経済思想

「資本主義」とは?イラストで簡単に解説。〜アダムスミスやマルクス、ケインズの思想を通して〜

経済思想
コインチェック

 

この記事では、そもそも資本主義とは何か?ということを解説していきます。

みなさんは、普段日経電子版とかNewspicksとかを見ていて「資本主義」という言葉を目にすると思います。でも資本主義についてちゃんと意味を理解できる人はなかなかいないと思います。

しかし、資本主義という言葉、実は非常に奥深い概念でです。超頭の良い学者の人でも、この概念の定義については様々な見解に別れています。

そこで、ここではより一般的に言われる資本主義について解説します。

また、資本主義について超頭の良い学者はどう捉えていたのかを3人の経済学者のアダムスミス、マルクス、ケインズから解説します。

この記事で得られること
  • アダムスミスについて知ることができる
  • 神の見えざる手の意味について知ることができる

資本主義とはなにか

資本主義とは、「資本そのものを増やしながら経済の成長を促進」する「仕組み」のことです。では、その仕組みとはどのようなものなのでしょうか?

資本主義社会には、登場人物が2人います。それが、

  • 資本家
  • 労働者

です。

資本家とは、投資家や経営者みたいなものを想像してください。

労働者は、サラリーマンや日雇い労働者など賃金で生活費を稼ぐような人のことです。

資本家は、まずお金を稼ぐために投資をします。例えば工場や土地を購入して商品を生産します。この工場や土地のことを資本と言います。

しかし、資本だけではお金を稼ぐことはできません。そこで必要になるのが労働力です。労働力は労働者に賃金を支払うことで入手することができます。

こうすることで資本家は商品を作り販売して利益を得ます。

しかし、ここで終わらないのが資本主義社会の特徴になります。

利益が出たらさらに利益を投資に回し資本を購入します。そしてさらに繰り返すことでさらに利益を獲得し、それを資本に回します。

これが永遠に繰り返されるのが資本主義の特徴なのです。資本主義社会において資本は無限に増殖していきます。このようにして経済の成長が促進されていくのです。

みなさんの勤める会社の社長も、この資本主義の仕組みに乗っ取り事業を進めているはずです。八百屋だって漏れることなく資本主義のこの仕組みに乗っ取っています。

CHECK

資本主義社会において資本は無限に増殖していきます。このようにして経済の成長が促進されていくのです。

資本主義の始まり:アダムスミス

資本主義について明確に人類が意識し始めるようになったのは18世紀のことです。それを実現したのがアダムスミスです。

18世紀はヨーロッパでは近代と言われる時代でした。それまでは封建制という中世からある社会の仕組みがありました。それが16世紀以降大きく変化していき資本主義社会へと移行していきました。その結果、産業革命や中央集権国家が生まれた時代でもありました。

封建社会から資本主義社会

資本主義社会が生まれた時代は、同時に中央集権体制に基づく国家形成の動きが生まれた時代です。つまり、現代の国民国家の枠組みの基礎が生まれた時代ということです。

封建制が多くの地域で終焉を迎えました。君主への行政権の集中によって生じた国家(State)が相互に強調対立しながら力学的な関係を維持した。

CHECK
  • 中央集権体制に基づく国家形成の動きが生まれた時代
  • 国家(State)は、同一言語や習慣などのを有する文化的・社会的まとまりである民族や国家(Nation)を統合

資本主義化する西洋

また国家の形成と併せて、商業や金融の発達が起こります。

ヨーロッパ各地に特産地が形成され、遠隔地との取引が中世以上に拡大しました。それに伴い、商業・金融制度が発達しました。

この流れで、イギリス・オランダなど経済的に主導的な役割を果たす国が生ました。これらの国は生産要素(土地・資本・労働)の商品化が進展していくことになりました。一方で、東ヨーロッパではこうした流れは生まれず、東西で経済格差が生まれる原因にもなりました。

CHECK

近世の西洋

  • 農業生産が回復
  • 植民地の拡大
  • 生産要素(土地・資本・労働)の商品化が進展

重商主義と産業革命

17世紀以降、商業と発展、国家の形成というバックボーンの元、18世紀当時のヨーロッパは

  • 中央集権国家による重商主義政策
  • 産業資本主義の進展

が起こります。

重商主義とは、政府が貿易を管理する経済体制のことを指します。民間の自由な商売を規制でがんじがらめにしてるような政策のことです。その結果、国内の産業は荒廃し国民は窮乏に晒されます。

重商主義では、国の富とは金塊であると考えられていました。そのため、金を蓄積するために輸入を減らし、輸出を振興していました。

重商主義

 一方で、イギリスでは産業革命が起こっていました。当時は技術の発達がめざましく、民間の活力によってイギリスは大きく経済発展をしていました。これにより産業資本主義が勃興しているような時代でした。

引用;
https://media.moneyforward.com/articles/709

アダムスミスの資本主義への信頼

アダムスミスは、イギリスの経済学者です。彼は経済学の始祖と言われる学者です。

彼は、資本主義経済の仕組みを礼賛し、国家が資本主義経済へ介入することに対して非常に批判的でした。むしろ、人間が介入することなく放任をしておくべきと考えたのです。

民間の旺盛な活力の結果、生み出される経済発展から民間の力に可能性を感じていました。一方で、重商主義という政府が市場に対して口を出す政策に対して批判的に見るようになったのです。

彼は、富である生産物を増やすために、分業をすることで加速度的に富が増え、経済が発展して。市場規模が拡大すれば人口も増え、労働力が増加してより多くの富を生み出すことが可能となるのです。

分業によって人口増加と生産物の増加のループが起こるのです。

ここから、富を拡大するために人々は利己的に商売をしても、大きなが全体にもたらされることがわかると思います。これが神の見えざる手です。

神の見えざる手
CHECK

神の見えざる手:富を拡大するために人々は利己的に商売をしても、大きなが全体にもたらされる一連のプロセス

これらの思想が『国富論』にまとめられました。

この考えは、『国富論』にも引き継がれ、一人一人が正直に働いていれば、結果的に他の人にも富をもたらし、経済全体が良くなると説いたのでした。

資本主義ではなく共産主義:マルクス

産業革命の登場:プロと工業化から産業革命へ

近世のヨーロッパ各地域では人口動態、市場、産業構造などの多方面にわたり、長期間のゆっくりとした社会経済の変化が生じました。

このへんかをプロト工業化と言います。プロト工業化とは農村部を中心に手工業生産の拡大が産業革命以前の17世紀〜19世紀初頭にかけて起こったとする考え方です。

テレワークで家内制手工業時代に戻るか? - 合同会社ワライト
手工業

プロト工業化による手工業的な繊維業は、新発明や工場と初めて結びつくことで産業革命が起こったのです。イギリスからヨーロッパ諸国への工業化の電波が起こりました。

国民経済を結ぶルールが整備されるようになった。例えば国際通貨体制である国際金本位制などはその例です。

共産主義

マルクスは、アダムスミスのように資本主義という仕組みを信頼せず、むしろ別の社会を提示しました。それが共産主義です。

共産主義は、私有財産制を否定して財産を共同所有するような社会を目指す考え方です。

資本主義社会の特徴として、ブルジョワジー(資本家階級)とプロレタリアート(労働者階級)の階級対立があります。

これは、ブルジョアが財産の所有を独占し労働者から搾取していることが要因です。そこで、ブルジョアによる所有を、労働者が奪取すること目指します。

これにより階級対立は解消し、労働者にとってのユートピアとなるような共産主義社会を形成されるとしました。

共産主義

資本主義は人間をモノのように扱う

マルクスは労働が商品かされるような事態を疎外と呼んでいます。

疎外とは、人間が作った物(機械・商品・貨幣・制度など)が人間自身から離れ、逆に人間を支配するような事態のことを指しています。

資本主義社会では、資本家が労働者を雇用し、商品を生産します。

労働者は自分の労働力しか保有していません。一方、資本家は生産手段である工場や商品の素材(資本)を所有しています。

労働者は自分の労働力で作った商品は、資本家の所有物となってしまいます。

疎外

労働者は、資本家の利潤増殖のための手段になってしまうのです。人間が労働力という商品となって、資本のもとに従属しモノを作る主人であることが失われていくのです。こうした事態のことを疎外と言いウノです。

資本家は労働者から搾取している

また、マルクスは特に剰余価値という考え方を展開しています。剰余価値とは、資本家側が労働者を必要以上に働かせて搾取している価値のことを指します。

工場経営者は、自分の工場を経営するために費用を賄うために労働者を働かせています。しかしマルクスは、資本家は、費用を賄うのに必要な時間以上に労働者を働かせているとしています。

この必要以上に働いた時間で生み出された価値を剰余価値というのです。

この必要以上に働かせた時間は、労働者には賃金として支払われません。労働者には生きるのに最低限度の賃金しか支払われないのです。

そして、剰余価値は資本家の利潤として搾取されているのです。

資本主義の第三の道へ:ケインズ

資本主義の弊害

1930年に「世界恐慌」が起こりアメリカの隆盛は終わりを迎え、失業者が大量に生み出される事になります。また、この影響はアメリカだけでなく世界に及ぶ事になります。

こうした中で、政府が経済に対して介入を始めるようになります。これまではアダムスミスのように

「政府は口を出さずに、自由に商売をさせておけば良い」

という考え方が主流を占めていました。こうした考え方をする人々のことを「新古典派」と言います。

しかし、世界恐慌によって失業者が街に溢れる事になる中、「自由に商売するのが良い!何もしない!」なんて言っても何も解決しないのです。

ケインズの思想

ケインズは、政府の介入を主張しました。世界恐慌による被害は、これまでの神の見えざる手に頼るやり方でも、共産主義でも対処できないと考えたのです。

彼は、アダムスミスのように資本主義を完全に信頼するわけでもなく、マルクスのように完全否定するわけでもなく、資本主義と人間が共存していくための第三の道を開きました。

ケインズは、資本主義における登場人物を2つに分けています。それぞれの登場人物に対して政府が経済政策で介入するべきと考えました。それが、

  • 資産を運用することで生活する金利生活者(投資家)階級
  • 労働によって生活する企業家階級や労働者階級

です。ケインズはこのそれぞれの登場人物に対してどのような政策を行うべきかを論じています。具体的には、

  • 金利生活者/ストックに対しては金融政策
  • 労働者階級・企業家階級/フローに対しては財政政策

が有効であると述べています。

CHECK
  • ケインズ経済学はストックとフローを分けて分析
  • 金利生活者/ストックに対しては金融政策
  • 労働者階級・企業家階級/フローに対しては財政政策

さいごに


タイトルとURLをコピーしました