トロン(TRON/TRX)とは、世界で最も急速に成長しているドルのデジタル通貨をアジア最大のデジタル資産エコシステムにおいて発行されている仮想通貨です。
現在の時価総額は14位と言われており、高いスケーラビリティーと処理速度を有しています。
他の記事ですと、クリエイター特化の目的で作られた通貨という説明ですが、現在はイーサリアムに匹敵するような広範囲なカテゴリーを網羅するエコシステムの基軸通貨として機能しています。
そこで、この記事ではTRON(TRX)のエコシステムとその基軸通貨について徹底的に解説して行きます。
- 時価総額14位の大規模なブロックチェーンプラットフォームの基軸通貨
- 高いパフォーマンスと高いスループットを誇る
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている労働者マンが解説します
TRON(TRX)とは?
運営者とTRON DAO
インターネットの再分散化を目的に立ち上げられた、TRON DAOが提供しているのがTRONチェーンであり、TRXトークンです。
TRONは、ブロックチェーンテクノロジーと分散型アプリケーション(DApps)を通じて、インターネットの最分散化を加速することに取り組んでいます。
2017年にはジャスティン・サン(H.E. Justin Sun)が創設したTRON財団がTRONネットワークの運営主体でしたが、2021年12月に完全に分散化されたTRON DAOが運営主体となっています。
TRON DAOは、自律分散型組織(DAO)であり、有志のメンバーによって運営がなされています。
TRONネットワーク
TRONネットワークは成長を続けており、チェーン上のユーザー数は11,000万人を超え、トランザクション数は38億人を超えています。
「アジア最大級のデジタルアセットエコシステム」とも評されており、非常に大規模なエコシステムを展開しているレイヤー1ブロックチェーンです。
エコシステム内では、DeFi関連のDapps(分散型アプリケーション)やApe NFTマーケットプレイス、ユーザーのためのウォレットが展開されています。
また、TRONネットワーク上で発行されているステーブルコインTether(USDC)の流通額はイーサリアム系統のUSDCを超えており、アジアを中心に最も勢いのあるブロックチェーンエコシステムと言えるでしょう。
TRXトークン
TRONエコシステム上で基軸通貨として機能している仮想通貨をTRXトークンと言います。
TRXトークンは、TRONブロックチェーンからTRC-20標準トークンに基づく規格のもと発行されています。TRONエコシステム内で使用することができるユーティリティートークンです。
また、コンセンサスアルゴリズムはProof Of Stake(PoS)を採用しています。PoSとトークンの所有量が多い方に取引承認の役割を割り振り、報酬を付与する仕組みのことです。
TRON DAOのガバナンストークンとしても機能しています。
TRONは、TRONネットワークの開発運営の意思決定の投票権として機能することができます。
通貨名 | トロン |
通貨単位 | TRON/TRX |
時価総額 | ¥924,564,939,948 |
時価総額ランキング | 24位 |
発行上限枚数 | 1,000億枚 |
TRON(TRX)の特徴
高い処理速度と低い手数料
TRON での平均ブロック生成には、3秒の速度で処理することができます。
これはビットコインの10.5 秒やイーサリアムの13.2 秒と比較して非常に速い処理速度と言えるでしょう。
また、取引手数料においても、平均で 0.06 ドルというかなり低い取引手数料を実現しています。
これらの高い処理速度と低い手数料を実現している技術的背景には、コンセンサスアルゴリズムにおいてDPoS(Proof Of Stake)を採用している点が挙げられます。
DPoS(Delegate Proof of Stake)とはデリゲート・プルーフオブステークの略称です。
コミュニティーの中で、TRXトークンの保有量に応じた投票権を割り当て、投票によって取引の承認を割り当てる形式になっています。
ビットコインは、Proof Of Work(PoW)というコンセンサスアルゴリズムを使用しているため、取引承認に時間がかかってしまっています。
世界Web 3.0エコシステムを有している
TRONはプラットフォームとしても機能するブロックチェーンです。TRON上ではDapps(分散型アプリケーション)を展開することが可能となっています。
2018 年のメインネットの立ち上げに続いて、TRONネットワークは非常に大規模化しており、5,200 万を超えるグローバル ユーザー アカウント抱えるまでになっています。
毎日の平均送金額で約 60 億ドルを処理する実績を持っています。
現在TRONネットワーク上に展開されているDefi(分散型金融)にロックされた合計値は100億ドルを超え、この点では世界第3位にもなっています。
次世代グローバル決済システム
国際的に銀行口座を持たない人々への決済サービスを提供するシステムとしても機能しています。いわばRippleと似た機能を持っています。
従来の国際決済システムは、金融機関や SWIFTなどの機関やインフラを通した中央集権的な金融システムでした。
しかし、TRONはブリッジ通貨としても機能することができ、取引に発生する仲介者を不要にする可能性を秘めています。
SWIFTという金融インフラも技術的に遅れを取りはじめコストが高く、効率が低く、ハッキングの危険性が非常に高くなっています。
そこで、TRONレイヤー1ブロックチェーンを利用することで、分散的で銀行口座を持たない人に金融システムへの加入を促進する上に、システム自体のセキュリティーを高めることができます。
TRON(TRX)のエコシステム
ステーブルコインTether(USDT)のと取引総額の大きさ
TRONでは現在、世界最大規模のステーブルコインTether(USDT)が発行されています。Tether(USDT)は、さまざまなブロックチェーン上で発行されるステーブルコインです。
イーサリアム(ECR-20)等のレイヤー1ブロックチェーンで展開されています。TRONネットワーク上でもTeher(USDT)がTRC-20という規格のもと発行されています。
このTethere(USDT)がどのブロックチェーンで最も取引されているかを見ていくと、2021年4 月以降、TRC20規格のUSDT が イーサリアムのERC20規格のUSDTを上回りました。
2019年にローンチしてからたったの2年でイーサリアムのECR-20 USDTを上回ったことは世界に衝撃を与えました。
P2Pプロトコル買収による拡大
TRONは、BitTorrentという2001 年に設立され、広く使用されている P2P ファイル共有プロトコルを買収しています。
Bit Torrentはアプリケーション、音楽、ビデオ、ドキュメント、写真、その他のファイルを共有、検索、ダウンロード、アップロードできるP2Pソフトウェアです。
BitTorrentをTRONに統合ことにより、今後メタバースやコンテンツ配信のような大量のデータを使用するコンテンツが出てきても耐えうるデータ基盤をTRONエコシステム上に構築することが可能になっています。
デジタルアーティストをつなぐNFTエコノミーの展開
TRONエコシステム内にNFTを利用したデジタルアーティストをつなぐAPE NFT マーケットプレイスが展開されています。
APENFTマーケットプレイスによって、気軽に人々がNFTを取引することができるようになっています。
また、今後到来するであろうメタバースにおいて利用されるであろうNFT技術のプラットフォームとしてTRONエコシステムが重要性を増していくことは間違い無いでしょう。
TRON(TRX)の将来性
現在、TRONは以下のような6つのフェーズに分けて進行しています。
- Exodus
- Odyessey
- Great Voyage
- Apollo
- Star Trek
- Eternity
現在はApplloというフェーズであり、徐々に開発が進んでいると言えるでしょう。
ロードマップ名 | 内容 |
---|---|
Exodus | 無料でプラットフォーム生成 |
Odyessey | コンテンツ作成のためのプラットフォーム生成 |
Great Voyage | クリエイターがトロンを報酬として得られるようにする |
Apollo | クリエイターが独自トークンを発行できるようにする |
Star Trek | ブロックチェーンを活用してデジタルアイテムを作成する |
Eternity | ゲームの発展を目指す |
TRON(TRX)の価格動向
さいごに
そこで、この記事ではTRON(TRX)のエコシステムとその基軸通貨について徹底的に解説してきました。
この記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 時価総額14位の大規模なブロックチェーンプラットフォームの基軸通貨
- 高いパフォーマンスと高いスループットを誇る
今後も、TRONはアジア圏でも勢力を広げていくのでは無いかと思われます。今後の進展が楽しみです。