こんにちは!年間150冊の本を読み、経済学について猛烈に勉強している労働者マンです!
この記事では、経済学における分業についてわかりやすく解説します。経済学に関する知識がない方でも大丈夫な内容になっています。
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分業とは?
分業とは、複数の人が役割を分担して財(モノ)の生産を行うことです。簡単にいうと、みんなで商品を作る時、役割を分担して連携プレーをするということです。
この現象に最初に着目したのはアダムスミスという経済学者です。彼はこの分業の例としてピン工場の例を『国富論』であげています。
私はこの種の小さな製造所を見たことがあるが,そこでは10人しか雇われておらず,そのうちの何人かは二つか三つの別々の作業をしていた。しかし,彼らはきわめて貧しく,必要な機械もいいかげんにしか備えていなかったのに,精を出して働いたときには,一日に約12ポンドのピンを自分たちで造ることができた。1ポンドで中型のピンが4000本以上ある。それだからこの10人は,自分たちで一日に4万8000本以上のピンを造ることができたわけである。したがって各人は4万8000本の10分の一を造るわけだから,一日に4800本のピンを造るものと考えられていいだろう
スミス『国富論』第5編第1章水田訳,pp.pp.23-26,
この引用では、機械もろくにない小さな製造所が舞台になっています。
労働者10人が役割を分担することで48,000本ものピンを作成することができるのです。分業をすることで生産性が飛躍的に高まるということが書かれています。
より視覚的にわかるように説明をしてみましょう。
以下の図のように、鉄を仕入れる工程、鉄を分割する工程、分割した鉄をピンにする工程の三つの工程があったとします。その時に、一人でやるより3人で分業した方が、最終的なアウトプットが多くなるのです。
なぜなら、分業をした方が生産性が高まるからなのです。このことは感覚的にわかると思います。
また、アダム・スミスについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
そして、この分業はピン工場のレベルだけでなく、会社や国の経済レベルにまで適用することができます。続いて、なぜ分業を生産性が高くなるのかについてより詳細に解説をしていきます。
分業のメリット
では、分業をすることで
- 得意な分野で各人が活躍できる
- 分業で一つのことに集中すると、仕事の習熟度合いが高まる
- 規模の経済を活用できる
得意な分野で各人が活躍できる
分業をすることで、それぞれの得意な分野で活躍することができるのです。
例えば、牛乳を想像してください。牛乳パックのデザインをするのはデザイナーです。そして、牛乳を作るのは農家で、広告を打つのはマーケターになります。
このように、得意分野を生かして一つの牛乳という商品を作ることができます。マーケター一人だけで牛乳を作ってデザインをして、なんてできないのです。
これは先のピン工場でも一緒です。以下の図で解説してみましょう。鉄を運ぶのが得意な人は、鉄を仕入れる工程に。細かい作業が得意な人は、鉄を研いでピンに加工する工程に。力があるならば、鉄を分割する工程に配置すれば、生産性は高まることは間違いないでしょう。
仕事の習熟度合いが高まる
分業をすることで、仕事の習熟度合いは高まります。美容師であれば、何度も人の髪を切ることでお客さんの満足度を高めることができます。もし、とある美容師がサッカー選手もやって弁護士もやってたとします。必然的に、前者の美容師より腕は落ちることになるでしょう。
先ほどのピン工場の例でも、鉄を研いでピンにする作業に関しての習熟度が高まると言えるでしょう。
規模の経済を活用できる
規模の経済とは大量生産するとコストが下がる傾向のことを指します。そのためには分業をしなければ大量生産はできません。小さな工場で少量の車を作るより、大量の車を作る方が必然的に一台あたりのコストを削減できるのです。
こうしたことにより、より多くの商品を生産することができるようになります。そして、雇用が生まれ、企業も多くの利益を得ることができるのです。
分業により市場経済が発達した
分業が進むことで、生産性は高まりより多くの商品が市場に出回ります。そして、労働者はより多くの給料を得ることができます。結果として、我々が今生きている市場経済が生まれることになるのです。
しかし、分業でたくさんの商品が生まれるだけでは市場経済は成り立ちません。そこには価値のメカニズムと需要と供給のシステムが必要になります。この二つに関しては、以下の記事で触れているので経済について知りたい方は読んでみてください。
まとめ
これまでの内容をまとめると以下のようになります。
- 分業とは複数の人が役割を分担して財(モノ)の生産を行うこと。
- 分業によって、生産性は非常に高くなります。
- 企業や労働者は分業により
①得意な分野に集中
②仕事の習熟度合いが高める
③規模の経済を活用
することができる
また、正直自分で書いていうのもアレですが、もう少し経済学について理解を深めたい方は以下の書籍から初めてみるのがおすすめです!
この記事をきっかけで少し経済学について理解を深めたいと思った方は、以下の書籍から初めてみるのがおすすめです!
それは、『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編・マクロ編』です。
こちらはミクロ経済学に関して難しい数式を使うことなくわかりやすく説明してくれています。
これらの本を理解できたら、次に『スティグリッツ入門経済学』を読んでみるのもアリだと思います。ですが、正直、信じられないくらい分厚いので覚悟は必要かもしれません。
しかし、この本を読めば経済学という学問の全体像を知ることができるのでオススメです。