この記事では、L1ブロックチェーンのNEMとそのネイティブトークンであるXEM(ゼム)について解説して行きます。
また、NEMはNew Economy Movementであり、既存の世界経済の枠組みを変えることを目指して構築されました。具体的には以下のようにまとめられます。
- コンセンサスアルゴリズムはProof-of-Importance (POI)を採用
- 既存トークンエコノミーにおける富の格差の問題を解決して富分配を実現することを目的している
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている資本主義の奴隷編集部が解説します
NEM(XEM)とは?
L1ブロックチェーンNEM
NEMは、New Economy Movementの略称となっています。世界経済だけでなく、他の暗号通貨の問題のいくつかを修正するために2014年に開発が開始され、2015年に公開されています。
NEMは、レイヤー1のブロックチェーンとなっています。スマートコントラクトを実装することで、dAppsの開発が可能となっています。
NEM自身の特徴として、高いセキュリティとスケーラビリティを備えており、個人での利用に限らずビジネスや政府機関などでの活用が可能です。既存のビットコインやイーサリアムと似ているものの、やや異なった仕組みで動いています。
創業者や運営企業
元々、NEM(XEM)は、NEM財団によって運営されていました。代表理事はAlexandra Tinsman(アレクサンドラ・ティンスマン)氏です。
ただ、別の記事でも解説しているSymbol(XYM)の効率的な開発を見据えて2020年4月には解散して、NEM財団は解散しました。
その後継として、NEMグループ(NEM Group Ltd.:NGL)が設立され、以下の三部門を持った組織になりました。
- NEM Trading
- NEM Ventures
- NEM Software
XEMトークン
NEMでは、ネイティブトークンとしてXEMが発行されています。総発行量は8,999,999,999XEMであす。これらの発行枚数は全てNEMがローンチされた時点で全て発行されており、今後新規発行される予定はないそうです。
XEMトークンの主な使用用途は取引手数料の支払いや、ハーベストと言われる取引承認作業を行なった人への報酬として使用されます。
名前 | NEM(ネム) |
ティッカーシンボル・単位 | XEM |
現在の価格 | ¥4.600 |
時価総額 | ¥41,399,999,995.400 |
時価総額ランキング | 11位 |
公式サイト | polkadot.network |
NEM(XEM)の仕組み
Proof of Importance(PoI)の採用
NEMはコンセンサスアルゴリズムとしてProof-of-Importance(PoI)を採用しています。PoIでは、NEMアカウントの重要度(インポータンス)ごとに、ブロック生成時の手数料が配分されるようになっています。
アカウントの重要度は、活動の活発さによって決まります。具体的には、所有しているXEMの数や、取引数、取引額によって決まります。
これにより、高い処理能力を実現しています。具体的には、取引の処理速度が約1分程度で済むようになっています。
イーサリアムは、PoS(Proof of Stake)を採用していますが、トークンを多く持つ人が有利な仕組みになっています。それに対して、PoIはネットワーク上での活動の多さ等が基準になっており、格差が生まれにくくなっています。
ただし、配分される権利はNEMアカウントに10,000XEM以上の保有していることが条件になります。
Eigen Trust++によるセキュリティーの高度化
NEMは評判システムとしてEigen Trust++を採用しています。NEMは誰でも参加可能なP2P方式を採用しているため、悪意のあるノードが混じってしまう可能性があります。
そこで、ノード同士がお互いを見張り合い監視する仕組みを取り入れることで、ノード同士がそれぞれの信頼度を築き上げていき、信頼度が低いノードは拒否されるような仕組みになっています。
トークンの生成が可能
NEMでは、トークンを発行する機能があり、そのトークンをモザイク(Mosaic)と呼バレます。
内部通貨XEMはモザイクの一種であり、初めから組み込まれているトークンです。
トークンを作成するには、ネームスペース領域にてドメイン名を作り、その下にてモザイクを作ることになっている。またモザイクは、以下の属性を持ちます。
Wikipediaより引用
- Description(説明) : モザイクの説明文
- Divisibility(可分性) : モザイクを小数点まで分割できるようにする
- Information(情報) : プロパティに入れることができる任意のバイト配列
- Namespace(名前空間) : NEMにおけるドメイン名
- Name(名前) : モザイクの名称
- Mutable quantity(可変発行量) : 流通させるモザイクの総量
- Transferability(譲渡性) : 誰と譲渡できるのかを設定する
- Levy(課徴金) : モザイクの取引における手数料を設定する
NEM(XEM)とSymbol(XYM)の比較
通貨名 | ||
---|---|---|
利用ブロックチェーン | NIS1(通称NEM) | Symbol |
目的 | 個人向け開発 | 法人向け開発 |
承認アルゴリズム | PoI | PoS+ |
API言語 | Java | C++ |
NEM(XEM)のチャートと価格動向
NEM(XEM)の今後の動向
Symbol(XYM)へのアップデートの完了が2021年11月に完了しています。今後、NEMとSymbolの両軸で更なる新しい経済活動の実現へ向かうと考えると胸が躍りますね。
さいごに
これまで、NEMについて解説して行きました。これまでの内容をまとめると以下のようになります。
- コンセンサスアルゴリズムはProof-of-Importance (POI)を採用
- 既存トークンエコノミーにおける富の格差の問題を解決して富分配を実現することを目的している
また、今後Symbol