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中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは?仮想通貨や電子マネーとの違いについて解説。

中国でデジタル人民元の利用促進が2022年に開始されました。そうした中で、中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)というキーワードが話題になっています。中央銀行デジタル通貨とは何か実は理解しているかわかっている方は少ないように思われます。

そこでこの記事では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の概要、話題になっている背景、仮想通貨や電子マネーとの違いについて解説していきます。また、ブロックチェーンとの関連性についても解説していきます。

編集長
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この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている資本主義の奴隷編集部が解説します

この記事でわかること
  • 中央銀行デジタル通貨(CBDC)の概要や特徴について知ることができる
  • 中央銀行デジタル通貨(CBDC)の将来性について知ることができる
  • 中央銀行デジタル通貨(CBDC)とブロックチェーンとの関連性について解説

中央銀行デジタル通貨(CBDC)が議題に上がる背景

そもそも、中央銀行デジタル通貨(CBDC)が議題に上がるようになった背景として、世界的な経済のデジタル化があげられます。現金を決済目的での利用頻度が減少しており、その中で民間部門からはステーブルコイン等のあたらしいデジタル通貨が生み出されています。

そこで、中央銀行が金融への影響力を維持することを目的として中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究開発が世界的に検討されています。

引用元:『中央銀行デジタル通貨トラッカー』https://www.atlanticcouncil.org/cbdctracker/

2020年10月、7つの先進国中央銀行とBISからなる共同研究グループは、一般利用型CBDCに求められる3つの「基本原則」を公表しています(以下の引用参照)。その後、各国での中央銀行デジタル通貨の実証実験と制度設計面が進められています。

1.通貨・金融の安定を損なわない
2.公的・民間マネーとの共存・補完
3.イノベーションと効率性の促進

日本銀行決済機構局『中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み』2021年

中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは?

そもそもデジタル通貨とは?

中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、デジタル通貨の一種です。デジタル通貨とは、紙幣や硬貨等の現金ではなく、デジタルデータに変換された通貨として利用可能なもののことを指します(厳密に言うとその法定通貨は国家の借金、債権である必要があります)。

例えば、SuicaやPayPayなどの法定通貨に基づいた電子マネーや、ビットコインやイーサリアム等の仮想通貨が事例としてあげられます。そのうちの一つとして中央銀行デジタル通貨(CBDC)が存在します。

仮想通貨であれば管理者が存在せず法定通貨を基準としません。PayPay等の電子マネーは、法定通貨を基準に企業が発行・管理しています。一方で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、国家主体で発行・管理する法定通貨そのものをデジタル化した通貨です。

デジタル通貨
  • 紙幣や硬貨等の現金ではなく、デジタルデータに変換された通貨として利用可能な通貨

中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは?

デジタルマネーの一種である中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、国家主体で法定通貨そのものをデジタルデータ化した通貨のことを指します。

これまでは、現金の存在を前提として法定通貨の価値が保証されていましたが、デジタル上であっても法定通貨の価値の保証ができるようになる可能性があります。

・「中央銀行デジタル通貨」(Central Bank Digital Currency )とは、既存の中央銀行預金とは異なる、新たな形態の電子的な中央銀行マネー。
・CBDCは中央銀行の負債であり、決済の手段として用いられる。当該国の法定通貨建てで発行されることを通じて価値尺度として機能。

日本銀行決済機構局『中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み』2021年

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の種類

また、中央銀行デジタル通貨(CBDC)には二つの種類があります。それが以下の二つです。

  • ホールセール中央銀行デジタル通貨(wCBDC)
  • リテール中央銀行デジタル通貨(CBDC)

ホールセール中央銀行デジタル通貨(wCBDC)は、金融機関同士の決済に使用されることが想定されたCBDCです。一方でリテール中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、一般人や民間企業等での決済を目的とした通貨のことをさします。

現在は、リテール中央銀行デジタル通貨(CBDC)を中心とした導入検討が主軸となり始めています。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)に必要とされる特性

中央銀行デジタル通貨(CBDC)が機能する上で、機能面やシステム面で以下のような特性を備えている必要性が、今後社会実装される上で必須となります。

  • 相互運用性
  • ユニバーサルアクセス
  • セキュリティ
  • 強靭性
  • 即時決済性

例えば相互運用性やユニバーサルアクセスは、民間決済システムに柔軟に対応ができる柔軟な構造が必要になります。その上で、ユーザビリティーが高いことが重要です。

またセキュリティーや強靭性は常に365日休むことなく稼働が可能であり、かつ不正や偽造に対する耐性が必要です。そして、正確かつ迅速な処理が可能な即時決済性が重要です。

これらの基本的な特性を兼ね備えた上で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は社会実装が可能であると言えます。

2021年11月1日日本銀行決済機構局「CBDCが具備すべき基本的特性」

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の流通と発行

具体的に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)が発行され流通するまでの流れを解説していきます。

発行された中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、仲介機関を通じて、ユーザーに払出されます。払出されたCBDCは、ユーザー同士での取引に使用されます。これが巡り巡って仲介機関に受入されます。これが日銀当座預金と引換えに還収される流れになります。

ブロックチェーンと中央銀行デジタル通貨(CBDC)

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーン(分散型台帳)とは、取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげた形のデータベースのことです。これにより、正確な取引履歴を維持しようとする技術とされています。

ブロックチェーンを利用することで、同じデータベースを異なるサービスがシェアしたり、共有することができるようになり、サービス間での相互運用性が高くなりました。

ブロックチェーンについて知りたい方は以下の記事をあわせてお読みください。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実装において、ブロックチェーン技術を採用検討の動きも世界的に出始めています。

ブロックチェーン(分散型台帳)とは?
  • ブロックチェーンとは、取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術

ブロックチェーンを利用した中央銀行デジタル通貨(CBDC)

CBDCの社会実装において、ブロックチェーンを利用することで生まれるメリットがあります。CBDCがもしブロックチェーン上で機能すれば、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)へのアクセスが現在よりも簡単になるでしょう。

さらに、スマートコントラクトによって法定通貨による自動取引へのアクセスがユーザーへ開かれる可能性があり、Web3のありようが大きく変化するでしょう。

個人的には、もしCBDCが社会実装された場合、ステーブルコインなどの法定通貨と価値が連動するコインに関しては存在意義を失う一方で、より多くの人々がWeb3へのアクセスが可能になり、ますアダプションへ大きく一歩踏み出すのではないかと考えています。

さいごに

これまでCBDCについての大枠を解説していきました。今後、CBDCがもし仮に導入された場合、先にも述べたようにWeb3へのアクセスが容易になるのではないかと考えています。

ただ、当初Web3が描いていた完全な分散型な社会の実現からはやや遠ざかってしまうのではないかと考えており、悩ましいところです。

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