ミクロ経済学経済学

費用低減産業とは?わかりやすく解説。

この記事では市場の失敗の一例である費用低減産業について解説していきます。

まずは、市場の失敗についておさらいをしたのちに費用低減産業について解説します。

この記事でわかること
  • ミクロ経済学の全体像がつかめる
  • 市場の失敗の概要をつかめる
ミクロ経済学の記事一覧

経済学とは?
ミクロ経済学の全体像
▼需要/供給曲線の導出
消費者理論
生産者理論
▼需要/供給曲線の分析
部分均衡分析
一般均衡分析
▼市場に関する不都合
市場の失敗
不完全競争市場
▼その他の理論
貿易理論
ゲーム理論

市場の失敗とは?

経済学では、効率的に財・サービスが行き渡る完全競争市場が理想とされていました。この完全競争市場を理想と定義した人物はアルフレッド・マーシャルと言われています。

アルフレッド・マーシャル

しかし、市場メカニズムが働いても完全競争市場が達成されず、非効率的な状態があります。これを市場の失敗と言います。

また、市場の失敗と似たものとして、不完全競争市場が挙げられます、市場メカニズムが働いていない状況のことを指します。

CHECK

市場メカニズムが働いても完全競争市場が達成されず、非効率的な状態があります。これを市場の失敗と言います。

といったものが挙げられます。それぞれ以下で詳細に解説していきます。

費用逓減産業とは?

費用低減産業とは?事例は? 

電気・ガス・水道などの社会的なインフラは、財・サービスの供給を開始する以前に莫大な設備投資が必要になってきます。

こうした産業のことを費用逓減産業と言います。

費用逓減産業
CHECK

費用逓減産業:電気・ガス・水道などの社会的なインフラのような、財・サービスの供給を開始する以前に莫大な設備投資が必要になってくる産業

費用低減産業における費用の特殊性

こうした産業は固定費用(FC)が大きいため、生産を増加させるたびに平均費用(AC)が減少する産業のことを指します。つまり、最初に大きなお金を持っている人が設備に投資すれば、その後のコストパフォーマンスが非常に良い産業なのです。

より詳細に解説します。生産量1単位あたりの固定費用(FC)を平均固定費用(AFC)といいます。

平均固定費用(AFC)は固定費用(FC)÷生産量(Q)と分解することができます。

平均固定費用(AFC)=固定費用(FC)/生産量(Q)

そのため、生産量が増加するにつれて平均固定費用(AFC)は減少していきます。


電気やガスなどの産業は総費用(TC)に対する、固定費用(FC)割合が大きいです。そのため、生産量が増えるにつれて平均費用(AC)も減少することになります。

これらの、産業は市場原理に任せていると独占企業へと成長していきます。そのため、政府が中心となって運営している国がほとんどになります。

費用低減産業は自然独占に至る

費用逓減産業は市場原理に任せていると、独占産業になってしまします。これを自然独占と言います。

 独占状態なので、利潤最大化条件は限界収入(MR)=限界費用(MC)になります。この自然独占には、社会全体でみると厚生損失を生み出してしまいます。

費用逓減産業は、人々の生活に必要不可欠なものを生産することが多く、政府が補助金や租税によって規制する必要性があります。

CHECK

自然独占:市場原理に任せていると独占産業になってしまうこと。費用逓減産業などはその例。

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございます!

この記事をきっかけで少し経済学について理解を深めたいと思った方は、以下の書籍から初めてみるのがおすすめです!

それは、スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編・マクロ編です。

こちらはミクロ経済学に関して難しい数式を使うことなくわかりやすく説明してくれています。

これらの本を理解できたら、次に『スティグリッツ入門経済学』を読んでみるのもアリだと思います。ですが、正直、信じられないくらい分厚いので覚悟は必要かもしれません。

しかし、この本を読めば経済学という学問の全体像を知ることができるのでオススメです。

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