ミクロ経済学経済学

限界費用と利潤最大化の求め方について分かりやすく解説。

ここでは限界費用と利潤最大化の条件とその求め方について解説して行きます

常に完全競争のもと生産者は費用をかけて生産を行います。その際に、生産者は利潤最大化を常に求めるという前提が経済学にあります。

そのあり方をこの記事では解説して行きます。

また、経済学における総費用の考え方に関してはこちらの記事をあわせてお読みください。

この記事でわかること
  • 限界費用に関する考え方が理解できる
  • 生産者の利潤最大化条件の求め方を理解できる

また、そもそもマクロ経済学の全体像について理解できていない方は以下の記事を読んでみてください。

ミクロ経済学の記事一覧

経済学とは?
ミクロ経済学の全体像
▼需要/供給曲線の導出
消費者理論
生産者理論
▼需要/供給曲線の分析
部分均衡分析
一般均衡分析
▼市場に関する不都合
市場の失敗
不完全競争市場
▼その他の理論
貿易理論
ゲーム理論

完全競争の仮定

限界費用を考える際に、ミクロ経済学では完全競争市場を想定します。

完全競争市場においては、消費者と生産者は、無数に存在するとという前提があります。そのため、個人の行動の影響は市場において限りなく0になります。

この時、消費者と生産者はプライステイカーとなります。個人は市場で決まった価格を受け入れるしかないのです。

CHECK

・希少な資源を最適に配分するうえで、完全競争市場が経済学では一番理想的な状態であると仮定
完全競争市場においては、消費者と生産者は、無数に存在するとという前提があります。
・消費者と生産者はプライステイカーとなります

限界費用(MC)とは?

では限界費用とはなんでしょうか?

財・サービスの生産を1単位増加させた時に、総費用が増加した分を限界費用(MC:Marginal Cost)といいます。

総費用関数についての確認

その前に総費用について確認しておきましょう。

総費用は可変費用(VC)と固定費用(FC)の合計のことを指します。

総費用(TC)=可変費用(VC)+固定費用(FC)

そして、生産量と総費用の関係性をあらわしたものが総費用関数になります。グラフであらわしたものが総費用曲線です(以下のグラフ参照)。

総費用曲線は逆S字型の総費用曲線が一般的です。

総費用のグラフがなぜこのようになるのかについては以下の記事で解説しているので、まだ理解していない人は合わせてお読みください。

限界費用の求め方

限界費用は、総費用関数の接点の傾きになります。算出方法としては、総費用関数を生産量で微分します。数式で表すと以下のようになります。

限界費用(MC)=ΔTC/ΔY

CHECK

財・サービスの生産を1単位増加させた時に、総費用が増加した分を限界費用(MC:Marginal Cost)といいます。

利潤最大化の条件

利潤最大化の条件

完全競争市場における利潤最大化の条件は、

価格(P)=限界費用(MC)

になります。完全競争市場ではどんな経済主体もプライステーカーとなり、価格に影響を与えません。

利潤最大化の導出

では利潤最大化条件は微分によって導出することができます。

まず、利潤は

利潤(π)=総収入(TR)- 総費用(TC)

という計算式になります。収入から費用を差し引けば利潤が出るというのは感覚的にわかると思います。この数式をさらに変形します。総収入は生産量に商品単価、つまり価格をかけたものになります。よって、

利潤(π)=価格(P)×生産量(Y)-総費用(TC)
→総収入(TR)=価格(P)×生産量(Y)

と変形することができます。ここから利潤最大化条件を導出するには、これを生産量(Y)で微分した上で利潤が0になる点を算出していきます。すると

Δπ/ΔY= P – ΔTC/ΔY(MC) = 0
→P = MC

ΔTC/ΔYは生産量が一単位増える毎にかかる費用、つまり限界費用を表します。

では、これをグラフでも表現してみます。A点とB点の間が利潤が0以上になる領域です。そこにおいて総費用曲線(TC)と総収入曲線の接点の傾きが利潤最大化時の限界費用になります。

また、この時価格(P)と限界費用(MC)は一致します。

さいごに

経済学のおすすめの本

最後まで読んでいただきありがとうございます!

この記事をきっかけで少し経済学について理解を深めたいと思った方は、以下の書籍から初めてみるのがおすすめです!

それは、スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編・マクロ編です。

こちらはミクロ経済学に関して難しい数式を使うことなくわかりやすく説明してくれています。

これらの本を理解できたら、次に『スティグリッツ入門経済学』を読んでみるのもアリだと思います。ですが、正直、信じられないくらい分厚いので覚悟は必要かもしれません。

しかし、この本を読めば経済学という学問の全体像を知ることができるのでオススメです。

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