットフォームであることから世界中から注目を集めています。
イーサリアムが抱える3つのトリレンマとは、「スケーラビリティ」「セキュリティ」「分散性」の3つの事象を指しています。
スケーラビリティとは、いかに多くの処理を低コストで行えるか、というものでそのプラットフォームの性能といっても過言ではないでしょう。
トリレンマが抱える問題は、
- 「スケーラビリティ」「セキュリティ」を満たすとBSC(バイナンススマートチェーン)の様な中央集権的な構造になる
- 「セキュリティ」「分散性」を満たすとスケーラビリティが低いイーサリアムの様になる。
- 「スケーラビリティ」「分散性」を満たすとネットワークが不安定になりセキュリティが棄損される恐れがある。
といったものです。
Solana(SOL)はセキュリティーや運用の安定性が微妙
Solana(SOL)は、分散性やスケーラビリティーの点で非常に優れています。先にも述べたように、取引処理速度の高速化にも成功します。ただ、Solanaは運用の安定性やセキュリティーの面で懸念を抱えています。
例えば、2022年1月6日から12日にかけて発生し、8時間から18時間、ネットワークの一部停止と性能低下を引き起こす問題に悩まされました。その後も6時間以上のネットワークの停止に悩まされています。
Solana(ソラナ:SOL)の仕組み
PoH(Proof of History)
Solanaネットワークは、高いスループット(時間あたりの取引数)を処理することが可能です。さらに、低コストで使いやすくなっています。
これを実現しているのがPoH(Proof of History)というアルゴリズムです。PoHとは簡単にいうと時系列順に取引が並べられるような仕組み、アルゴリズムです。
ビットコインやイーサリアムで利用されているPoW(Proof ofWork)の場合、一つのブロックに時系列で順序付けられていない取引(トランザクション)がまとまって入ります。
その際にマイナーは、マイニングするブロックに時刻と日付を追加しなければなりません。結果、取引の承認に時間がかかってしまいます。
ただ、PoH(Proof of History)は、取引が常に時系列で順序立てられているので、PoW(Proof of Work)のように承認の時間が削減できます。これにより、取引の処理速度を飛躍的に高めることに成功しています。
レイヤー1での処理
SolanaはPoHのレイヤーのみで完結するために、取引速度が他のブロックチェーンと比べて非常に早くなります。
他のチェーンでは、取引の処理を高速化させるために、チェーンによってはレイヤーを二つにすることで取引効率を上げる事例もあります。例えば、Cardanoなどがその例に当てはまります。
例えば、オフチェーンという仕組みで、最初と最後の取引だけブロックチェーンに記載し、その間の取引は別のレイヤーに記載するという方法です。
ただ、SolanaはPoHによって取引処理速度やブロック生成速度が非常に大きくコストも安いため、一つのレイヤーで処理を済ますことができます。
これも、取引処理速度が高速である一つの要因になっています。
スマートコントラクトが搭載されている
開発者は、Solanaのブロックチェーン上で、マイクロペイメントやDeFi、NFT、ゲームなどのアプリケーションを開発することができます。
また、Solanaネットワークの処理速度の高さから、低い手数料でハイスピードなアプリケーションを開発可能です。
さらに、開発者に対してSolanaクラスターという開発環境を提供しています。テスト運用から本番運用などを可能にします。
Solana(ソラナ:SOL)の将来性
Solana上でテザー(USDT)がローンチ
2021年3月に、トップクラスのステーブルコインTether(USTD)が、Solanaネットワーク上でのトークン発行を開始しました。
Tetherは当初、ビットコインのブロックチェーン上に展開する仮想通貨でしたが、近年は主要なチェーンにも展開しています。
その主要なチェーンにTetherに認められたことは、Solanaの実力がそれ相応であることを示すでしょう。
今後、Solanaネットワーク上で、Tetherのように仮想通貨を発行することが増えていけばSolanaネットワークの未来は明るいと言えるのではないでしょうか。
NFTプロジェクトを立ち上げた
NFT分野においても、Solanaの存在感は目を見張るものがあります。
2021年8月に、SolanaがNFTプロジェクト「Degenerate Ape Academy」を立ち上げ、NFTに参入しています。
今後、処理速度や手数料の低さという強みを活かして、NFT分野でも猛威を振るう可能性は大いにあるでしょう。
SushiSwapがSolanaブロックチェーン上のDEXとの統合を発表した
SushiSwapとは、イーサリアムのチェーン上に展開された分散型取引所(DEX)です。Uniswapから分岐して生まれたDEXで多くの支持者が集まっています。
ただ、イーサリアムチェーン上に展開されていることでスケーラビリティー問題に夜ガス代に高騰に悩まされてきました。
そこでSushiSwapは、2021年2月にSolana基盤のDEXである「Raydium」と統合することで問題解決を図ろうとしています。
まだ続報は出ていませんが大きな期待が寄せられます。
Solana(ソラナ:SOL)の価格動向
Solanaの価格動向に関しては以下のチャートを参考にしてみてください。tt
さいごに
この記事では、最低でもSolanaネットワークとそこから発行される、SOLについて解説してきました。
この記事では最低でも以下の点を抑えておいてください。
- Proof of Historyによって処理速度を高め、スケーラビリティー問題を解決したブロックチェーンプラットフォーム
- Solana財団のCEOアナトリー・ヤコベンコという人物を中心に開発された
Solanaは、処理速度や手数料の低さでビットコインやイーサリアムを超える技術的メリットがあります。イーサリアムキラーとしてのSolanaの将来性について期待しても良いのではないでしょうか。