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【仮想通貨】Terra(テラ:LUNA)とは?暴落の経緯や今後の見通しと現状について解説。

この記事では、2022年5月に大暴落を引き起こしたTerra(テラ:LUNA)について解説していきます。この大暴落は界隈ではLUNAショックと呼ばれており多くの被害を受けました。

このプロジェクトは、暴落前は無担保型のステーブルコインプロジェクトでしたが、現在はdApps開発が可能なブロックチェーンを提供するプロジェクトとなっています。

また、Terra(テラ:LUNA)についてまとめると以下のようになります。

  1. Terra(テラ:LUNA)は、2022年5月に一度大暴落している
  2. 当初はステーブルコインのプロジェクトだったTerra(テラ:LUNA)は現在dApps開発用のブロックチェーンプロジェクトになっている
  3. 当初はDo Kwon氏を中心に運営されていたが、現在はコミュニティーによって運営されている
編集長
編集長

この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている資本主義の奴隷編集部が解説します

また、姉妹プロジェクトである仮想通貨Terra Classic(LUNC)とは何か解説した記事もあわせてお読みください。

この記事でわかること
  • 暴落前後でのTerra(テラ:LUNA)の概要や特徴を知れる
  • Terra(テラ:LUNA)が暴落した経緯について知ることができる
  • Terra(テラ:LUNA)の今後の動向や将来性について知ることができる

Terra(LUNA)とは?

創設者と運営企業

Terra(LUNA)は、主にコミュニティーによって運営がなされています。そのため、主な運営企業は存在しません。

ただ、このプロジェクト自体は、Do Kwon氏によってステーブルコインのプロジェクトとして2018年に開始されました。運営企業はTerraform Labs社です。

Do Kwon氏

ただ、2022年に大暴落をしてからは、Do Kwon氏には逮捕令状が出され現在逃亡中です。Terraform Labs社は破産申請をしております。現在は、コミュニティーによって運営されている(?)ブロックチェーンプロジェクトへと様変わりしています。

Terraプロジェクト
  • Terraform Labs社の共同創業者Do Kwon氏によってステーブルコインのプロジェクトとして2018年に開始
  • 現在は、コミュニティーによる分散型の運営がなされている

Terra2.0

Terra(LUNA)が提供しているTerra2.0は、スマートコントラクトを実装したブロックチェーンです。そのため、dApps(分散型アプリケーション)を開発可能です。また、CosmosSDKというツールと連携しているため、dAppsの開発の利便性が非常に高くなっています。

さらに独自のウォレットと接続することで、Terraのエコシステムに存在するdAppsと接続することができます。また、Terraのエコシステムの運営自体はコミュニティーによって行われています。

LUNAトークン

LUNAトークンは、Terraブロックチェーンで展開されるdAppsでの支払い等に使用することができます。さらに、LUNAを使用して、ステーキング報酬を獲得することができます。

さらに、ガバナンストークンとしても機能しており、コミュニティーの投票にも使用することができます。

通貨名Terra Classic(LUNA Classic)
シンボルLUNC
価格¥0.02055
時価総額¥123,911,968,459
時価総額ランキング40位
取扱取引所国内取引所では取扱いはなし
公式サイトterra.money

Terra(LUNA)の特徴

Terra2.0:dApps(分散型アプリケーション)を開発できる

のちにも解説しますが、Terra(LUNA)は2022年5月に崩壊しています。同年に立て直すために、フォークを実施し新たに生み出されたのがTerra2.0チェーンです。

元の Terra は Terra Classic(LUNA)にブランド変更され、新しいチェーンは既存の Terraの名前で存続しています。Terra2.0はスマートコントラクトを実装しており、dApps(分散型アプリケーション)が可能です。

現在、DeFi分野をはじめとしてさまざまなアプリケーションが展開されています。ただ、まだまだTerra2.0を中心としたエコシステム自体はまだまだ成長途上です。

Terra2.0とは
  • LUNAショックを機にフォークしたTerraチェーンの名称
  • スマートコントラクトを実装しており、dApps(分散型アプリケーション)が可能

Proof of Stake(PoS)を採用

Terra2.0は、Proof of Stake(PoS)をコンセンサスアルゴリズムとして採用しています。

PoSは、通貨の保有量の多さを基準に選出します。該当の通貨の保有量が多さに応じてバリデーターとしての取引承認の権限が多く与えられます。これにより、ビットコイン等が採用しているProof-of-Work(PoW)と比べて取引の処理速度の高速化に成功しています。

Cosmos SDKにより開発が容易

Terra(LUNA)は、Cosmos SDKを採用しています。Cosomos SDKを採用することによってアプリケーション独自のブロックチェーンを開発することができます。

Cosmos SDKについて詳細を知りたいかたはCosomosとは何か解説した記事もあわせてお読みください。

暴落以前のTerra(LUNA)の特徴※現在はLUNA Classic(LUNC)

現在のTerra(LUNA)は、dApps開発が可能なスマートコントラクトを実装したプラットフォームとしてのブロックチェーンプロジェクトとなっています。ただ、LUNAの大暴落が起こるまではステーブルコインのプロジェクトTerra(LUNA)として機能していました。

ここでは、大暴落以前のTerra(LUNA)について解説していきます。

分散型のステーブルコイン

暴落以前のTerra(LUNA)は、ステーブルコインのプロジェクトの中では珍しく分散型プロジェクト運営でした。Terra(LUNA)は、アルゴリズム型、もしくは無担保型といわれるステーブルコインです。

それが実現できたのは、アルゴリズム型のステーブルコインだったからです。例えばTether(USDT)などのステーブルコインは法定通貨担保型といわれ、通常ドルなどの資産に直接裏付けられており運営による中央集権的な管理が必要でした。

しかし、以下で解説するようにアルゴリズムによる価格調整によって法定通貨とのペッグが可能であると考えられたのです。これにより資産に裏付けられる必要がなくなったのです。

ステーブルコインのTerra(LUNA)
  • Terra(LUNA)は、ステーブルコインのプロジェクトの中では珍しく分散型プロジェクト運営
  • アルゴリズムによる価格調整によって法定通貨とのペッグが可能であることで実現

分散型のアルゴリズム(無担保)ステーブルコイン

Terra(LUNA)はアルゴリズムに任せてドルとのペッグを実現していたため分散型の運用が可能でした。

Terra(LUNA)は、米ドルと連動するステーブルコインTerraUSD(UST)や韓国ウォンと連動したTerra KRWを発行しており、これらがLUNAトークンと連動しながら複雑なアルゴリズムによって各国通貨価格にペッグされる仕組みになっています。

LUNAトークンとステーブルコイン
  • Terra(LUNA)は、米ドルと連動するステーブルコインTerraUSD(UST)や韓国ウォンと連動したTerra KRWを発行
  • TerraUSD(UST)やTerra KRWとLUNAトークンがアルゴリズムによって連動している

具体的なステーブルコインの価格調整の仕組みについて具体例を用いて説明します。Terra USD の需要が上がり1ドル以上の価値がつきそうな場合があるとします。その場合、LUNAトークンを焼却(バーン)しTerra USD を追加発行することで価格を下げることでドルとのペッグを担保します。

逆に1ドルの価値を割りそうな場合、LUNAトークンが追加発行され、Terra USD 価格を押し下げます。この流れで獲得される通貨発行益は、LUNAトークン保有者に還元されるのです。

Terra(LUNA)の崩壊の経緯とその後

では、見事に作り上げられたTerra(LUNA)の仕組みはなぜ大暴落という形で崩壊したのでしょうか?ここでは暴落の経緯とその後について解説していきます。

LUNAショック

アルゴリズムでLUNAと連動していたTerraUSD(UST)は2022年5月に、1UST=1ドルを割り込んでドルペッグが崩壊しました。大暴落の原因は、仮想通貨市場を巧妙に操作する攻撃を受けたことによります。簡単に流れを説明しましょう。

  1. 攻撃者は、レバレッジをかけて大量の Terra USD を売却
  2. TerraUSD(UST)は2022年5月に、1UST=1ドルを割り込んでドルペッグが崩壊
  3. これに対して運営は、大量の保有していたビットコインを売却することで買い支え
  4. ビットコインの大量売却により仮想通貨市場が混乱しterraUSD(UST)のペッグが困難に
  5. 追い討ちをかけるように投資家たちもTerra USDを売却
  6. アルゴリズムによってTerra USDが供給過多に
  7. LUNAはインフレを起こしそれに合わせてLUNAを売却する投資家が大量発生
  8. 結果、LUNAは大暴落を起こし崩壊

LUNA Classic(LUNC)の誕生

LUNAショックによって、ステーブルコインプロジェクトとしてのTerra(LUNA)を維持することは困難になりました。

そこで、Do Know氏は、Terraのコミュニティと開発者のエコシステムを維持することを最優先に、Terraチェーンのコードをコピーして再構築することを掲げました。

その結果生まれたのが、Terra2.0であり、この記事で解説しているdApps開発を主軸とした新生Terra(LUNA)なのです。

  • Do Know氏は、Terraのコミュニティと開発者のエコシステムを維持することを最優先に、Terraチェーンのコードをコピーして再構築
  • 新生Terra(LUNA)とTerra Classic(LUNC)に分離した

また、フォークする以前のTerraチェーン上ものに関してはTerra Classic(LUNC)として存続しています。Terra Classic(LUNC)とは何か詳しく知りたいかたは以下の記事もあわせてお読みください。

Terra(LUNA)の価格動向

さいごに

Terra(テラ:LUNA)についての概要について解説したのち、暴落前後のTerra(テラ:LUNA)、大暴落の経緯について解説していきました。Terra(テラ:LUNA)についてまとめると以下のようになります。

  1. Terra(テラ:LUNA)は、2022年5月に一度大暴落している
  2. 当初はステーブルコインのプロジェクトだったTerra(テラ:LUNA)は現在dApps開発用のブロックチェーンプロジェクトになっている
  3. 当初はDo Kwon氏を中心に運営されていたが、現在はコミュニティーによって運営されている
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