この記事に来た方は、仮想通貨ブームがひと段落し低調気味な中で、次に流行るであろうモノ(技術)について気になっているのではないでしょうか?また、仮想通貨に代わる投資対象を探している方もいるのではないでしょうか?
結論から言うと、仮想通貨の次に来るもの、そして仮想通貨に代わる投資対象としては以下の3つのカテゴリーで間違いないでしょう。
- Web3(Web3.0)
- AI(人工知能)
- メタバース
また、仮想通貨自体も別に流行が終わったわけではないです。上記の3つと合わせて仮想通貨ブームが次に来ることは間違いありません。この記事の結論を先に言うと以下のようになります。
- 仮想通貨自体はWeb3という一つのブロックチェーンを中心とした概念の中に組み込まれている
- 「メタバース・AI(人工知能)・Web3」という3つの領域が「空間・知性・経済」を民主化していき、仮想通貨ブームの次に大きく社会を変えうるイノベーションの可能性を秘めている
この経済と仮想通貨をこよなく愛している資本主義の奴隷編集部が執筆しています。
仮想通貨(暗号資産)ブームとは何か?
まずここでは仮想通貨とは何で、仮想通貨ブームとは何だったのかについて解説していきます。
仮想通貨とは
仮想通貨とは、電子データのみでやりとりされる通貨です。我々が使用する円と同じように代金の支払いにも使用でき、電子データとして記録されます。条件としては以下の3つになります。
- 不特定の人に対して代金の支払いに使用できる
- 電子データとして記録される
- 法定通貨ではないこと
また、一般的に仮想通貨は主にブロックチェーン技術を軸に生み出された技術です。
日本銀行の公式サイトでは、仮想通貨(暗号資産とと)のことを以下のように定義しています。
(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等) と相互に交換できる
「暗号資産(仮想通貨)とは何ですか?」日本銀行HP
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない
2回の仮想通貨ブーム
そもそも、仮想通貨は2009年に公開されたビットコインを始まりとしています。その後、イーサリアムをはじめとした様々な仮想通貨が生み出されました。仮想通貨ブームは過去に2回きています。それは第一回目は2017年〜2018年、第二回目は2021年に起こっています。
一回目の仮想通貨ブームに参入していたのは、基本的に個人投資家でした。ビットコインだけでなく、プラットフォーム型の仮想通貨であるイーサリアムなどの取引高が大幅に上昇した時期でもありました。ただ2018年に仮想通貨バブル崩壊の損害を受けたのは主に個人でした。
2回目は、2021年に起こりました。2回目は企業などの組織も仮想通貨分野にも参入し始めた時期でもありました。この時期には、ブロックチェーンを軸にしてDeFi(分散型金融)やDAO(分散型自律組織)、NFT(非代替性トークン)など新たな技術領域が生み出された時期でもありました。
ただ、2022年あたりから金融引き締めが起こり世界的に不景気となり、それにあわせて仮想通貨ブームが終焉を迎えました。そして、2022年にはLUNAショックや大手海外取引所FTXの破綻などの事件が起こり下火になり始めています。
仮想通貨からWeb3(Web3.0)へ
これまで、仮想通貨のブームのありようを考えてきました。ただ、仮想通貨という概念だけに縛られていては、仮想通貨の次に来るものを見通すことは難しくなってしまいます。
むしろブロックチェーン技術軸にして生み出された技術群をWeb3として大きく捉えることが、今後の流行を捉える上で重要でしょう。特に2021年頃から仮想通貨をはじめとした技術群をWeb3として捉える風潮が大きくなっています。
結局、仮想通貨はそもそもブロックチェーンという技術を軸に生み出された一つの技術に過ぎません。第二回の仮想通貨ブームからDeFi、NFTをはじめとした様々な技術が生み出されています。これらも含めてWeb3として捉えることがますます重要になるでしょう。
仮想通貨・Web3の次に流行る技術〜AI、Web3、メタバース〜
まず、仮想通貨これから流行るであろう技術として以下の3つがあげられます。
- Web3.0
- メタバース
- AI(人工知能)
これらの「メタバース・AI(人工知能)・Web3」という3つの領域が「空間・知性・経済」を民主化していくのではないかと考えています。これらは、どれか一つだけ生き残るという領域というわけでなく、三つが同時に掛け合わされて大きく成長する可能性を秘めています。
これらが仮想通貨投資に代わるものとして台頭する可能性はあるでしょう。
Web3.0:経済の民主化
主に、Web3.0はブロックチェーン技術から生み出された技術群であり、分散型のプロダクトやサービスが生み出されようとしています。主にWeb3を中心に「経済的なインセンティブ」のあり方を変えうる可能性を持った技術になっています。
例えば、ブロックチェーンを活用したゲームは、ゲーム内空間で仮想通貨を稼ぐことができます。これまでは、企業などの管理者が手数料などを巻き上げて成立していましたが、ブロックチェーン技術によってユーザーにお金を分配できる仕組みを提供できるようになりました。
メタバース:空間の民主化
メタバースは人間社会をリアルだけでなくデジタル空間にまで押し広げる可能性を秘めた領域です。必ずしも現実の物理空間を再現されている必要はありません。ユーザー(アバター)が集まって社会的な関係を構築できる仮想の社会空間であることが重要です。
近年の小学生から高校生の子供たちが、フォートナイトなどのゲームで人間関係を構築するような行動変容も起きています。デジタル空間の中での容易な移動やコミュニケーションを容易にするのではないかと考えられます。
それは、東京にいてもブラジルにいても世界中の人がリアルとの境界線を超えて繋がることができる可能性を秘めています。
AI(人工知能):知性の民主化
最後に、Web3やメタバースがバズワードになる前から期待が込められていたAI(人工知能)という領域はみなさんも知っての通りでしょう。AIは、「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」とも称される技術領域です。
特にディープラーニングの実現に伴い機械学習が可能になり、機会ができる範囲が大きく広がりました。これにより、高い教育水準を受けたものにしか獲得できなかった知性を人工知能によって誰にでもアクセスできるようになるのではないかと考えています。
Web3(Web3.0)の具体的な事例
ここでは、仮想通貨も含めたWeb3.0領域において今後来るであろう領域について解説していきます。
NFT(非代替性トークン):
NFTというのは、非代替性トークン(Non-Fungible Token)の略称です。世界で唯一無二であることや、作成者、所有権などをデジタル上で証明する仕組みです。
デジタルコンテンツをNFT化すると、固有のIDであるトークンIDが発行されます。
このIDが固有のIDには、
- 作成者
- 所有者
- 権利者
- 取引履歴
などのデータが紐付けられます。これにより、作品が誰のもので、いくらで取引されたのかというのがわかるようになるのです。
DID(分散型アイデンティティ)
分散型ID(DID)とは、自己主権型アイデンティティを実現するための技術のことを指します。
意味としては、中央集権的なID発行者に依存せず、自分が自分であることや自分に関する情報を証明する仕組みのことです。
ちなみに、マイクロソフトは以下のように定義しています。
分散型アイデンティティとは、ユーザ名などの識別子を、自己所有の独立した ID に置き換え、ブロックチェーンや分散型台帳技術を用いてデータ交換を可能にすることで、プライバシーの保護や取引の安全性を確保することができるトラストフレームワーク
分散型IDを利用することで、ユーザーが書き込みたい内容のみを選択肢て書き込むことができます。そして、それをもとに銀行や企業へ個人情報として提示し、借入や就職の手続きを実施するのです。いわば履歴書のような機能を果たします。
分散型ID(DID)を実現する上で、管理者不在であることが非常に重要です。その際に、ブロックチェーンという技術が非常に重要となってきます。また、ブロックチェーンについては以下の記事をあわせて読んでみてください。
SBT(Soul Bound トークン)
Web3において、ウォレットやアカウントはSouls(魂)と呼称されています。そして、Soulが所持することができるトークンをSoulBoundトークン(SBT)と定義されています。
もう少し理解しやすくまとめると、Soul Boundトークン(SBT)とは、ウォレットから読み取ることができる人のアイデンティティや、経歴、資格などをトークン化したものです。
NFTや仮想通貨と違い「譲渡不可能」な性質を備えているという点が特徴と言えます。
ただ、Soulは必ずしも人間一人につき一つの魂である必要がない点は注意が必要です。Soulは、簡単に関連付けることができないさまざまな SBT を持つ永続的な仮名である可能性がある点だけは押さえておきましょう。
DeFi(分散型金融)
DeFiとは、Decentralized Financeの略で、和訳すると分散型金融になります。
分散型金融とは、簡単にいうと、既存の金融仲介業の存在を無効化するアプリケーション、もしくは金融サービスのことを指し示します。これらをCeFi(Centralize Finance)とも呼称されます。
DeFiとは、金融機関のように中央の管理者を必要とせず自律的に運営され、パブリック型ブロックチェーン上でスマートコントラクト(あらかじめ決められた条件を満たした場合にのみ契約を自動的に執行する仕組み)を活用して構築・運用される分散型の金融サービスのことです。
出典:NTT DATA「DeFi(分散型金融)とともに描く新しい金融サービス」
メタバース(仮想空間)の具体的な事例
メタバースとは、物理空間と同じように人々が社会空間を構築しコミュニケーションを取り合うことができる仕組みのことです。そんなメタバースの具体的な事例について解説していきます。
オンラインゲーム
メタバースを活用した事例の中でもっとも普及しているのがオンライゲームカテゴリーと言えるしょう。有名なものとしては以下のものがあげられます。
- マインクラフト
- フォートナイト
- あつまれどうぶつの森
これらのゲームの名前はみなさんも聞いたことがあるでしょう。
これらのゲームでは、ユーザー同士がコミュニケーションことを主眼に開発されています。eSportsと呼ばれるゲームを競技化したものも生み出されており、メタバース空間の中で人々がコミュニケーションをとることが徐々に当たり前になりつつあります。
ビジネスプラットフォーム
オンラインゲームはどちらかというと消費者(to C)向けのメタバースの一つでした。メタバースは現在、企業(to B)向けにも活用が模索され始めています。具体的事例としては以下のものがあげられるでしょう。
- Ovice:社内コミュニケーションツール
- バーチャル伊勢丹新宿店:
Ovice
Oviceは、主に社内コミュニケーションツールやオンラインイベント会場として使用することができる2次元メタバースサービスです。このサービスの活用事例には、コクヨなどの有名企業から教育委員会まで様々な企業が活用しているものと言えるでしょう。
伊勢丹新宿店
また、伊勢丹は、REV WORLDS(レヴワールズ)というバーチャル空間を提供しています。「いつでもどこからでも、仮想新宿でショッピングを」をコンセプトにアバターの編集や試着を可能にしており、メタバースならではの購買体験を提供しています。
AI(人工知能)の急激な発達と知性の民主化
AI(人工知能)は、ディープラーニングによる機械学習の実現により、人間でさえ時間がかかってしまう複雑な思考を高速でできるレベルにまで到達しようとしています。ここでは、AI(人工知能)を活用して一般利用が始められているサービスを紹介します。
【チャットAI】Chatgpt
まず、2022年頃から話題になり始めているのがChatgptです。このサービスは、人間を相手にしているようなリアルな会話文をチャット上で生成することができます。OpenAIという企業が開発したサービスです。
例えば好きな子がいる場合の対処法をチャット形式で対話しながらAI(人工知能)に応えてもらうことができます。特に、箇条書きでロジカルに回答してくれるため、頭の整理には非常に適したツールとなっています。
まだまだ情報の精度としては低い部分もあります。まだまだ成長の余地はありますが、現段階でも人間が頭の整理をすることを目的とした壁打ち相手としては十分過ぎるほど機能しています。
【写真の自動生成AI】Stale Diffusion
もう一つが写真やイラストをキーワードに基づいて自動生成してくれるツールです。試しに「綺麗な風景 日本 滝」と打ち込んでみましたすると、AIがオリジナルで綺麗な日本の滝を生成してくれました。
【音楽自動生成AI】Jule Box
最後に、Chatgtpを開発している企業のOpenAIは音楽の自動生成も可能にしています。そのサービスがJuke Box(ジュークボックス)です。
さいごに:AIとWeb3、メタバースが次の時代を作る
2023年以降に社会に大きな影響をおよぼすであろう技術には、以下の3つが間違いなく来るものと思われます。
- AI(人工知能)
- Web3
- メタバース
また、仮想通貨という概念だけを捉えていると全体像を見失う可能性が高いのでWeb3と捉え直すことが非常に重要であることも述べてきました。
- 仮想通貨自体はWeb3という一つのブロックチェーンを中心とした概念の中に組み込まれている
- 「メタバース・AI(人工知能)・Web3」という3つの領域が「空間・知性・経済」を民主化していき、仮想通貨ブームの次に大きく社会を変えうるイノベーションの可能性を秘めている