生産者は利潤最大化のためにコストもしくは費用を最小化する必要性があります。
そのためには、等量曲線や等費用曲線などを利用して求めることができます。
ここでは、生産者が費用を最小化するための条件や等量曲線や当費用曲線について解説して行きます。
また、そもそもマクロ経済学の全体像について理解できていない方は以下の記事を読んでみてください。
等量曲線について
2つの生産要素の組合せについて描いた生産曲線を等量曲線(等産出量曲線)といいます。この曲線は、同じ生産量を生産するのに必要な生産要素(労働・資本)の組み合わせを示したものです。
消費者理論で登場した無差別曲線の二つの財・サービスが資本や労働の生産要素に変わったバージョンと考えて良いでしょう。
等量曲線は、原点に対して凸型になっています。こうした原点に対し凸型の等量曲線は、コブ=ダグラス型生産関数といいます。
原点に対してL字型の等量曲線も存在します。これをレオンチェフ型生産関数といいます。
ssと労働の組み合わせの仕方が限定的な生産システムの場合にこの生産関数になります。コブ=ダグラス型生産関数は、資本(K)と労働(L)の組み合わせがレオンチェフ型生産関数に比して柔軟になります。
技術的限界代替率について
同じ生産量を保つために、片方の生産要素を1単位増加させたとき、もう一方の生産要素を何単位減少させるべきかを示したものを技術的限界代替率(MRS)といいます。
この技術的限界代替率は、資本の限界生産力と労働の限界生産力の比と等しくなります。数式であらわすと、
労働の限界生産力/資本の限界生産力=MPL/MPK
となります。これは、技術的限界代替率逓減の法則があてはまるケースです。
等費用線について
等費用線とは、一定の生産費用の中で可能な生産要素の組み合わせを示したものです。
等費用線は、消費者理論でいうところでの予算制約線に相当するものです。等費用線は、労働力に賃金(w)をかけたものに資本に資本価格をかけたものを足し合わせたものになります。数式で表すと以下のようになります。
C(総費用)=w(賃金率)L+r(資本の価格)K
等費用線の傾きは、上記の数式を一次方程式の形に直すことで導出できます。
K=w/r・L+C/r
ここから等費用線の傾きは生産要素の価格比になるので、
賃金(w)/資本価格(r)
となります。
費用最小化点
これまで説明してきた、等費用線と等量曲線を組み合わせることで導出することができます。生産者は等量曲線と等費用線の接点で、最小費用で済む生産要素の最適な投入量を決定します。
消費者理論でいるところの最適消費点と一致します。
費用最小化の条件は次の形になります。
費用最小化点技術的限界代替率(MRS:MPL/MPK)= 生産要素の価格比(w/r)
技術的限界代替率は限界生産力の比率から求めることができます。
さいごに
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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