経済学経済思想

『資本論』で有名なカール・マルクスについてわかりやすく紹介。

『資本論』で有名な カール・マルクス についてわかりやすく紹介。 経済学

こんにちは。労働者マンです。

この記事では、共産主義で有名なカール・マルクスとその著作である『資本論』について解説していきます。

まずは、カールマルクスその人とマルクス主義思想の概要を解説したのち、『資本論』の内容に則りマルクスの経済学について解説していきます。

この記事で得られること

・カール・マルクスについて知ることができる
・資本主義とは何か考えることができる
・『資本論』について知ることができる

カール・マルクスとは?

まずは、カール・マルクスその人の経歴について紹介します。

彼は、ドイツ出身の哲学者・経済学者であり、革命家でもある人物です。1818年に9人兄弟の第3子としてプロセイン王国で生まれました。

今こそ読むべきマルクスの『資本論』 - 的場昭弘|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
カール・マルクス

父ハインリヒは弁護士で母ヘンリエッテはオランダの裕福なユダヤ人でした。

マルクス自身は、ラテン語やギリシャ語、フランス語、ドイツ語などの基礎教育を受けたのち、ボン大学とベルリン大学で学んだのちに、イェーナ大学から博士号を取得します。しかし、思想が急進的なために大学の先生になることができませんでした。

1842年には『ライン新聞』で記事を執筆しますが、政府によって廃刊処分にされてしまいます。

その後、当時は社会主義思想の中心地であったパリに移住します。

そこで、フリードリッヒ・エンゲルスと友人となりました。そこで、共産主義の思想と革命の主張し続けます。

フリードリヒ・エンゲルス - Wikipedia
フリードリヒ・エンゲルス

結局、1845年にはプロセイン王国からの圧力でパリからもマルクスは追放されてしまいます。彼は亡命しながらヨーロッパ各地を転々とすることになります。

しかし、亡命の中でも革命の必要性を主張し1848年に『共産党革命』を執筆します。1849年には死ぬまで暮らすことになるロンドンに亡命します。この地で、『資本論』の執筆を開始します。

資本論は3巻に渡る大作で、第1巻はマルクスの生存中に書かれたものになります。2巻3巻はマルクスの死後にエンゲルスが残された草稿を元にまとめられたものになります。

マルクスの思想:科学的社会主義(マルクス主義)

マルクス主義は、カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスによって展開された思想です。科学的社会主義とも言われます。

科学的社会主義と言われるように、マルクスは資本主義社会を緻密に分析しました。

簡単に言えば労働者にとってのユートピアとなる平等な社会を目指すべきという思想です。その思想の基礎となったのは、

・共産主義
・唯物史観
・経済学


の3つの考え方です。

共産主義

共産主義は、私有財産制を否定して財産を共同所有するような社会を目指す考え方です。

資本主義社会の特徴として、ブルジョワジー(資本家階級)とプロレタリアート(労働者階級)の階級対立があります。

これは、ブルジョアが財産の所有を独占し労働者から搾取していることが要因です。そこで、ブルジョアによる所有を、労働者が奪取すること目指します。

これにより階級対立は解消し、労働者にとってのユートピアとなるような共産主義社会を形成されるとしました。

共産主義

唯物論的歴史観(唯物史観)

唯物史観とは、社会は、生産や消費などの物質的な性質なものによって決定されるという考え方です。

言い方を変えると、文化や社会、政治は、経済によって決定されるといえます。

文化や政治に当たる部分を上部構造といい、経済の部分は下部構造と言い、下部構造が上部構造を規定するのです。

上部構造と下部構造

経済(下部構造)が進歩するにつれて、それとともに上部構造である政治や文化のあり方も変化するのです。

具体的に経済は、以下のような順番で発展するとします。

原始共産制→古代奴隷制→封建社会→資本主義社会→共産主義社会

また、経済の発展段階に応じて生産関係も変化します。

原始共産制のときまでは平等な社会で上部構造と下部構造がはっきり分かれていませんでした。

しかし、古代奴隷制では奴隷と奴隷主、封建社会では農奴と農奴主、資本主義社会では労働者と資本家というように、生産関係が変化します。

経済発展と生産関係の変化

最終的に、資本主義社会は労働者と資本家の対立を乗り越えて、みんなが平等な共産主義社会が到来するのです

また、マルクスはこの中で資本主義社会について非常に冷静に分析しております。それがマルクス経済学に繋がっていきます。

マルクス経済学:『資本論』

マルクス主義では

・共産主義
・唯物史観
・経済学

を基礎として理論が展開されてきました。この中で、共産主義と唯物史観は説明しました。最後の経済学についてこのの節では解説をしていきます。

マルクスは、これまでの経済学に対して批判をしました。それがアダム・スミスを始祖とする古典派経済学でした。古典派は自由放任主義(レッセフェール)を基調とした思想でした。

アダム・スミス

アダムスミスに関しては、以下の記事で説明していますので参考までにどうぞ。

この自由放任主義的な経済理論を否定する論拠を説明したのが『資本論』であり、マルクス経済学の基礎となったのです。

労働価値説:労働力がものの価値を決める

マルクスは、古典派経済学の権威であるデヴィッドリカードの労働価値説を受け継ぎ理論を展開しました。リカードに関して別の記事で解説しております。合わせてお読みください。

デヴィッド・リカード

労働価値説とはモノの価値は、その生産のために投下された労働量によって決まるという考え方です。

例えば、1枚のTシャツの価値は、その生産のために投下された人間の労働量と同じなのです。

労働価値説

ここで、マルクスは価値にも2つあり分けて考える必要があるとしています。それが使用価値と交換価値です。

使用価値は、使って役にたつこと、つまり生産物の有用性のことを指しています。Tシャツの例であれば、着ることでお洒落になったり、裸を隠すことができる点が使用価値に当たります。

一方で交換価値とは、生産物を交換・購入、販売する時の価値のことを指します。Tシャツが2000円する場合、それが交換価値に当たります。

交換価値をベースに考えると、2000円のTシャツとポットがあった場合、商品の生産の基礎は労働なので、違う労働者が作っていたとしても労働は2000円の価値であり等価と言えます。

使用価値と交換価値

ここから人にどれだけの価値があるかは、貨幣に換算したもので表すことができるようになっていることがわかります。

結果として、社会のあらゆるものは商品化され、労働が商品生産の構成要素である限り、人間は売買される対象になってしまうのです。

疎外:労働者は自分の労働力しか売れない

マルクスは労働が商品かされるような事態を疎外と呼んでいます。

疎外とは、人間が作った物(機械・商品・貨幣・制度など)が人間自身から離れ、逆に人間を支配するような事態のことを指しています。

資本主義社会では、資本家が労働者を雇用し、商品を生産します。

労働者は自分の労働力しか保有していません。一方、資本家は生産手段である工場や商品の素材(資本)を所有しています。

労働者は自分の労働力で作った商品は、資本家の所有物となってしまいます。

疎外

労働者は、資本家の利潤増殖のための手段になってしまうのです。人間が労働力という商品となって、資本のもとに従属しモノを作る主人であることが失われていくのです。こうした事態のことを疎外と言いウノです。

剰余価値:労働者の剰余価値は資本家の利潤に

また、マルクスは特に剰余価値という考え方を展開しています。剰余価値とは、資本家側が労働者を必要以上に働かせて搾取している価値のことを指します。

工場経営者は、自分の工場を経営するために費用を賄うために労働者を働かせています。しかしマルクスは、資本家は、費用を賄うのに必要な時間以上に労働者を働かせているとしています。

この必要以上に働いた時間で生み出された価値を剰余価値というのです。

この必要以上に働かせた時間は、労働者には賃金として支払われません。労働者には生きるのに最低限度の賃金しか支払われないのです。

そして、剰余価値は資本家の利潤として搾取されているのです。

さいごに

ここまで、マルクスの思想について説明してきました。しかし、ブログ1記事で説明できるほどマルクスという人物と思想は軽いものではありません。

さらに詳しく学びたい方は、これから紹介する書籍を読むことでさらにマルクスへの理解を深めることができると思います。

まず紹介するのは、「資本論 (まんが学術文庫)」です。何回なマルクスの『資本論』を漫画でわかりやすく理解することができます。

資本論 (まんが学術文庫)

続いて、さらに理解を深めいた方向けに、筑摩書房の『これからの経済学入門』はおすすめです。ただマルクスの理論を解説するだけでなく、現代における意味にまで踏み込み解説をしています。

資本論 (まんが学術文庫)

また、ある程度理解が深まってきた方には、直接原典の和訳に触れてみるのも良いでしょう。

マルクスの和訳は岩波文庫などで出ていますが、一番読みやすい出版社として光文社が挙げられます。

資本論第一部草稿 直接的生産過程の諸結果 (光文社古典新訳文庫)

マルクスは、学術に関わらない人でも多くの知的刺激を与えてくれる人物です。これを機に、マルクスについて深めてみるのはいかがでしょうか?

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