この記事では大手取引所を運営するHuobi Groupが開発した、MDEX(MDX)という分散型取引所について解説します。
また、この記事ではMDEX(MDX)について以下の点を押さえておいていただければと思います。
- Huobiグループが開発した、中央管理者が存在しない分散型取引所
- HECOチェーンとBinance Chainのマルチチェーン対応
- 手数料の低さや処理能力が高い
最後までお付き合いいただければ幸いです。
この記事は、経済オタクで仮想通貨にハマっている労働者マンが解説します
MDEX(MDX)とは?
Houbiグループ(フォビジャパン)とCEO
MDEXを開発したのは、Houbiグループという中国のグループ企業です。主に、Houbiグループは仮想通貨取引所を提供しています
2013年に、CEOはレオンリー(Leon Li)という人物によって設立されました。彼は精華大学を卒業したのち、Oracleというクラウドプラットフォーム企業のエンジニアとして勤務していました。
その後、2013年に彼は金融技術のパイオニア的存在だったこともあり、仮想通貨取引所を作り、世界有数のHoubiグループを育て上げました。
分散型取引所のMDEXとは?
MDEXは2021年にHuobi Groupによって、Huobi Eco Chain(HECOチェーン)上に構築されたDEX (分散型取引所)の一つです。
→Houbi Eco Chain(HECOチェーン)とは?特徴や仕組みをわかりやすく解説。
またMDEXは、以下のような特徴があります。
- 手数料が安い
- 取引処理能力が高い
- デュアルマイニングという報酬制度を採用等
詳細は後ほど解説して行きます。
ここまで成長したきっかけには、Binanceとの提携によるマルチチェーン対応がありました。
MDEXは当初、Huobi Group独自のHuobi Eco Chain(HECO)ネットワーク上のみの展開でした。Binance社とも提携を進め、2021年初頭にBinance Smart Chain(BSC)にも対応すると発表しました。
これを機に、大きく話題になると同時に、利便性も向上したことで、取引高3位にまでMDEXは躍り出たのです。
MDXトークンを発行
MDEXは、MDXトークンを発行しています。ガバナンストークンとしての役目といった特徴のある通貨です。
MDXトークン保有者は、MDEXの運営方針の決議への投票権としてMDXを利用することができます。
より詳細は以下で解説して行きます。
通貨(トークン)名 | MDEX(MDX) |
ティッカーシンボル・単位 | MDX |
発行枚数 | 制限なし |
公式サイト | mdex.co |
現在の価格 | ¥10 |
時価総額 | ¥5,450,385 |
DEX(分散型取引所)のMDEX(MDX)の特徴
中央の管理者が存在しない
MDEXは、DEX(分散型取引所)といって、中央管理者がいなくともユーザー同士の取引が実現するDeFiサービスの一つです。
日本であればCoincheck、海外であればByBit、Binance等の取引所があります。ただ、これらは企業が管理するCEX(中央集権型取引所)に分類されます。
MDEXのようなDEX(分散型取引所)はCEX(中央集権型取引所)と比べても、セキュリティー面で強く、匿名性が担保されてている点で優れています。
取引処理能力が高い
MDEX(MDX)は、取引処理能力が非常に高くなっています。
理由としては、Huobi Eco Chain(HECOチェーン)やBinance Smart Chain(BSC)といった、取引処理能力が高いブロックチェーンを利用しているからです。
MDEXと似たDEX(分散型取引所)であるUniswapはイーサリアムネットワークを利用しているため、取引処理速度が非常に遅くなっています。
手数料が安い
MDEX(MDX)は取引処理能力が高いことで、手数料も安くなっています。
イーサリアムネットワークはスケーラビリティー問題という取引の増加に伴う取引処理が遅くなる問題を抱えていました。これにより手数料が高騰してしまい、ユーザーの利便性が損なわれていました。
こうした背景によって、イーサリアム上に展開するUniswapは手数料が高騰していました。
しかし、MDEX(MDX)は、スケーラビリティー問題を解決したHuobi Eco Chain(HECOチェーン)やBinance Smart Chain(BSC)を使用しているので、手数料が低い状態で取引が可能となりました。
DEX(分散型取引所)のMDEX(MDX)の仕組み
マルチチェーン対応
MDEXはHuobi Eco Chain(HECOチェーン)とBinance Smart Chain(BSC)のマルチチェーン対応をしています。
ローンチ当初は、MDEX(MDX)はHuobi Groupが提供するHuobi Eco Chain(HECOチェーン)上で展開されていたDEX(分散型取引所)でした。
2021年4月になると、Binance社とHuobi Groupの提携がなされ、MDEXはBinance Smart Chain(BSC)に対応することが決定しました。
これにより、MDEXはBSCの高い流動性を獲得することに成功しました。
MDEXでは、マルチチェーン対応をすることで、HECOチェーンだけでなく、Binance Smart Chainの取引データや仮想通貨と互換性を持たせることができるようになります。
デュアルマイニングによる流動性の確保:ステーキング・流動性/取引マイニング
MDEX(MDX)は、デュアルマイニングという仕組みを導入しています。デュアルマイニングとは以下の二つのマイニングが採用されています。
- 流動性マイニング
- 取引マイニング
このデュアルマイニング機能がMDEXを人気にしている理由の一つです。
流動性マイニング
まず、流動性マイニングとは、UniswapやPanceke Swapも導入している機能です。分散型取引所に仮想通貨の流動性を提供する見返りとして報酬を得る仕組みです。
MDEXでは、ユーザーが通貨ペアを1:1で預け入れることで流動性を提供したことになります。通貨ペアは、MDEX独自の流動性プール(LIquidity Pool)に共有されます。
この見返りとしてLPトークンが発行され、これを「Stake」することで流動性提供の報酬を獲得することができるのです。
取引マイニング
取引マイニングとは、ユーザーが仮想通貨を取引する際に、インセンティブとして、取引手数料の一部をユーザーに還元する仕組みのことです。
流動性マイニングは、DEX界隈では非常にメジャーな仕組みですが、取引マイニングを採用しているDEXはMDEX以外にほとんどありません。
取引マイニングは、MDEXが人気であることの大きな理由となっています。
仮想通貨MDXの特徴
ガバナンストーク機能
MDXトークンは、ガバナンストークンとしても機能します。MDEXは、中央の企業が存在しない代わりに、ユーザーによる分散型ガバナンスがなされています。
その際に、MDEXの方向性を決める際に、MDXトークンは投票権として機能します。例えば、取引手数料の料率等に関することが、MDXトークンを持っていることで、意思決定に関わることができます。
半年毎に供給量を減らす仕組み(バーン)を採用
MDXトークンは、価格維持のためにバーン(廃棄)という仕組みを採用しています。定期的に通貨全体の供給量を減らすことで、通貨の価値を上昇させる仕組みのことです。
これにより、MDXトークンが出回りすぎて価値が下がることを防止しているのです。
MDEX(MDX)の将来性
Binance Smart Chain(BSC)とHECOチェーン上に展開している
MDEXでは、HECOチェーン以外にもBSCといった利用者の多いチェーン上に展開されています。
これにより、高い流動性を維持することが可能になっています。BSCが成長すればするほどMDEXは今後大きく成長していくでしょう。
また、マルチチェーン対応のブロックチェーンが増えればさらにユーザーが増えることは間違いないでしょう。
他のDEX(分散型取引所)との差別化がなされている
UniswapやPancake Swap、Sushiswap等のさまざまなDEXが展開されています。MDEXもこれらと同じカテゴリーに分類されるでしょう。
しかし、MDEXは取引マイニングといった、他にはない機能がついています。さらに、手数料も低く押さえられ、取引速度も速くなっています。
今後、DEX界隈は大きく成長されると思われますが、こうした差別化がなされていることで、安定した成長が見込まれるのではないでしょうか?
MDEX(MDX)の価格動向
さいごに
この記事ではMDEX(MDX)について解説して行きました。
- Huobiグループが開発した、中央管理者が存在しない分散型取引所
- HECOチェーンとBinance Chainのマルチチェーン対応
- 手数料の低さや処理能力が高い
MDEXは現在、DEX取引高で3位に位置付けている人気っぷりです。今後、Binance以外にも他のブロックチェーンネットワーク上にも対応していけば、大きく成長が見込まれるものと思われます。