みなさんが使っているブラウザというサービス。おそらくこれを見ている人はChromeであったりSafariから見ているのではないでしょうか?
歴史を紐解くと、当初はNetscape Navigator(NN:ネットスケープナビゲーター)やMosaicといった聞いたこともないようなブラウザが使われていた時期もありました。
これらをブラウザ戦争と言います。過去にプレイヤーが変わ利ながらも何度も行われてきました。
そこで、この記事ではブラウザの歴史、特にブラウザ戦争に主眼を置いて解説をしていきます。
- ネットに関する知識が身に付く
- ブラウザに対する理解が深まる
- ネット業界で働く上でベースとなる知識が身に付く
ブラウザとは?

ここではそもそもブラウザとは、何かおさらいをします。Webの情報を一般人でも理解できるようにするソフトウェアをブラウザといいます。
インターネットは、サーバーとクライアントの間で情報がやりとりされています。我々が普段PCやスマホで見ている情報は全てサーバーに格納されています。
クライアントはサーバーにリクエストを送り、サーバーデータからデータを受け取ります。このデータは一般人には読み解くことは困難です。
そこで、その情報を視覚的に理解できるようにするソフトウェアがブラウザです。

天気予報やニュースをみたり、買い物をしたりYoutubeを閲覧することができているのは全てブラウザのおかげなのです。
ブラウザによってインターネットの難しい情報が視覚的に理解することができている
ブラウザは、microsoftやApple、Google(現:Alphabet)などの企業が有名です。以下に有名なものをいくつか挙げてみました。
現在はこれらのブラウザが市場に出回るまでにはさまざまな経緯がありました。では、ブラウザの歴史について解説していきます。
ブラウザの誕生:MosaicによるWebの普及

Webの誕生と同時にブラウザは生まれました。ここではブラウザが誕生するまでの経緯について解説していきます。
また、Webとインターネットの歴史についてはコチラの記事からご覧ください。
Webの誕生とブラウザ
Webは、1990年11月12日にスイスのCERN(セルン:欧州原子核研究機構)という国際的な研究所で働いていたティム・バーナーズ=リーがWebの提案書を書いたところから始まりました。この提案書に、ブラウザとサーバー、クライアントの構想が造られていました。

さらに彼はハイパーテキスト(Hyper Text)と呼ばれる仕組みを作り出しました。簡単いうと文字をクリックすると他のWebページに移動する、いわゆる「リンク」という機能のことです。
さらに、Webを作成する際の約束事であるHTML(Hyper Text Markup Langage)が生み出されたのもこの時です。
- 1990年に、ティムという人物によってWebが発明され、そこに付随してブラウザは生まれた
- ハイパーテキストとHTMLも同時に生み出された
バーナーズ=リーがWebを発表して以来、Webは世界中で徐々に普及していくようになります。企業や大学の研究者は無償で公開されたサーバーやブラウザを利用し、コンテンツを公開しはじめました。

1992年には、ホスト数が1,000,000を突破し、ネットサーフィンという言葉も生み出された時期でもあります。
インターネットを普及させたブラウザMosaic(モサイック)
Webは1993年になると一気に普及しはじめます。その要因としては、ブラウザの進歩がありました。NCSA(米国立スーパーコンピュー応用研究所)が公開したMoanic(モサイック)というブラウザが公開されます。

Mosaic以前のブラウザは文字情報しか使えませんでしたが、Mosaicは画像を見ることができたのです。その後、internet ExploreやFirefoxといった現在のブラウザの源流になっています。
Mosaicの登場によって、学術的なコンテンツだけでなく、ニュースや娯楽メディア、ショッピングサイトがWeb上で登場するようになります。
- Mosaicの登場で、飛躍的にWebが普及した
- Mosaicは画像を表示することができた
さらにMicrosoftやIBM、Sun Microsystemsといった、コンピュータ、ソフトウェア、ネットワーク機器などのIT関連製品の販売業者が参入してくるようになります。アマゾンが生まれたのもこの時期のことです。
第一次ブラウザ戦争:Netscape NavigatorからInternet Exploreへ

最初の戦争は、Internet ExplorerかNetscape Navigatorの二択から始まりました。
Netscape Navigator(NN:ネットスケープナビゲーター)の天下
Mosaicののち、Netscape Navigator(NN:ネットスケープナビゲーター)というブラウザが主に主軸を占めていました。
NNは、ネットスケープコミュニケーションズ(現AOL)社が生み出したソフトウェアです。NNは、最初のベータ版リリースは1994年です。高機能であったことから短期間でシェアを伸ばしました。
結果、1995~1998年、NNはもっとも幅広く使われる主要なブラウザになりました。
第一次ブラウザ戦争の開戦
しかし1995年にMicrosoft社が Windows95と一緒にInternet Explorer1.0(IE:インターネットエクスプローラー)をローンチしました。Windows95 と同時に発売されたOS機能拡張ソフト『Microsoft Plus!』とセットになっていました。

Widows95は爆発的なヒットを生み出しました。
それに合わせて、IEは、ユーザーを獲得していき、NNの対抗馬なりました。

IEとNNは熾烈なシェア争いし、バージョンアップを繰り返しました。第一次ブラウザ戦争の始まりです。
第一次ブラウザ戦争の結末:IEの勝利に終わる
第一次ブラウザ戦争におけるシェア争いの経過は、IE が NN のシェアを奪っていく形で推移しました。その理由として、は2つ挙げられます。
- 価格的な面でIEが有利であった
- 開発者側の利便性がIEの方が高かった
といったことが挙げられます。

1つ目の価格的な面に関して説明します。当時、NN は有料のソフトとして発売されていました。一方のIEは無償で公開されていました。
これにより、IEは価格面でユーザーに支持されることになりました。
2つ目の開発者側の利便性は、HTMLやCSS、Javascriptなどのプログラミング言語を開発する際に、処理速度や、開発者のミスの補正機能、使い勝手の面で全てIEが優っていましたあ。
結果、開発者のNN離れを生み出すことになったのです。
これらの要因から、2000~2004年にはIEが市場シェアのほぼすべてを獲得して第一次ブラウザ戦争は終結します。
- 第一次ブラウザ戦争はNNが敗北しIEが勝利した
- 2000代初頭はIEが覇権を握った
第二次ブラウザ戦争Google Chromeの躍進

第一次ブラウザ戦争でIEがブラウザ業界の主導権を完全に握ることになりました。しかし次第に他社からブラウザがローンチされ、主導権争いが混迷を極めることになります。
第二次ブラウザ戦争は、Internet Explorer,、Mozilla Firefox、Opera、 Safari、Google Chromeの5つによる熾烈な争いになります。

5択の戦争
IE含めて5つのブラウザが群雄割拠して混迷を極めたのが第二次ブラウザ戦争の特徴です。
第一次ブラウザ戦争を制したMIcrosoft社のInternet Exploreは6.0までアップデートを繰り返し洗練を繰り返していきました。しかし、ユーザーからみて目新しさが薄れていき、マンネリ化をしていました。
このとき、IEのセキュリティーの穴を狙ったスパイウェアやウイルスが問題視されるようになっていました。この問題に対してMicrosoft社の対応の遅れが目立つようになりました。
こうした中で、IEのセキュリティー問題に対応したブラウザが出てきました。それが
- Mozilla FoundationによるMozilla Firefox
- Opera SoftwareによるOpera
- AppleによるSafari
- GoogleによるGoogle Chrome
です。これらはセキュリティー対策に限らず新たな機能が付与され利便性の向上が測られていました。

特にMozilla Firefoxが人気を博して、2005年から2006年にかけてブラウザシェアにおけるIEのシェアは8割強に対してMozilla Firefoxのシェアは1割強にまで増加しました。
IEの牙城が徐々に崩れ始めたのです。しかし、それでもIEの覇権は揺るぎないものでした。
Google Chromeの躍進
IE一強の状態を打破したのが、2008年にローンチされたGoogleCromeです。
検索エンジンで有名だったGoogleのブラウザは、Googleの他のサービスの親和性の高さや、ユーザビリティーの高さから徐々にシェアを拡大していきます。

2010年時点には、IEのシェアが60%弱、FireFoxが20%強、Chromeは8%となっていました。さらにApple社のSafariも独自のブラウザとしてシェアを伸ばしていきました(STAFF SOLUTIONより引用)。

引用元:ブラウザ戦争の覇者「Google」は何を支配し、今後何を狙っているのか?
2012年頃にはChromeがFireFoxのシェアを抜き、2014年にはIEの牙城は崩れChromeの一強となっていきました。
第三次ブラウザ戦争:PCからスマホへ

IEを抑えGoogle Chromeがシェアトップに躍り出ました。しかし、第二次ブラウザ戦争ののちもブラウザのシェアの取り合いは熾烈さを極めている状況です。
その背景には、ユーザーのインターネットの利用方法の多様化が進んだことが挙げられます。具体的には
- セキュリティ対策の重要性が大きく高まったこと
- スマートフォンやタブレット端末などPC以外の使用率の高まり
- 様々なプラットフォームでインターネットに接続する機会が増えてきた
ことが挙げられます。また、2022年6月にはIEのサポートが終了し、Edgeへの移行が進んでいます。まだ、第三次ブラウザ戦争の結果は、未だ誰も知らない状態です。
まとめ
