この記事に辿り着いた方は、NFTアートを販売してみたものの売れないと悩んでいたり、失敗しているNFTにはどんなものがあるか気になっているのではないでしょうか?
この記事ではNFTを買いまくってるオタク兼本業マーケターが、NFTアートが売れない理由について成功事例や失敗事例を通して解説していきます。また、結論からいうとNFTアートが売れない要因としては、以下の4つの要因に分けることができます。
- トレンドを掴めていない
- ユーザーに知られていない
- NFTアートの世界観がない
- コミュニティーによるファン創出ができていない
この経済と仮想通貨をこよなく愛している資本主義の奴隷編集部が執筆しています。
NFTアートが売れない理由と成功するために必要な要因
NFTはなぜ売れないのでしょうか?NFTが売れない理由について4つの要因について解説していきます。主に売れない要因は、NFTに限らずマーケティング的な視点がないことが挙げられます。それが以下の3つです。
- 外部要因
- 認知要因
- プロダクト要因
ただ、NFT界隈で、成果を上げるにはコミュニティーというのがプラスアルファで重要になってきます。
【外部要因】 トレンドを掴めていない
まず、NFTを売ろうと考えた際に、自分の「良いと思う」要素だけが付け加えられたイラストを販売することはNGと言えます。基本的に高い値段がつくNFTはその時々のトレンドを抑えています。
元々、ジブリなどのようにコンテンツ力やファンがいる場合は別ですが、個人でNFTを売ろうと思う場合は自分の描けるイラストにトレンド要素を付け加えることが非常に重要となってきます。
また、NFTではトレンドがドット絵、美少女と絶え間なく流れ続けています。2022年現在ではPFP(Picture for Profile)というSNSのトップ画にできるものがトレンドになっています。
【認知要因】NFTアートがユーザーに知られていない
ただ、もしトレンドを押さえていたとしても、NFTがユーザーに認知されていないと購買には繋がりません。そもそも、NFTはかなりの量がミントされており、その中でユーザーの目につくためにはNFT本体以外の認知・集客のための要素も重要になってきます。
そこで、重要なのがTwitterなどのSNS媒体の利用です。特にWeb3ユーザーが多いTwitterをうまく活用している事例が多く見られます。例えば、イケハヤさんが生み出したCrypto Ninjaや、河さんが生み出したVery Long AnimalはTwitterをうまく活用した事例といえます。
【プロダクト要因】NFTの世界観がない
Openseaで成功しているプロジェクトを見ると、必ずNFTの世界観が統一されています。例えば以下で説明するCryptoPunksやAzukiなどは、売り出されているイラストがどこか似たようなイラストでありながら、それぞれに個性あります。(業界用語ではトンマナが統一されていないとも言います。)
もしこれが、どれもトンマナが統一されておらずバラバラのイラストだった場合、そのNFTプロジェクトに対して印象を抱きにくいでしょう。しかし、世界観が統一されていることで興味を示す確率が高くなるでしょう。
【コミュニティー要因】コミュニティー運営によるファンの創出
これまでは、マーケティング的な視点から重要なことを解説してきましたが、NFTだからこそ重要性が高いコミュニティーという視点が抜け落ちてはいけないでしょう。大半の成功しているプロジェクトはDiscordを通したコミュニティーの構築をしています。
特に、コミュニティー運営ではユーザーに対して金銭的なインセンティブや、ファンに向けたイベントを開催することでファンの熱狂を醸成します。そしてその熱狂がNFTの価格形成へとつながります。
さらに、コミュニティー構築による熱狂が新規ユーザーへの認知へ繋がり、サイクルを生み出していくものと思われます。
NFTを売ろうと思った場合、イラストをOpenSeaにアップロードするだけではだめなのです。そこからファンを作り熱狂を生み出すまでが必要なプロセスなのです。
NFTアートの成功事例
成功しているプロジェクトは、NFTが売れる4つの要因を必ずみたいしていると言えるでしょう。特にここでは、個人が立ち上げて成功に至ったNFTプロジェクトにフォーカスを当てていきます。
Azuki NFT
一つ目が、Azuki NFTです。アメリカ、ロサンゼルス発のCHIRU LABS社の4名が作り出したコレクティブNFTです。アニメ調とストリートスタイルが融合した点が特徴です。
将来的にはメタバース上での最大級のブランドになることを目指しています。Azuki NFTが成功した理由には、主に以下の4点が挙げられます。
プロモーションも、コミュニティーの熱狂と相まって上手くいっており、注目のNFTプロジェクトと言えるでしょう。
CryptoNinja Partners(CNP)
CryptoNinja Partners(CNP)は、イケハヤさんが創始者となって作り出した日本初のNFTプロジェクトです。CNPは、NFTアートに限らずPlay to Earnゲームにも進出しており、アニメ化も決定しているそうです。
成功の要因には、イケハヤさんが従前からTwitterによる集客力やマーケティング能力が非常に高いという点があげられるでしょう。さらにコミュニティー運営にも注力しており、ユーザーの声を反映したプロジェクトで熱狂的なファンがついています。
VeryLongAnimal
もう一つ、日本国内でこれまで紹介してきたNFTとは引けを取りますが、個人がはじめて成功しているプロジェクトがあります。それがVeryLongAnimal(ベリーロングアニマル)というNFTアートです。
「Very Long Animals」とは、京大の情報学研究科在籍の起業家である河さん(@gdvonly)によるNFT PJです。成功要因には、以下の9つが挙げられます。
①嫌味のないコンセプトメイキング
NFTプロジェクト「Very Long Animals」の9つの成功要因についてVery Shortに考察する
②分かりやすいネーミングセンス
③動物の種類による発行数上限
④決裁権1名のミニマムなガバナンス構造
⑤顧客との対話とプロセスマーケティング
⑥売切れマーケティング
⑦ダイナミックプライシング
⑧顧客志向と受注販売
⑨コントリビューターの存在とバイラルマーケティング
特に、①のコンセプトの部分が頭の長い動物と非常に分かりやすい世界観となっている点が非常に大きいでしょう。さらにリリース後のTwitterでの告知などが非常に巧妙であった点も一つの成功要因と考えられるでしょう。
NFTアートの失敗事例
失敗しているNFTは、失敗しているからこそ人の目に触れることがあまりありません。そこで、最も代表的なNFTプロジェクトについて解説していきます。
ポルシェ
NFTプロジェクトにおいて初動で大きく失敗したプロジェクトとして、高級車メーカーのポルシェが挙げられます。ポルシェは、Web3特有のコミュニティー原理を汲み取ることができていない中でNFTをローンチしてしまったため、プロジェクトとしては失敗に終わってしまいました。
確かに、コンテンツ力やマーケティング力が強くても、Web3特有のコミュニティー構築力がないと失敗してしまう事が如実にあらわれた事例となりました。
さいごに
NFTが売れていない理由は、以下の通りです。
- トレンドを掴めていない
- ユーザーに知られていない
- NFTの世界観がない
- コミュニティーによるファン創出ができていない
ただ、これらを抑えたからといって必ずしもNFTが成功するとは限らないのが現状です。特に2022年頃から仮想通貨の冬の時代と言われており、そもそもNFT自体の市場が縮小傾向にあると言えるでしょう。
ただ、冬が終わり春に向けて今から仕込んでおくことは非常に重要と言えるしょう。