この記事では、ビットコインの取引をなるべく高速化し、手数料を安くするための技術として登場しているライトニングネットワークについて解説していきます。
最初にこの記事の内容をまとめると以下のようになります。
- ライトニングネットワークによってブロックチェーンが抱えるスケーラビリティー問題を軽減できる
- ペイメントチャネルやレイヤー2技術を利用することで実現した技術
この記事は、経済オタクで仮想通貨に詳しい資本主義の奴隷編集部が執筆しています。
ライトニングネットワークとは?
ライトニングネットワークは、レイヤー2のオフチェーンでの取引を処理する技術です。
ビットコインの送金速度の向上や、少額決済(マイクロペイメント)に対応した安価な送金手数料を実現するために考案された送金方法です。
ビットコインのブロックチェーンは、スケーラビリティーに問題がありトランザクションの処理が遅延するなどの課題を抱えています。
そこで、ビットコインのブロックチェーンの処理負担を軽減するために、オフチェーンでの処理により取引の高速化を実現し、少額決済を実現可能にしました。
それ以外にも以下のようなことができるようになると言われています。
ライトニングネットワークが編み出された背景
ライトニングネットワークが生み出された背景には、スケーラビリティー問題があります。
スケーラビリティ問題とは、データの処理を仕切れなる問題のことです。ビットコインのチェーンは、近年の取引量の増加に伴い一つのブロックで捌けるトランザクションの量に限界がきています。
これにより、現在ビットコインでは、取引の処理が遅延と手数料が高騰してしまう弊害が起こってしまいます。これではユーザーにとっての利便性を損なうものになってしまいます。
ビットコインは「平均して1秒間に約7取引しかできない」という課題を抱えています。こうした問題を解決するためにライトニングチェーンという技術が生み出されました。
ライトニングネットワークの仕組み
レイヤー2での処理
ライトニングネットワークは、レイヤー2ソリューションの一つです。ライトニングネットワークは、レイヤー1をメインのブロックチェーンに見立て、オフチェーンのレイヤー2 でトランザクションの処理を実行します。
もし、それぞれの取引をメインのブロックチェーンで処理してしまうと、負担が増えてしまいますが、オフチェーンで取引を実行することで処理負担を軽減することができます。
ペイメントチャネル
ライトニングネットワークでは、オフチェーン取引を行うペイメントチャネルという仕組みが利用されています。
ペイメントチャネルとは、二者間で複数回にわたってビットコイン送金を行ったとしても、一度のブロックチェーンへの記録で済ませることができる仕組みのことです。
複数の秘密鍵でビットコインを管理するマルチシグという技術を利用することでオフチェーンでの処理する技術のことを指します.
具体的に動きについて説明していきます。チャネルに参加する2つのノードのマルチシグアドレスを作成します。マルチシグアドレスとは、複数人が管理するアドレスです。共同管理の金庫のようなものです。
もしAというノードとBというノードがマルチシグアドレスに50BTCずつ出し合った場合、100BTCがアドレスにあります。その前提のもとAがBに20BTCを送金した場合、当初50:50だったAとBの管理権限が、30:70に変更されます。
また、ペイメントチャネル内の管理権限を変更する場合、必ず二人の同意が必要になります。片方が拒否すれば送金することができません。最終的にペイメントチャネルを閉じるとブロックチェーン上にAとBの分配比率がブロックチェーン上に記載されます。
ノードを複数繋げる
ただ、ペイメントチャネルは二者間での取引を対象とした技術です。そこで、ライトニングネットワークでは、ペイメントチャネルを複数組み合わせることで、複数人での通貨の移動が可能になっています
イメージとしてはペイメントチャネルがネットワーク状に展開されているイメージです。
例えば、AがCに50BTC送りたいものの、AとCの間にペイメントチャネルが開設されていないとします。その際、ライトニングネットワークを利用すれば、Bというノードを跨いでAはCに送金することができます。
これにより、必ずしもペイメントチャネルを開設していないノード間での取引が可能になるのです。これが、ライトニングネットワークの強みです。
さいごに
この記事では、ビットコインの取引をなるべく高速化し、手数料を安くするための技術として登場しているライトニングネットワークについて解説してきました。
最後にこの記事の内容をまとめると以下のようになります。
- ライトニングネットワークによってブロックチェーンが抱えるスケーラビリティー問題を軽減できる
- ペイメントチャネルやレイヤー2技術を利用することで実現した技術
ライトニングネットワークは、現在Twitter等のSNSでの送金や、エルサルバドルでの送金のために実際に使用されている技術です。今後、さらに普及される可能性もあります。
是非ウォッチしておくべき技術の一つと言えるでしょう!