この記事では、仮想通貨の重鎮ともいうべきビットコイン(BTC)について解説していきます。
まず、ビットコインとは
- サトシ・ナカモトという人物によって最初に生み出された仮想通貨。
- ビットコインはのちに生まれるアルトコインに大きな影響を与えた
といった仮想通貨になります。
仮想通貨に投資をする際に、ビットコインについて知識がない状態で、突っ込むのは危険です。まず、この記事で基礎的な知識をつけてみてから、さまざまな仮想通貨の道に入ることをお勧めします。
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている労働者マンが解説します
ビットコインとは?
ビットコインは,世界初のブロックチェーンを基盤とした仮想通貨です。
仮想通貨の中で最も取引されている銘柄です。もちろん時価総額は世界で一位で、仮想通貨としても世界で最初に生まれた重鎮のような存在であることには変わりありません。
通貨単位 | BTC |
時価総額 | 1位 |
発行上限枚数 | 2,100万枚 |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Work |
ホワイトペーパー | bitcoin.pdf |
公式サイト | bitcoin.org |
ビットコインの誕生
ビットコインは、2008年10月サトシ・ナカモトという人物がネット上である論文を公開したのがきっかけです。
その論文は、「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(ビットコイン:P2P 電子マネーシステム)」という題目になっています。
この論文では、既存の金融システムを介した中央集権的な管理システムではなく、ブロックチェーンという技術を利用して、ユーザーが民主的に運営できる仮想通貨の構想が描かれていました。
ビットコインの誕生からアルトコインの誕生へ
ビットコインが誕生したのち、その設計思想を参考にした仮想通貨が多く生み出されました。それが、アルトコインです。
アルトコインには、イーサリアムやリップル、モナコイン、NEM(ネム)などが例としてあげられます(そのほかにも数えきれないアルトコインが存在します)。これらは根本的にはビットコインの設計を受け継いだものになっています。
ビットコインには運営者が存在しない
ビットコインには、運営者が存在しません。既存の金融システムのように仲介業者が存在せず、ユーザー同士の取引が可能になっています。
仮想通貨(ビットコイン)には運営者が存在しない
ビットコインには運営者というものが存在しません。基本的に関係者による話し合いで民主的な運営がなされています。
具体的には、開発者コミュニティー・マイニング業者・取引所・サービス事業者・エンドユーザーが関係者にあげられます。
開発の方向性やルール作りは誰かからのトップダウンで一方的に決められることがありません。これが、仮想通貨が国際通貨であり、分散型通貨であり、民主的な通貨といわれる所以です。
仮想通貨の利害関係者
ビットコインなどの仮想通貨の利害関係者には
- 開発者コミュニティー
- マイニング業者
- 取引所
- サービス事業者
- エンドユーザー
が存在します。これを図式すると以下のようになります。
エンドユーザー
エンドユーザーとは、今この記事を見ている実際にビットコインをはじめとする仮想通貨の売買をしている我々のような人のことを指します。
サービス事業者
仮想通貨を利用してエンドユーザーが売買をする際に、利用するEC店舗や実店舗、レンディングサービスなどが、サービス事業者にあたります。
ただ、日本ですと仮想通貨を利用できる実店舗やEC店舗といったサービス事業者は少ない状況です。ただ、アメリカですと利用できる店舗が増加しているそうです。
取引所
取引所とは、ビットコインの交換、送金、保管を行う事業者のことです。エンドユーザーが仮想通貨を取引を簡易化するための場所を提供する場所のことを指します。
日本では、coincheckやbitflyer、GMOコインなどがあげられます。
マイニング業者
マイニング業者は、世界中の取引を承認し新たなビットコインを採掘しているマイナーと言われる人のことです。我々が仮想通貨の取引をした際に取引を承認するのがマイニング業者です。
彼らは、取引から手数料を取ることで利益を得ることができます。
開発コミュニティ
最後に、エンドユーザーからマイニング業者に至る人々が仮想通貨を利用するための、ソフトウェアを開発しているのが開発コミュニティーです。
ビットコインの場合、誕生初期の頃から開発に携わってきたコアディベロッパーと呼ばれる人々のことです。彼らが常にビットコインの運営する仕組みを作り上げています。
ビットコインの仕組みと特徴
仮想通貨の仕組みをビットコインの事例をもとに解説していきます。主にP2Pというシステムをブロックチェーン技術(分散型台帳技技術)によって実現することで、取引(トランザクション)の信頼性を担保しました。
これは、既存の金融システムとは違う方法になります。
P2P(ピア・ツー・ピア)
P2Pとは、コンピューター同士が対等の立場でデータを交信するシステムのことを指します。あくまでP2Pとは通信方式で仮想通貨に限定される技術ではありません。
そこで仮想通貨の元になるブロックチェーン技術は、P2Pという通信方式を取り入れることで、金融機関の介在無しにユーザー同士でのオンライン取引(トランザクション)を可能にしました。
サトシ・ナカモトはビットコイン原論文の中で以下のように述べています。
完全な P2P 電子通貨の実現により、金融機関の介在無しに、利用者同士の直接的なオ
ンライン決済が可能となるだろう。
このシステムは既存の金融システムを大きく塗り替えました。既存の金融システムは、中央集権型で取引履歴を保管し、第三者機関のもとで取引履歴の信頼を担保してきました。
これは一つのサーバーに全ての情報を集めるクライアントサーバー方式になります。
一方で、ビットコインは全ての呼ばれる仕組みは、P2Pの通信方式をとることで、取引履歴をみんなで共有することで信頼性を担保したのです。
分散型台帳技術(ブロックチェーン技術)はこのP2Pという仕組みを取り入れることで民主的な運営が可能になりました。
ブロックチェーン(分散型台帳技術)
ブロックチェーン技術はP2Pの通信方式を利用することで、取引の信頼性を担保しています。
ブロックチェーンとは、取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術です。別記事でブロックチェーンに関してわかりやすく解説しているので合わせてお読みください。
過去の取引(トランザクション)の履歴が鎖のように連なっていることからブロックチェーンという名前が付いてます。
ブロックチェーンには
- 一方向にしか流れない
- 一連の鎖になっている
という特徴があります。
これにより、過去の取引履歴を改ざんしようとしても、その後に行われた膨大な取引履歴全てを変更しなければならなくなります。これにより事実上改ざんが不可能となっているのです。
ブロックチェーンの一つのブロックには、取引データ以外にも、取引の順番を示したインデックス、直前のブロックから計算されるハッシュ値などの情報が入っています。
この点については、ブロックチェーン技術について解説した記事で解説しています。あわせてお読みください。
プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)
ブロックチェーンのブロックには取引情報(厳密には入出金の情報)が書かれています。これは新しい入出金の履歴が追加されるたびに、ブロックは増えていきます。
しかし、入出金情報(ブロック)が正しいかどうかを判断する管理人がビットコインにはいません。そこで、Pow(Proof of Work:プルーフオブワーク)というコンセンサスアルゴリズムを採用することで取引(トランザクション)の正当性を判断しています。
プルーフ・オブ・ワークでは、必要な「計算」を成功させた人が、そのデータを「承認」して正しくブロックチェーンにつなぎこむ役割を担う仕組みとなっています。この仕組みをマイニングと言います。
マイニング
ビットコインの取引にはマイニングという取引に対する承認作業が必要になります。その承認作業とは、過去の取引履歴の鎖の最後に、あたらしいブロックをはめ込むための暗号を見つけ出すものになります。
この暗号を見つけ出すレースが10分おきに行われ、一番最初に見つけ出したものが勝者となり、賞金(手数料)の収入を得ることができるのです。
マイニングはマイニング業者と言われる人々が遂行しています。マイニングには大きなデータの処理が必要になるため、マイニング専用マシンが必要になります。
そのため、ある程度の財力が必要になり、マイニング企業が上場している事例もあげられます。
ビットコインの問題点:スケーラビリティー問題
ただ、ビットコインには多くの問題点があります。それは、まだできて間もないことで法整備が進んでいない点などがあります。ただ、それ以上にビットコインにはスケーラビリティーという大きな問題点
スケーラビリティー問題
ビットコインは、管理者が存在せずとも取引(トランザクション)が可能であるブロックチェーン技術を使用している点に特徴がありました。
しかし、このブロックチェーンにおける一つのブロックに書き込める取引(トランザクション)のデータに上限があります。これにより、マイニングによる承認作業に遅れが生じ、処理速度が低下してしまいます。これがスケーラビリティー問題です。
これにより、送金が遅れてしまう点に加え、手数料が高騰することで、ユーザーが離れていってしまうリスクもあります。
現時点ではすぐに送金が必要な場合などには適していないのがビットコインなのです。処理速度で言えばクレジットカードのVISAよりもはるかに遅いのが現状です。
ハードフォークによる解決?
スケーラビリティー問題を解決するために行われるのがハードフォークです。仮想通貨のアップデートのことを指します。
例えばAのブロックチェーンがハードフォークをすると、A’という新たなコインが生み出されます。ブロックチェーンの一つの鎖が分岐するのです(以下の図参照)。
この分岐がフォークのシルエットに似ていることからフォークという名前がついています。
ハードフォークによって生まれたのがビットコインキャッシュ()
ビットコインでも、スケーラビリティー問題を解決するためにハードフォークがいくつも行われています。その結果生まれたのがビットコインキャッシュ(BCH)でした。
ビットコインキャッシュは、ビットコインに比べて送金スピードの点で優れています。ただ、ビットコインの時価総額には遠く及ばない状態です。
ビットコインの価格動向とチャート
ビットコインの価格動向を確認できるように、チャートをご用意いたしました。参考までにどうぞ。