この記事では、経済学用語である不確実性について解説していきます。不確実性という概念は、投資や経営でも使われる用語です。
ぜひさいごまでお付き合いいただけると幸いです。
- 不確実性について理解できる
- 市場の失敗の概要をつかめる
市場の失敗とは?

経済学では、効率的に財・サービスが行き渡る完全競争市場が理想とされていました。この完全競争市場を理想と定義した人物はアルフレッド・マーシャルと言われています。

しかし、市場メカニズムが働いても完全競争市場が達成されず、非効率的な状態があります。これを市場の失敗と言います。
また、市場の失敗と似たものとして、不完全競争市場が挙げられます、市場メカニズムが働いていない状況のことを指します。
市場メカニズムが働いても完全競争市場が達成されず、非効率的な状態があります。これを市場の失敗と言います。
といったものが挙げられます。それぞれ以下で詳細に解説していきます。この1つの事例として不確実性が挙げられます。
不確実性とは?将来の予測を事前に立てることができないこと

将来の予測を事前に立てることができないことを不確実性と言います。
完全競争市場では、完全情報と呼ばれる状態に個人はいると前提があります。そのため未来のことについてもすべて予測ができるとします。
しかし、現実には未来のことを完全に予測することはできません。どこかの企業の株を買うことには不確実性が常に存在するのです。
将来の予測を事前に立てることができないことを不確実性と言います
期待効用は予測される効用。それを元に人は意思決定をする
期待効用とは、予測される効用という意味です。
経済学では、期待は予測とほぼ同じ意味で使われています。個人は確実な効用と期待効果を比較して選択を行います。
例えば投資家たちは、確実に得られる効用と不確実性の高い期待効用を比較して行動しています。
現金(確実な効用)として持つより、これから伸びるかもしれない企業の株(期待)を持っていた方が、将来的に利益が出るなら、投資家は企業の株を買うという意思決定をするのです。

期待効用:予測される効用という意味です。個人は確実な効用と期待効果を比較して選択を行います。
不確実性に対する人々の意思決定のありよう

また、期待効用(EU)は、効用(U)に期待が実現する確立(P)をかけたものです。
期待効用の求め方
→期待効用(EU)=効用(U)×実現する確率(P)
また、投資に対して冒険的な人もいれば保守的な人もいます。これを経済学では、慎重順に危険回避的>危険中立的>危険愛好的と分類しています。
先ほども述べたように、投資家などは不確実性の高い期待効用と確実な効用を比較して消費を決定します。(以下の表参照)
行動分類 | 行動 | リスクプレミアム |
---|---|---|
危険回避的 | 期待効用<確実な効用 | + |
危険中立的 | 期待効用=確実な効用 | ±0 |
危険愛好的 | 期待効用>確実な効用 | – |
危険回避的な人は、株にしろ、債券にしろなかなか購買にいたらないので、こうゆう人が増えると社会全体の生産性は下がることになります。
また、確実な所得を獲得するために支払ってもよいと考える保険料や手数料のことをリスクプレミアムと言います。これも、行動の分類によって異なってきます。(上記表参照)
リスクプレミアム:確実な所得を獲得するために支払ってもよいと考える保険料や手数料
さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございます!
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