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【Web3中級者向け】分散型社会(DeSoc)とSoulBoundトークン(SBT)とは何?、今後の展開や事例についてわかりやすく解説。

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ヴィタリック・ブリテンらによって2022年5月に発表された「Decentralized Society: Finding Web3’s Soul(以下、DeSoc論文)」で言及されているDeSoc(分散型社会)Soul Boundトークン(SBT)について解説していきます。

これらの概念によってWeb3は次のフェーズへステップを進もうとしているのではないかと考えています。

ただ、DeSoc論文自体、アイデア的な内容となっているため、まだまだ抽象的な概念に留まっているのが現状です。

そこで、この記事ではDeSoc(分散型社会)Soul Boundトークン(SBT)に関して著者の解釈を踏まえながらよりわかりやすく解説をしていこうと思います(あと、著者も急ぎで読んでいるので随時更新をする予定です)。

また、この記事をまとめると以下のようになります

  • DeSoc(分散型社会)とは多元的ネットワークによって構成された社会のことで、生産性の観点からも既存の社会より効率性が高いとされる。
  • SoulBoundトークン(SBT)とは、人々の経歴や資格、アイデンティティを記録した誰にも譲渡不可能トークンのこと
資本主義の奴隷編集長
資本主義の奴隷編集長

この経済と仮想通貨をこよなく愛している労働者マンが執筆しています。

この記事を読むメリット
  • Web3の次のフェーズとして訪れるであろうSoulBoundトークン(SBT)やDeSoc(分散型社会)について知ることができる
  • SBTの数少ないう事例について知ることができる

DeSoc(分散型社会)という概念が生まれた背景

DeSoc(分散型社会)とSoul boundトークン(SBT)をヴィタリック・ブリテンが提唱した背景には、現状の暗号資産市場への批判あったと考えられます。それは、以下の2点から論じられていると考えられます。

  1. 現状のWeb3と人間の社会的アイデンティティー
  2. 実体とかけ離れた「超金融化」

ちなみにヴィタリック・ブリテンはイーサリアム開発者でありイーサリアム財団の創始者です。詳細はイーサリアムに関する記事を読んでみてください。

ヴィタリック・ブリテン

Web3が実社会と紐づいていない

現状のWeb3では、DeFiやNFTを通して譲渡可能な資産をWeb上で分散的に取引ができるようになりました。金融が取引する経済的価値は、基本的にどれだけ技術が発達しても人間とその社会的な関係によって生み出されます。

その際に、Web3 には、そのような社会関係アイデンティティを表す本質的な部分が欠けていると論文内で指摘されています。

Because web3 lacks primitives to represent such social identity, it has become fundamentally dependent on the very centralized web2 structures it aims to transcend, replicating their limitations.

DeSoc論文 p1

例えば、いまだにOpenseaやBinance、Coinbaseといった中央集権的な企業によって運営されているサービスがほとんどで、Web2的な構造から脱却することができていません。

実体のない「超金融化」

現在、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)といった技術がもてはやされ、日々大きなお金が動いています。いわばバブルともいうべき様相を呈しています。

実際に、論文著者のヴィタリック・ブリテンは既存のNFT技術やDeFi(分散型金融)に対して、たびたび修正や批判を述べてきました。

特にこれらの批判においては、各プロジェクトへの社会的意義や価値の創出を求める発言が多くなされてきました。

こうした背景からか、DeSoc論文では、Web3で主軸トレンドであるDeFi(分散型金融)への批判がなされおり、「信頼の置けない前提(DeFi’s trustless premise p17)」や「超金融的(hyper-financialization)」と一刀両断されています(笑)。

こうした時に、改めてDeSoc(分散型社会)というWeb3が目指すべき社会のあり方と、その実現方法としてのSoulBoundトークン(SBT)というアイデアが提示されているのです。

DeSoc(分散型社会)とは?

まず、DeSoc論文で提示された分散型社会(DeSoc)という概念について解説をしていきます。

この概念は、のちに解説するSoul Boundトークンという技術及び、NFTやDAOが目指す最終目標とも言えるものと言えるでしょう。

DeSoc(分散型社会)とは?

DeSoc(分散型社会)は、さまざまな規模で複数のネットワークが商品を生み出され、人々とコミュニティがボトムアップで共同決定するような社会のことを指します。

現状は、国家や企業などの中央集権的な組織が決定を下すような社会が主流となっています。Web2の代表的なGAFAと言われる企業や国家の議員と言われる人々が決定をくだしている状況があります。

こうした体制よりも分散型社会(DeSoc)が経済成長的な面でも優れいてるとDeSoc論文では述べられています。

分散型社会(DeSoc)とは?

さまざまな規模で複数のネットワークが商品を生み出され、人々とコミュニティがボトムアップで共同決定するような社会

そこでは、バーチャルと実社会との垣根を超えて強力と信頼で緩やかに人間関係がつながっていることが重要となっています。

現状のWeb 3社会では、DeFi(分散型金融)という信頼の置けない経済システムが構築されていますが、そうではなく、家族や学校、教会のような「今日の実体経済を支える信頼ネットワーク」を利用することが重要なのです。

“Decentralized Society (DeSoc)”: a co-determined sociality, where Souls and Communities convene bottom-up, as emergent properties of each other to produce plural network goods across dierent scales.

DeSoc論部 p17

DeSoc(分散型社会)での経済と多元的ネットワーク

では、続いてDeSoc(分散型社会)での経済の動きについて説明していきます。

DeSocでは、多元的なネットワーク上から生まれる生産物が経済成長を生み出します。そして、成長の果実がネットワークに属する人々にリターンとして返ってくる点が特徴となっています。

これまでは、企業が生産したものは全て企業やその周りのステークホルダーの利益となっていました。しかし、DeSoc(分散型社会)においては、然るべき働きをした人に対してちゃんと正確にリターンが返されるようになるのです。

We emphasize plural network goods as a feature of DeSoc, because networks are the most powerful engine of economic growth, yet the most susceptible to dystopian capture by private actors (e.g., web2) and powerful governments (e.g., Chinese Communist Party).

DeSoc論文p18
分散型社会(DeSoc)でのリターンのあり方

DeSoc(分散型社会)においては、然るべき働きをした人に対してちゃんと正確にリターンが返されるようになる

ですが、DeSoc(分散型社会)では、人々のネットワークがボトムアップで生産物を生み出し、生産に関わった人にリターンが返ってくるのです。

そこでは企業と企業、国家と国家、コミュニティーとコミュニティーの境界線は存在しないのです。

DeSoc が可能にするのは、この交差し部分的に入れ子になった、デジタル世界と物理世界にわたるネットワーク協力の拡大を続ける構造なのです。

It is precisely this intersecting, partly nested structure of ever growing network cooperation across digital and physical worlds that DeSoc enables.

DeSoc論文p18

コンポーザビリティーが指数関数的な経済成長を生む

DeSoc(分散型社会)において重要なことは、多元的なネットワークが構成可能(Composabirity)という性質を備えていることが強調されています。

理由としては、このコンポーザビリティーこそが効率的な経済成長につながると考えられているからです。ブロックチェーンでも同様の性質を兼ね備えています。

Composabirity(構成可能性)とは?

複数の要素や部品などを結合して、構成や組み立てが可能である度合いのことを指します。

構成可能性が技術用語ですが、DeSoc(分散型社会)では部品だけでなく人間の知性やアイデアなどが複合的に交わりイノベーションが生み出されていきます。

例えば、二つの都市があるとします。この時、二つの都市が道で繋がれていない場合には各都市は渋滞や事故のリスクで疲弊をしてしまいます。しかし二つの都市が道で繋がれていれば、交通の便が良いだけでなく人々の行き来が生まれ、更なるイノベーションが生み出される可能性が高まるでしょう。

このように異なるコミュニティー同士が緩やかにつながることでよりイノベーティブな可能性を生み出すことができるのです。

Only through technological innovation and growing broader, if looser, cooperation with neighboring networks for new sources of increasing returns can value continue to grow exponentially.

DeSoc論部 p18

こうしたコンポーザビリティーという性質を備えた多元的なネットワークは、現状の中央集権的な経済体制よりも効率的に経済生産をすることにつながり、無限の経済成長につながると論じられているのです。

DeSocでのComposabirity

人間の知性やアイデア、コミュニティーの力が交わることで効率的にイノベーションが起こる

DeSoc(分散型社会)を実現するために重要なSulBoundトークン(SBT)

DeSoc(分散型社会)について解説してきました。ただ、この抽象的でふんわりとした概念です。

ここでは、このDeSoc(分散型社会)を実現するための手段としてのSoul Boundトークン(SBT)について解説していきます。

SulBoundトークン(SBT)とは?

まず、DeSoc論文の中では「Soul」という言葉がたびたび出てきます。

Desoc論文内では、ウォレットやアカウントをSouls(魂)と呼称しています。そして、Soulが所持することができるトークンをSoulBoundトークン(SBT)と定義されています。

We refer to the accounts as “Souls” and tokens held by the accounts as “Soulbound Tokens” (SBTs).

DeSoc論文p2

もう少し理解しやすくまとめると、Soul Boundトークン(SBT)とは、ウォレットから読み取ることができる人のアイデンティティや、経歴、資格などをトークン化したものです。

NFTや仮想通貨と違い譲渡不可能」な性質を備えているという点が特徴と言えます。

ただ、Soulは必ずしも人間一人につき一つの魂である必要がない点は注意が必要です。Soulは、簡単に関連付けることができないさまざまな SBT を持つ永続的な仮名である可能性がある点だけは押さえておきましょう。

SulBoundトークン(SBT)とは?
  • Soul Boundトークン(SBT)とは、人のアイデンティティや、経歴、資格などをトークン化したもの
  • 仮想通貨やNFTと違い譲渡不可能である点が特徴的

Soul Boundトークンが意味を持つ瞬間

Soulboundトークンは、自分が書いた作品や文章、学位などの自分で証明するような内容のような履歴書のようなイメージで使用することも可能です。

ただ、最もSoul Boundトークン(SBT)が意味をもつ場合として、「別のSoul(魂)」によってSBTが発行される時が最も効力を発揮するとされています。

別のSoulにあたるものとして、個人や企業や特定の機関がこれにあたるでしょう。

But the true power of this mechanism emerges when SBTs held by one Soul can be issued—or attested—by other Souls, who are counterparties to these relationships.

DeSoc論文P2

例えば、イーサリアム財団がSoulに最もイーサリアム開発に貢献したとしてSBTを付与する場合もあります。ラーメン屋が常連客のSoulにSBTトークンを付与する場合も想定できるでしょう。

SulBoundトークン(SBT)が効果を発揮する時

別のSoulにSBTを発行してもらうのが一番効果を発揮する

こうした社会的な関係の中で、SBTが運用されることこそが

SoulBoundトークン(SBT)がDeSoc(分散型社会)の重要な構成要素となる

SoulBoundトークン(SBT)がなぜDeSoc(分散型社会)の実現において重要な構成要素となります。

ただ、SBTを導入するからDeSoc(分散型社会)になるわけではありません。

あくまでこれまでのDeFiやDAO、NFT、仮想通貨等のブロックチェーン関連技術とあわせてSBTという技術を導入することで、DeSoc(分散型社会)に近づくということです。

また、DeSoc論文内では、「§4 STAIRWAY TO DESOC」とい章の中で、Soul Boundトークン(SBT)によってDeSoc(分散型社会)へ近づくための運用方法が羅列されています。

ぜひ実際にDeSoc論文を手に取って読んでみてください。無料です。

DeSoc(分散型社会)を社会実装する上での課題(準備中)

ただいま準備中です。しばしお待ちください。

SulBoundトークンの事例

和組DAOでのSBT発行

国内で数少ないDAO組織でもあり、Web3の最新情報を共有・議論するオープンなコミュニティでもある「和組DAO」で、SBTの発行がなされています。

これからの運用方法についてはこれから議論が和組DAO内で進んでいくものと思われます。

実際に、資本主義の奴隷編集長の労働者マンもSBTを発行しました。

Binance Account Bound Token(BAB)

CZが運営するBinanceで、史上初となるSoulBoundトークンであるBABトークンが2022年9月8日に運用が開始されました。

BNBチェーン上で展開されているプロジェクト上では、BABトークンをID資格情報としてコミュニティに導入する予定となっているそうです。

さいごに

この記事では分散型社会(DeSoc)とSoulBoundトークン(SBT)について解説をしてきました。

この記事をまとめると以下のようになります。

  • DeSos(分散型社会)とは多元的ネットワークによって構成された社会のことで、生産性の観点からも既存の社会より効率性が高いとされる。
  • SoulBoundトークン(SBT)とは、人々の経歴や資格、アイデンティティを記録した誰にも譲渡不可能トークンのこと

まだ2022年5月に発表された概念で、SBTやDeSoc(分散型社会)を射程に収めたプロジェクトが出てくるのはまだ先のこととなるでしょう。

とはいえ、2022年以降SBTトークンの登場によってDeSoc(分散型社会)が実現する未来もそう遠くなないと感じさせられます。


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