この記事では、『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(渡会圭子訳、東洋経済新報社)について一部要約、書評をしていきます。
この書籍が書かれたのは2019年と内容として古い部分もありますが、各企業に対する考察には素晴らしいものがありました。
また、同様にGAFAに関しての書籍の要約もしているので併せてお読みください。
著者について
本書の著者スコット・ギャロウェイは、現在ニューヨーク大学スターン経営大学院教授でMBAコースでブランド戦略とデジタルマーケティングを教えています。
連続起業家として、L2、Red Envelope、Prophetなど9の会社を起業しており、本書でも自慢話が散りばめられてせいぜいします。ニューヨーク・タイムズ、ゲートウェイ・コンピュータなどの役員も歴任しています。
要約
本書の内容を一部要約してお伝えしようと思います。本書の1/3は著者の自慢話で埋め尽くされており辛い部分がありますが、それ以外は、面白い内容となっております。
ここでは
- 第一騎士:Amazon
- 第二騎士:Apple
- 第三騎士:Facebook
- 第四騎士:Google
について触れていきます。
第一騎士(Amazon)
アマゾンは、EC事業で世界を支配するまでに巨大化した企業です。創業
- アマゾンマーケットプレイス
- FBAシステム
- アマゾンプライム
など、人々を虜にするようなサービスを提供しています。
本書で、主張されているのはより多くのものをできるだけ楽に集めようとする狩猟採集本能をアマゾンは巧妙についていると主張しています。なぜなら、多くを所有すればそれだけ生きる可能性が高かったからなのです。
また、アマゾンが通常のビジネスと違うのは、利益のほとんどを成長を目的とした高額な投資に回しているという点です。倉庫内の人件費を減らすために、全自動化のためのシステムに投資したり、FBA倉庫に投資したりなどです。
これにより競合他社に対して優位に立つことが可能になります。結果として、小売業界で鉄壁の地位を築き、競争相手の息の根を止めることになります。
通常きの企業であれば、アマゾンのように高いリスクをともなってまで成長のための投資はしないでしょう。これがアマゾンが現在の地位まで上り詰めた要因なのです。
第二騎士(Apple)
続いて、Appleです。Appleはみなさんも知っている通りスマホやPCの企業です。
Appleは顧客の「贅沢思考」をうまく利用することで現在の地位を築きあげたと本書では主張されています。
ちなみに、スマホ市場のマーケットシェアは14.5%ですが、利益に限定してシェアを見ると79%にまで登るそうです。
その成功の鍵は高級ブランドであるということです。著者は高級ブランドの条件として
- アイコン的な創業者
- 職人気質
- 垂直統合(メーカー直営店)
- 世界展開
- 高価格
をあげています。これはエルメスなどの他の高級ブランドにも通じるものがあります。
実際に、我々はApple製品を高いと思いながらも買ってしまいます。Apple製品=高級品という地位を完全に確立しているのです。
第三騎士(Facebook)
FacebookはSNSで有名な企業です(現在はMeta)。例えば、instagramやFacebookなどが挙げられるでしょう。
私たち(アメリカ)では1日にFacebookに35分、Instagram/WhatsAppには25分の合計1時間もの時間を費やしているそうです
単なるメディアではなく情報共有のプラットフォームを確立させようとしています。
第四騎士(Google)
現在、わからないことがあればGoogle検索エンジンにみなさんは質問をしているのではないでしょうか?Googleは、我々の知識欲を原動力に現在の地位を確率しました。そして、我々はこのGoogleを信頼しきっています。
Googleの検索結果は広告の影響を受けず、広告主がGoogleに広告費を積み上げても検索エンジンの上位に来ることはできません。
これが人々の信頼の裏付けとなっているとも言えます。
Googleは私たちの知識欲が原動力になり、発展をし続けているのではないでしょうか。
この書籍は、さらにこの4つの騎士にの共通点や、我々がGAFAの支配する世界を生き抜く上で必要なことを定時しています。
書評
いかがでしたでしょうか?GAFAは現在世界に大きな影響力を与えています。まだ読んでいない方はあらためて読んでみるのも良いでしょう。
さらに、GAFAには本書以外でもさまざまな書籍が出版されています。本書でも紹介している『データ資本主義』は特に、経済学者が書いており興味深い内容となっています、併せて読んでみるのも良いでしょう。
さらに、著者は本書の続編として『GAFA next stage ガーファ ネクストステージ―四騎士+Xの次なる支配戦略』を出版しています。コチラも併せて読んでみるのも良いでしょう。