この記事では、アメリカ独立戦争について解説します。アメリカ独立戦争は、のちのフランク革命の要因にもなった出来事です。
そして、現在世界経済でぶいぶい言わしているアメリカが生まれた瞬間でもありました。
独立戦争の背景
アメリカの発見
そもそも、アメリカはヨーロッパ人が住んでいる場所ではありませんでした。基本的にヨーロッパからの移民が作り上げた国がアメリカ合衆国です。
そのきかっけが、大航海時代さなかのコロンブスによるアメリカ大陸発見です。
彼は、サンタマリア号をはじめとする三隻で、西回りインド航路の探索のためにスペイン南西部のパロスを出港し、その途中でアメリカ大陸を発見しました。
13植民地への課税
もともと、イギリスは18世紀中頃にフランスと植民地戦争とヨーロッパ本土での七年戦争(1756~1763年)で多くの戦費を使用しました。
そのしわ寄せとして、植民地(13植民地と呼ばれている)に対して様々な課税が課せられました。この課税に対する植民地の本土への反発が背景にありました。
独立戦争のきっかけ:ボストン茶会事件の勃発
独立戦争の開戦:ボストン茶会事件からレキシントン・コンコードの戦いへ
13植民地への課税に対する反発で、1773年に勃発したボストン茶会事件が勃発します。
この事件がきっかけで、植民地側と本土は対立し独立戦争へと発展しました。
イギリスは1775年、レキシントンとコンコードに植民地側の武器庫があり、イギリスは接収を試みます。
しかし、ここで植民地側の民兵の迎撃にあいます。これをレキシントン・コンコードの戦いといい、本格的な独立戦争の幕開けとなります。
ボストン包囲戦と植民地側の結束
レキシントン・コンコードの戦いののち、植民地側はボストン包囲戦を決行します。
ボストンを包囲してイギリス軍の動きを封じ込めようとしたのです。
結果、ボストン包囲戦は成功します。この戦争の最中、バラバラだった植民地住民たちは結束を深めるようになります。のちには、総司令部が誕生します。総司令官は、のちに初代大統領になるジョージ=ワシントンです。
結局、イギリスはボストン包囲網を解くことができず、ボストン市を明け渡します。
アメリカ独立宣言から終戦へ
当初hあ、国としてもまとまりすら無かった植民地サイドは、ボストン包囲戦などを通して結束力を強めていきました。
それに続いて、フランスやスペイン、オランダなどの見方に着くようになりました。これにより、独立戦争は成功に終わろうとしていました。
アメリカ独立宣言
この戦争が継続しているなか、1776年7月4日に大陸会議でジェファーソンの起草したアメリカ独立宣言が全会一致で採決しました。
これが実質的なアメリカ合衆国の発足となりました。7月4日は現在も独立記念日になっています。
フランスの参戦
独立宣言後、1778年にサラトガの戦いで植民地側が勝利しました。これをきっかけに、フランスが参戦してきました。
フランスは植民地側につきました。理由としては、アメリカ大陸におけるフランスの植民地拡大を狙ったからです。
翌1779年にはフランスの同盟国としてスペインも参戦してきました。1780年にはオランダも参戦し財政的援助が行われました。
フランスが植民地側についたことをきっかけにイギリスは一気に劣勢に持ち込まれ、1783年に休戦協定を結ぶこととなるのです。
その後、アメリカ合衆国は西へと領土を拡大し、西部開拓の時代へと突入することになります。
独立後のアメリカの工業化
アメリカの工業化
独立戦争ののち、アメリカは工業化を進めることになります。そもそも、アメリカは18世紀まで、ヨーロッパへの原材料の供給基地としての性格が強い植民地でした。
- 南部はタバコや小麦
- 中部はコメや小麦
をヨーロッパへと輸出していました。また、ニューイングランドをはじめとする北東部は目だった産業は存在していませんでした。
米西戦争と出港禁止法の追い風
アメリカにおける最初の工業化の進展は、1807年の出港禁止法と1812年の米英戦争が追い風となりました。背景にはナポレオン戦争によりアメリカの商船が攻撃されるリスクがあるので、アメリカから英仏への輸出を事実上禁止したことがあります。
これにより、イギリスと植民地側は対立し米英戦争が勃発します。これにより、イギリスからの工業製品が途絶します。この間にイギリスから輸入を代替する形でアメリカの工業化はニューイングランドを中心に進展していきました。
西武開拓の進展
さらに独立後、西部開拓の進展とともに、ニューイングランドで生産される綿布は、広大な市場を獲得していきました。
ニューイングランドは工業化が進み、農業人口が劇的に低下していきました。これにより、
- 南部は奴隷制プランテーションを行う農業地域
- 北部は工業地域
というように、南部と北部で大きく性格が異なるようになりました。これは南北戦争の要因ともなりました。
さいごに
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