この記事では、主要DEX(分散型取引所)であるSushiSwap(スシスワップ:SUSHI)について解説します。
SushiSwapは2020年にローンチされた、Uniswapの模倣して生まれたDEX(分散型取引所)でしたが、1年足らずでDEXランキングでトップ10に躍り出た強者です。
この記事では最低でもSushiSwap(スシスワップ:SUSHI)は
- Uniswapからフォークして生まれたDEX(分散型取引所)である
- イールドファーミングやステーキングが可能。
である点は押さえておいてください。
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている労働者マンが解説します
SushiSwap(SUSHI)とは?
SushiSwap(SHUSHI) DEX
SushiSwap(SHUSHI)は、匿名の開発者Chef Nomi氏によって2020年8月にローンチされたDeFiプロジェクトです。
SushiSwapは、中央の管理者がおらず、ユーザー同士での取引が可能なDEX(分散型取引所)になっています。
また、SushiSwapを中心に以下のようなプラットフォームを提供しています※のちの解説。
これらは、Bento Box(弁当箱)という中心となる機能によって可能になっています。
創設者と現在の開発者FTXのサムバンクマン氏
SushiSwapの創設者は、シェフ・ノミ(Chef Nomi)氏です。ただ、この人物は素性不明の人物です。SushiSwap自体は匿名の人物によって創設されたDEX(分散型取引所)といえます。
彼は、Sushi Swapをヴァンパイヤ攻撃という手法で大きくしました。ただ、2020年9月に開発資金に割り当てられていた14億円を持ち逃げしたので、という疑惑をかけられた事件が起こりました。
To everyone. I fucked up. And I am sorry.
— Chef Nomi #SushiSwap (@NomiChef) September 11, 2020
また、現在はSushiSwap DAOという分散型自律組織(DAO)によって運営されており、「基本的」には運営者はいないことになっています。
SHISHIトークン
SushiSwapからはSUSHIトークンが発行されています。SUSHIの一つ目の利用ようととしてガバナンストークンとして利用されます。SUSHI保有者は、Sushiswapの運営の方向性についての投票権を有することができます。
また、Sushiswap DAOの運営資金としても利用されています。その他、ステーキングの報酬等での利用もされており、さまざまな利用用途を持ったトークンです。
SUSHIをステーキングするとxSUSHIというトークンを獲得することができます
通貨名 (通単位) | SUSHI |
---|---|
発行上限枚数 | 250.000.000 |
公式サイト | sushiswap.org |
公式Twitter | @Sushiswap |
ホワイトペーパー | リンク |
UniswapとSushiSwapの関係
当初、SushiSwapはイーサリアムベースのUniswap(UNI)のオープンソースコードを丸々コピーして生み出されたため、ミームとしてあまり期待されていませんでした。注目を集めるようになったきっかけは、SushiSwapがヴァンパイヤ攻撃(Vampire Attack)をUniswapに仕掛けたことから始まりました。
ヴァンパイヤ攻撃とは、オープンソースコードをコピーして機能を丸パクリし、その代わりユーザーに何かしらのインセンティブをつけ差別化を図ることで、コピー元のユーザーや流動性を奪い取る攻撃のことです。
ヴァンパイヤ攻撃は成功し、SushiSwapは多くのユーザーと流動性を獲得することに成功しました。
その後、イーサリアム以外にも複数のブロックチェーンにも対応するようになり、さらに機能も追加され、ユーザーの利便性が向上しています。
SushiSwap(SUSHI)の仕組み
ここではSushi Swapの仕組みについて解説していきます。
Bento Box(弁当ボックス)
2021年にリリースされたSushi Swapの根幹となる仕組みがBento Boxです。
まず前提として、Sushi Swapには
- ステーキング機能のSushi Bar
- レンディングサービスのKASHI
- IDOプラットフォームMISOファーミング
などの多くのサービスがあります。その際に、必ず流動性が必要になります。これらのプラットフォームにおける資本効率が良くなるように資金の流れをコントロールをするのがBento Boxです。
次で説明するAMM(自動マーケットメーカー)のトライデンテもBento Box上で機能します。
これは、中央銀行のような役割に近い機能です。中央銀行は、市場に出回る貨幣供給量をコントロールするの(マネタリズム)動きで、世の中のお金の量をコントロールしています。
これにより、ユーザーが利益が効率的に出やすい仕組みを実現するのではと言われています。
流動性プール
SUshi Swapには流動性プールを軸にユーザーに流動性を提供しています。流動性プールとは、流動性(仮想通貨)が集まっているプールです。
流動性プールは、流動性提供者と流動性プールで取引をする人が存在することで成り立ちます。
次で説明する流動性マイニングと、インセンティブウィ与えるファーミングという仕組みによって成り立っています。
流動性マイニングとイールドファーミング
流動性提供者は、流動性プールに仮想通貨のペアを預けることで流動性を提供したことになります。これを流動性マイニングと言います。
流動性マイニングを見返りとしてSLPトークンを受け取ることができます。SLPトークンは借用書のようなもので、すぐに換金することも可能です。
流動性マイニングをした人に対するインセンティブとして、SLPトークンをファーミングすることで、手数料の0.25%+0.05%のSUSHIトークンを受け取ることができる仕組みが用意されています。
これをイールドファーミングと言います。
これにより、SushiSwap内の流動性を確保しています。これにより、仮想通貨のスワップなどが可能になります。
AMM(自動マーケット・メーカー)形式
Sushi Swapは、取引の際の価格決定にAMM(自動マーケット・メーカー)形式を採用しています。
AMM形式とは、仮想通貨が入った流動性プールを持ち、そのなかからアルゴリズムが自動的に決まる仕組みのことです。
さらにSushSwapは、2021年7月に新しいAMM形式であるトライデント(Trident)を導入することを決定しています。
トライデントの導入により、より多くの流動性プールを作ることができます。
さらに、現行の流動性プールにくわえ4つの流動性プールが導入さました。これにより、資本効率(稼ぐ効率くらいに思ってください)が大きく上がると言われています。
1. 現行の流動性プール
分散型取引所SushiSwapが進化 次世代AMM 「トライデント」ついに始動へ
2. ハイブリッドプール:同種資産間の効率的な交換を可能にするプール
3. 加重プール:8つのトークンを同時にサポートする
4. 流動性集中型プール:大手DEX(分散型取引所)Uniswap v3(最新バージョン)が提供する機能に類似
複数のブロックチェーンに対応
SushiSwapは2020年のローンチ当初、Uniswapのコピーであったこともあり、イーサリアムのみに対応したDEX(分散型取引所)でした。
ただ、Uniswapとの差別化も含めてSushiSwapは、BinanceやPolygon、Avalancheなど複数のブロックチェーン対応をするようになり、クロスチェーンDEXへと成長を遂げています。
複数のブロックチェーンに対応することで、多くのユーザーを囲い込むことができるだけでなく、ユーザーが異なるチェーンを跨いで取引をする利便性が大きく向上することになります。
SushiSwap(SUSHI)が展開している機能
続いて、Sushi Swapでは多くのサービスが利用できます。仮想通貨の交換(スワップ)だけでなく、KashiやOnsen、Misoといったユニークな機能を提供しています。
ここでは、それぞれ機能の概要を説明していきます。
SushiBar:ステーキング
SUSHIトークンは、ガバナンストークンとしてだけでなく、ステーキングにも使用することができます。
SUSHIトークンをsushiswapに預けるために、SushiBarというステーキング機能を利用することで、報酬としてxSUSHIを受け取ることができます。
SUSHIに比べて、xSUSHIを保有するインセンティブが大きいのが特徴です。
例えば、SushiSwapでかかる取引手数料の一部がユーザーに還元されるという点が挙げられます。
Kashi(貸し):レンディング
Kashi(貸し)とは、SushiSwapのBentoBox上に作られたレンディング(貸仮想通貨)プラットフォームです。
レンディングとは貸仮想通貨とも言われている仕組みで、仮想通貨の借り手と貸し手をマッチングさせるサービスです。他の例では、Compoundというレンディングサービスが挙げられます。
銀行も同じような仕組みですが、レンディングプラットフォームですと、中央集権的な組織を通さずユーザー同士で貸し借りができるのが特徴です。
貸し手は、Sushi Swapが提供するプールに預けるだけで、利息が入ってくる仕組みになっています。借りて
Onsen(温泉):
Onsen(温泉)とは、SushiSwapが提供する、新しいプロジェクトのトークンを対象とした流動性マイニング機能です。
OnsenにリストされているプロジェクトのトークンをSushiSwapのDEXに預け入れると、報酬としてSUSHIトークンを受け取ることができます。
プロジェクトにとって、一から流動性の構築をしなくてもいいというメリットがあります。
さらに、既存のSushiSwapユーザーにとっても、Onsenにリストされたプロジェクトが新たな流動性提供源になるという利点があります。
MISO(IDO:Initial DEX Offering)
「MISO」は、SushiSwap内のIDOプラットフォームです。
事業者は事業内容を提示し、トークンを発行します。トークンは株式のような役割を果たします。これに対して、ユーザーがトークンを購入することで成立します。
参加方式は次の3種類で、プロジェクトごとに採用される方式が異なります。
SHOYOU(醤油):NFTプラットフォーム
SushiSwapは、ShoyuというNFTマーケットをローンチしています。
これまでもイーサリアムベースのOpenSeaなどのマーケットプレイスは存在しました。
しかし、Shoyuは、NFTの作成、配布、および利益を得るのにかかるコストが少ない点が特徴です。プラットフォーム料金の上限はわずか2.5%で、収益の97.5%がクリエイターに還元されます。
さらに、これらの取引手数料の一部は、xSushi保有者に直接支払われる点で、既存ユーザーにとってもメリットのあるプラットフォームと言えるでしょう。
SushiSwap(SUSHI)の価格動向
SushiSwap(SUSHI)の将来性
Polkadotとの統合
SushiSwapでは、今後の展開としてPolkadotとの統合を発表しています。
Polkadotは中央集権化されたウェブ構造を分散化させる試みであり、DEXであるSushiSwapと統合されることで、さらにSushiSwapの発展が進むことが期待されています。
システムバグのリスク
高いセキュリティ性能を持つDEXですが、100%安全というわけではありません。
あらかじめ決められたルールに基づいて第三者がかかわることなく自動で取り引きが行われるDEXですが、そのルールは事前にプログラミングされています。
そのプログラムは、バグが潜んでいる可能性があります。
開発者も予期していなかったエラーが発生し、何らかのトラブルが発生する可能性があります。
さいごに
最後までお付き合いくださりありがとうございます。この記事では最低でもSushiSwap(スシスワップ:SUSHI)は
- Uniswapからフォークして生まれたDEX(分散型取引所)である
- イールドファーミングやステーキングが可能。
である点は押さえておいてください。
Sushi Swapは、今後も意欲的に開発を進めています。まだまだ発展途上のDEXだと思われます。今後も注目する必要がありそうです。