この記事ではSerum(セラム:SRM)というDEX(分散型取引所)と、そこが発行するSRMトークンについて解説していきます。
また、この記事では最低でも
- Solanaチェーン上に展開するオーダーブック形式のDEX(分散型取引所)
- FTXのCEOバークマンフレッド氏を創設者とするSerum財団によって運営されている
という点を押さえておいてください。
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている労働者マンが解説します
Serum(セラム:SRM)とは?
運営主体と創設者
Serum(セラム:SRM)は、サン・バークマン・フレッド(Sam Bankman-Fried)氏によって、2020年8月にたちげられたDEX(分散型取引所)プロジェクトです。
彼は、仮想通貨取引所FTXのCEOであり、アルゴリズム取引を担う会社Alameda Researchの共同設立者でもあります。経歴としては、マサチューセッツ工科大学を卒業し、物理学の学士号を修得しています。
資金元は、インセンティブエコシステム財団によって支えられています。
インセンティブエコシステム財団は、Serumネットワークの開発をサポートするコミュニティ主導の財団です。
主に資金調達を大型投資家からしています。2022年には英億万長者投資家等から120億円の資金調達成功しています(詳細記事)。
また、SerumのエコシステムにおけるDeFi(分散型金融)、NFT、GameFi、メタバースなどのプロジェクトも支援しており、このファンドを管理しています。
Serum DEX
SerumDEXは、トレーダーが各注文を完全にコントロールできる分散型のオーダーブック形式を採用しているDEX(分散型取引所)です。
Serumの目的は、信頼性の高いクロスチェーン取引が可能な分散型取引所を、ユーザーが望むスピードと価格で提供することです。
Serumは、完全に信頼性と透明性を維持しながら、一元化された交換の速度と利便性をDeFiにもたらします。
Serum公式HP
これは、取引処理の速さと、手数料の低さに定評のあるSolanaネットワーク上にSerumが展開していることによって実現しています。
現時点では、FTXの開発陣が主導となって開発を進めていますが、ユーザーによる運営に移行していくとしています。
SRMトークンとMSRM
Serum DEXで発行されているガバナンストークンをSRMトークンと言います。
SRMトークン保有者には、ステーキングによる報酬や、Serum DEXの運営に関する投票を獲得できます。
さらに、一定数のSRMトークンを保有している「コア」なSerum保有者には、MegaSerum(MSRM)トークン付与されます。
MSRMは発行上限が1000しかない希少性の高いトークンで、1MSRMは100万SRMに等しいです。
このMSRM保有者は、取引手数料の割引が50%から60%までになるなど、さまざまな優遇を受けることができます。
通貨単位 | SRM |
時価総額 | ¥60,589,928,196 |
ブロックチェーン | Solana |
ホワイトペーパー | リンク |
公式サイト | projectserum.com |
Serum(セラム:SRM)の特徴と仕組み
ここでは、Serum(セラム:SRM)の特徴と仕組みについて解説していきます。
Solanaブロックチェーン上のDEX
Serum(SRM)は、Solanaネットワーク上に展開されたDEX(分散型取引所)です。
Serumは、イーサリアムのようなスケーラビリティー問題を重く捉えていました。そのため、手数料が安く取引処理の速さに着目しSolanaネットワーク上に展開しました。
Solanaネットワークは、イーサリアムが抱えるスケーラビリティー問題を、独自のアルゴリズムによって解決したブロックチェーンです。
イーサリアムが1秒間に15の取引しか捌けないのに対して、Solanaは5万もの取引を処理することができます。
これにより、Serumは、取引処理の速さと手数料の低さを実現しています。
クロスチェーンスワップが可能
Serumは、信頼性の高いクロスチェーン取引が可能なDEX(分散型取引所)です。クロスチェーン取引とは、異なるチェーン上の仮想通貨を取引を指します。
これは、Solanaチェーン上に展開していることから可能になっています。Solanaはイーサリアムとの連携もしており、それゆえに実現したことです。
トレーダーは、他のブロックチェーンで保有しているトークンを使って、このプラットフォームを利用することができます。
オーダーブック形式を採用
Serumは、スマートコントラクトによって実行される分散型オーダーブック形式を採用したDEX(分散型取引所)です。
Central Limit Order Book(CLOB)とも呼ばれ、注文を自動的にマッチングするアルゴリズムを採用したオンチェーンの分散型台帳です。
オーダーブック形式とは、取引所内で同じ価格を提示している売り手と買い手をマッチングさせる形式です。これにより、指値取引が可能となっている点が特色です。
UniswapやPancakeSwapなどの有力DEXはAMM形式を採用しており、Serumの特殊性を際立たせます。
また、Serumはトレードをしたいユーザーがメインターゲットで、AMM形式を採用しているDEXはファーミングなどを目的としたユーザーがターゲットとなっている点に違いがあります。
これにより、参加者はSerumに注文を送信するときに価格設定と注文量を自由に設定でき、希望に応じた取引が可能です。
バーンによりSRMトークンの価格を維持
SRMトークンは、価格維持のためにバーン(廃棄)という仕組みを2020年頃から開始しています。
The first Serum Buy and Burn just concluded! pic.twitter.com/56px8qvxPA
— Serum 💧 (@ProjectSerum) September 25, 2020
Serumでは、取引毎にユーザーに対して手数料が課されます。その際に、徴収された手数料は全てバーンされる。
これにより、SRMトークンの供給量を減らすことで価格維持をする仕組みになっています。
Serum(セラム:SRM)の将来性
Solanaのクロスチェーン対応の拡大
Solanaネットワーク上にSerumが展開していること自体が将来性を明るくしているのではないかと考えています。
Solanaチェーン自体もイーサリアム系のDEXのSushiswapとSolana系のRaydiumが統合を発表するなど、意欲的に勢力を伸ばしています。
Solana次第でSerumも大きく飛躍する可能性があるのではないかと思います。
エコシステムの拡大:Awarded Grants
Serumでは、Serum上で展開するプロジェクトに対して、助成金を授与しています。
Serumで構築されたすべてのプロジェクトは、EcoSerum助成金の対象となります。DeFiの野心を達成するための資金、サポート、およびリソースを受け取ります。
公式HP
実際に、助成金が授与されたプロジェクトが公式サイトに掲載されています。
Coin98やSolana系列のDeFiプロジェクト、GameFiなど多くの新しいプロジェクトが名前を連ねていきます。
こうやってSerumのエコシステムが拡大していくことができれば、未来は明るいと思われます。
Serum(セラム:SRM)の価格動向
さいごに
この記事ではSerum(セラム:SRM)というDEX(分散型取引所)と、そこが発行するSRMトークンについて解説してきました。
また、この記事の内容をまとめる以下のようになります。
- Solanaチェーン上に展開するオーダーブック形式のDEX(分散型取引所)
- クロスチェーン取引が可能
- FTXのCEOバークマンフレッド氏を創設者とするSerum財団によって運営されている
FTXのバークマン氏が手がけるプロジェクトは、成功している確率も高く、ターゲットも他のDEXとは差別化を図っている点で、非常に期待の持てる銘柄でしょう。
今後も注目する必要があるでしょう。