この記事では、Nervos Network(ネルボス:CKB)というプロジェクトと、それが発行する仮想通貨CKBについて解説します。
Nervos Network(CKB)とは、一言でまとめると
- 異なったブロックチェーン間での連携ができないという課題を解決するために生まれたプロジェクト
- 相互に連携の連携ネットワークを提供するオープンソースのプロジェクト
になります。以下で詳細に解説して行きます。最後までお付き合いいただけると幸いです。
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている労働者マンが解説します
中国のプロジェクトNervos Network(CKB)と仮想通貨CKBとは?
異なるブロックチェーン間の相互運用性を高めるために立ち上げられたプロジェクトが、Nervos Networkとそこが発行するCKBトークンの概要について解説します。
運営主体:Nervos NetworkとCEOのJan Xie
ブロックチェーン技術は日々進歩を続けていますが、課題として相互運用性の欠如がありました。
そこで、Nervos Network(CKB)は、異なるブロックチェーン間の相互運用の利便性を上げることを目的にたち挙げられました。
ミッションとして以下の内容を掲げています。
地方分権化された経済への持続可能な道を構築することにより、より包括的な未来を創造するという使命
NervoNetwork公式HP
運営主体は、中国と米国に拠点を置くNervos Networkです。CEOであるJan Xie氏(ブログ・twitter)が開発チームのトップに位置します。
彼は、Ethereum Foundationの元研究者兼開発者でもある人物で、CRYPTOAPE社のCEOでもあります。
Nervos Networkとは?
Nervos Networkとは、異なるブロックチェーン間の相互運用性に特化したブロックチェーン・エコシステムです。現時点では、イーサリアムとカルダノのブロックチェーンに対応しています。
これまでは、異なるブロックチェーン間の取引、ひいては価値の移動ができませんでした。
この課題を解決するための、異なるブロックチェーン同士でもシームレスに連携ができるパブリックネットワーク(誰でも使える)がNervos Networkです。
CKBytes(CKBトークン)
Nervos Networkは、CKBytes(CKBトークン)を発行しています。
CKBトークンはトランザクションなどの手数料や、仮想通貨として使われるだけでなく、Nervos DAOという自立分散型組織のガバナンストークンとしても使用されています。
CKBトークンの所有者は、Nervos DAOに所属することができます。
CKBトークンはNervos Network DAOのガバナンストークンとして機能し、組織の方向性の投票権として使用することができます。
また、CKBトークンをステーキングをすることで、ブロックチェーンへの貢献として報酬を受け取ることができます。
通貨名 | CKBytes(CKBトークン) |
---|---|
シンボル・単位 | CKB |
価格 | ¥1.49 |
時価総額 | ¥37,368,823,840 |
ホワイトペーパー | リンク |
公式Twitter | @NervosNetwork |
公式サイト | Coin98 |
Nervos Network(CKB)の仕組み
ブロックチェーン技術によって、経済の分散化と分権化が実現しました。しかし、それにより、
- スケーラビリティ問題(多くの取引データを処理できない問題)
- プライバシーの問題が起こってしまいます。
という二つの問題を起こりました。
Nervos Networkは、この二つの問題を、二つのレイヤー構造のネットワークにすることで、課題を二つに分割して解決したのです。
レイヤー1:The Common Knowledge Base(CKB)
NervosNetworkの基盤となるレイヤー1をThe Common Knowledge Base(CKB)と呼びます。ネットワーク全体の価値を保存し、セキュリティーの問題を解決しました。
The Common Knowledge Base(CKB)は、Nervos Networkがビットコインとイーサリアムの掛け合わせと言われる所以です。それは以下の2点の特徴にあります。
- スマートコントラクト機能の実装
- Proof Of Workの採用
スマートコントラクトの実装:イーサリアム的
CKBは、他のブロックチェーンと同じく、取引履歴を記録するチェーンとして機能しています。
ビットコインのチェーンでは、単一の通貨でしか履歴を記載できませんでした。しかし、CKBでは、イーサリアムと同様に、スマートコントラクトが実装されています.。
スマートコントラクトとは、賢い契約という意味で、ブロックチェーン上に展開される、契約の実行や価値の移転を自動で行う機能のことです。
そのため、仮想通貨以外の、NFTをはじめとするあらゆるデータを記録することができます。さらに、そこから、あらゆるアプリケーションの展開を可能にしました。
PoWの採用:ビットコイン的
また、CKBは、コンセンサスアルゴリズムには、PoW(Proof-of-Work)が採用されています。ビットコインが採用しているコンセンサスアルゴリズムです。
PoWを採用している理由として、PoS(Proof-of-Stake)よりもPoWの方が分散性が高いと考えられたからです。
ただ、ただ、PoWをコンセンサスアルゴリズムとして採用すると、多くのデータを処理することができないという問題(スケーラビリティー問題)が起こってしまいます。
これを解決するのがレイヤー2の役割になります。
レイヤー2:セカンドレイヤー
スケーラビリティー問題を解決するためにレイヤー2が活用されます。
レイヤー2では、オフチェーンという仕組みを使用することで、スケーラビリティー問題を解決しています。
オフチェーンとは、取引などの記録を全てブロックチェーンに記録せず、取引の最初と最後だけを記録するという仕組みです。
これにより、取引のデータ量を大幅に削減し、スケーラビリティー問題を解決しました。
DAppsやDeFiの開発
Nervos Networkを構成する二つのレイヤーによって、
- DApps
- DeFiサービス
- NFTサービス
の開発をすることができるようになります。
また、クロスチェーンでの開発が可能になったことで、ブロックチェーンの違いを意識せず開発ができるようになりました。
さらに、すでにイーサリアム上で作成したアプリは、CKB上に移植することが2020年よりできるようになっています。このようにいて、Nervos networkエコシステムを拡大しています。
これによりDAppsの開発者は、以下のようなメリットを享受することができます
- どの資産、どのブロックチェーンにもアクセス可能
- 柔軟性の高いコーディング
- 安全かつ分散型
- ブロックチェーンの違いを意識せずにDAppsを開発できる
これらのメリットを受けた上で、開発するためには、以下の3つのツールを使う必要があります。
- PW Core:すでに持っているイーサリアムアドレスをそのまま活用し、CKBを受け取ることができるウォレット。
- The Force Bridge:イーサリアムにNervos Networkと接続するブリッジ
- Polyjuice:開発者はPolyjuiceを利用することにより、イーサリアム上にあるアプリをCKBに移植数ことができる
Nervos Network(CKB)の将来性
BSNとの統合
2020年夏には、中国の国家ブロックチェーン・インフラプロジェクト「BSN(Blockchain-Based Services Network)」に統合されたことが話題になりました。
BSNとは、中国の有力企業によって主導され、中国のブロックチェーン技術を促進するために構築されたプロジェクトです。
この統合によって、従来より幅広くNervos Networkが使用される可能性が高まるのでは、といわれています。
カルダノとの提携
21年6月NervosNetworkは、カルダノ(ADA)との提携を発表しました。
ネルボスおよびカルダノは現在、両チェーン間でのブリッジ構築を開始しました。
ブリッジが完成すると、Nervos Networkはイーサリアムに続きカルダノのチェーンをブリッジすることができるようになります。
#Business #Blockchain CMBI and Nervos launch $50M blockchain development fund https://t.co/YXrT1aQvkW
— CoinJournal (@CoinJournal) May 19, 2021
CMBIとの提携とファンドの立ち上げ
2021年にNervos Networkは、CMBI提携し、イノベーションファンドを立ち上げました。5000万ドルのブロックチェーン開発ファンドです。
この基金は、DeFiプロトコル、NFTマーケットプレイス、dAppsなどのユーザー向け製品を開発するベンチャー企業に資金を供給するために利用されます。
このファンドにより、Nervos Networkを利用したサービスが増加すれば、Nervos Network自体も成長するでしょう。
Nervos Network(CKB)の価格動向
さいごに
この記事では、Nervos Network(CKB)について解説してきました。まとめると以下のようになります。
- 異なったブロックチェーン間での連携ができないという課題を解決するために生まれたプロジェクト
- 相互に連携の連携ネットワークを提供するオープンソースのプロジェクト
イーサリアムやビットコインといった巨大仮想通貨が生まれてから、近年はNervos Networkなどのクロスチェーンプロジェクトが多く出てきています。
この領域は競合も多いので、注視していく必要がありそうです、