この記事では、NFT分野に特化したレイヤー2プロトコルImmutable X(イミュータブルエックス:IMX)とそこから発行されるIMXトークンについて解説していきます。
また、この記事では、Immutable X(IMX)に関して以下の点を押さえていただければと思います。
- イーサリアムネットワーク上に展開されたNFT領域に特化したレイヤー2プロトコル
- イーサリアムのスケーラビリティー問題をZK-Rollupという仕組みで解決した
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている労働者マンが解説します
Immutable X(IMX)とは?
運営企業のImmutableと創設者のウリ・コロドニー
Immutable Xの運営企業は、シドニーを拠点としているImmutable社です。この会社は、のちに解説するImmutable Xというブロックチェーンインフラを構築する企業です。
NFTの普及を目的にした企業で、Immutable Xもイーサリアムの課題を克服して、NFTサービスの構築のハードルを大きく下げました。
CEOは、ジェームス・ファーガソン(James Ferguson)氏です。Forbesの世界を変える30人にも選ばれています。
2016年にシドニー大学を卒業したのち、eSportやEコマース系の企業を立ち上げ、その後、デリバリーサービスのフロントエンド開発リーダーを勤めるなど、紆余曲折した人生を歩んでいました。
2018年に現在のImmutable社を立ち上げ現在にいたります。
Immutable X
Immutable社の事業の中心となるのが、Immutable Xというレイヤー2プロトコルです。NFTの普及を進めることを目的に、開発されました。
また、レイヤーイーサリアムの課題であった、手数料の高さや処理速度の遅さ等を解決したレイヤー2プロトコルです。
レイヤー1では、イーサリアムネットワークが使用され、その上にレイヤー2として展開されているのがImmutable Xというイメージです。
Immutable Xは、イーサリアムの抱えるスケーラビリティー問題を克服し、ガス代や取引データの処理能力が高いが特徴と言えます。1秒間に9,000件以上の取引が可能となっています。
IMXトークン
Immutable Xが発行しているトークンをIMXといいます。この通貨は取引手数料の支払い、ステーキング、ガバナンストークンとしての特徴を持っています。
ガバナンストークンとは、ネットワーク運用や開発についての方針をホルダーによる投票で決定するトークンのことです。
Immutable Xはガバナンストークンとしても機能します。定期的な運営決議がありそこでIMXトークンは投票権として機能します。
さらにIMXによって、ステーキングをすることも可能です。IMXトークンを保有している人は、IMXトークンを預けることで報酬を得ることができます。
ステーキングとは、トークン保有者がステーキングプールにトークンを預けることで、ネットワークに貢献したことになり、報酬がもらえる仕組みのことです。
また、IMXトークンはNFT取引の際に取引手数料として使用されます。イーサリアムでNFTを購入した際に手数料としてIMXトークンが必要になります。
名称 | Immutable X |
シンボル | IMX |
現在の価格 | ¥185.99 |
時価総額 | ¥43,778,730,293 |
時価総額ランキング | 139位 |
詳細 | 公式サイト |
Immutable X(IMX)の特徴
イーサリアムよりも処理速度が高速
イーサリアムはスケーラビリティー問題を抱えており、取引量が増えると処理速度が落ちてしまうという問題があります。
ただ、こうした課題を、Immutable Xは、のちに解説するZK-Rollupという技術によって克服しました。
Immutable X(IMX)は1秒間に9,000件以上の取引がなため、取引処理速度はイーサリアムより速くなっています。
セイキュリティーの高さ
Immutable X(IMX)はのちに解説するZK-Rollupというスマートコントラクト技術を用いています。
この技術によって、NFTに特化したセキュリティ性の高いハイパフォーマンスな取引が可能となっています。
分散型技術ではセキュリティーが問題になりがちですが、Immutable X(IMX)は、イーサリアムの分散ネットワークによって高いセキュリティーをリスクを低減させることに成功しているでしょう。
ガス代がかからない
Immutable X(IMX)はガス代がかからないという、他にはない特徴があります。
これまで、イーサリアムによる取引では、ガス代(取引手数料)がかかっていました。また、取引量が増加するとガス代が高騰することもありました。
しかし、Immutable X(IMX)は取引で発生するガス代はすべてImmutable社が負担しているため、ユーザーがガス代を支払う必要がありません。
短時間でNFTアプリの開発ができる
Immutable Xではアプリ開発が短時間で可能という特徴があります。これはAPIを公開することで解決しました。
ブロックチェーン関連のアプリを開発しようとすると、現在は数週間ほどの時間を費やす必要がありました。
ですが、Immutable Xは、REST APIで取引や転送などを呼び指し、処理時間を格段に減らすことができました。
さらに、ガス代がかからないことで、開発者側の開発ハードルを格段に下げました。
Immutable X(IMX)の仕組み
Immutable Xはイーサリアム上に展開しているレイヤー2プロトコルです。
レイヤー2(セカンドレイヤー)とは、ブロックチェーン上(レイヤー1)に記載されないオフチェーンのことを指します。この場合、イーサリアムがレイヤー1で、Immutabe Xはレイヤー2にあたります。
ZK-Rollup技術を用いている
レイヤー2としてのImmutable Xは、ZK-Rollupという技術を利用して構築されています。ZK-Rollupは有名なレイヤー2の技術であり、オフチェーンを実行するスマートコントラクトです。
zkRollupは、数百のトランザクションをまとめて一つのトランザクションとしてオフチェーンで処理し、それを証明書として発行してメインのチェーンに記録するやり方です。
Immutable Xは、Z K-Rollup技術により導入することで、取引のデータ量を大幅に削減し、Immutable Xはイーサリアムのスケーラビリティー問題を解決しました。
ちなみにZK-Rollupは、StarkWare社が開発した最先端ロールアップ技術です。これが、迅速で低い手数料での取引を実現しました。
ERC20トークンを使用したIMXトークン
Immutable Xは、イーサリアムネットワーク上に展開されています。そのため、ERC721やERC20トークンの作成・取引が可能です。そのため、IMXトークンは、ブロックチェーン上で利用される規格「ERC20」トークンです。
IMXトークンは、ステーキングや支払手数料に使用されます。
Immutable X(IMX)の将来性
TikTokでImmutable X(IMX)が活用される
TikTokもImmutable X(IMX)が提携を始めています。TikTokは今や誰でも知っているSNSです。
TiktokもNFT領域へ積極的に入り込んで来ており、「TIKTOK TOP MOMENT」というプラットフォームが既に公開されています。
今後、IMXでの取引が一般の方にも浸透していけば、Immutable Xの将来性は大きく開かれるのではないかと思います。
大規模な資金調達に成功している
Immutable社は大規模な投資家から2022年に290億円の資金調達に成功しています。
評価額も2900億円と、とんでもない評価を受けています。こうした、評価は今後の将来を期待できる理由の一つといえるでしょう。
シリーズCを主導したのはシンガポールの政府系ファンドTemasek。Animoca Brands(アニモカブランズ)、Tencent(テンセント)、ParaFi Capital、Arrington Capitalといった新規投資家や、Alameda Research、AirTree Ventures、Declaration Partners、Fabric Venturesなどの既存の投資家も参加した。
NFT系L2のImmutable X、230億円調達
Immutable X(IMX)の価格動向
さいごに
また、この記事では、Immutable X(IMX)に関して解説してきました。まとめると以下のようになります。
- イーサリアムネットワーク上に展開されたNFT領域に特化したレイヤー2プロトコル
- イーサリアムのスケーラビリティー問題をZK-Rollupという仕組みで解決した
TikTokなどの有名サービスとも連携を進め、ブロックチェーンインフラとしての地位を着実に固めているImmutable X。
今後の動向が非常に楽しみなプロジェクトです。