経済学

【レビュー】『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』をわかりやすく要約・書評

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みなさん。時間に常に追われてるなんて感じたことはないですか?

おそらく、これはどの世代でも必ず感じることだと思います。実際に僕も同じようなことを感じたことがあります。

そんな時に、今回紹介する『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』は、なぜ時間に追われるのか?の原因を論理明快に語ってくれます。

時間がないという問題に対して、その要因がわかると今後の解決策を考えるのがスムーズになると思います。

そこで、この記事では、『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』の要約と書評(レビュー)をして行きたいと思います。イラストと図解で簡潔にわかりやすく解説しているのでぜひ最後までお付き合いください。

また目次は以下のようになっています。

『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の経済学』目次

第1部:欠乏のマインドセット
・第1章 集中とトンネリング
・第2章 処理能力への負荷
第2部:欠乏が欠乏を生む

・第3章 荷造りとスラック
・第4章 専門知識
・第5章 借金と近視眼
・第6章 欠乏の罠
・第7章 貧困
第3部:欠乏に合わせた設計

・第8章 貧困者の生活改善
・第9章 組織における欠乏への対処
・第10章 日常生活の欠乏
結論
謝辞

訳者あとがき
解説 我々は欠乏の罠から抜け出せるか

著者について

『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』は、センディル・ムッライナタンとエルダー・シャフィールの2人の著者によって書かれた書籍です。

センディル・ムッライナタンはハーバード大学の経済学教授です。

www.chicagobooth.edu/-/media/project/chicago-bo...

俗に「天才賞」と呼ばれるマッカーサー賞の受賞者で、専門は行動経済学・開発経済学です。

エルダー・シャフィールは、プリンストン大学の心理学教授です。また、金融ケイパビリティに関する大統領諮問委員会の委員をつとめるなど幅広い活躍をしています。

upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/04/Eld...

また両者とも世界の思想家トップ100に選ばれる天才をほしいままにする研究者です。さらに、行動経済学の成果を社会問題へ応用をアドバイスする非営利組織“アイデアズ42”に両者とも共同創立者として関与しています。

要約

今回紹介する『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』の内容自体は、忙しいビジネスマンのためにもなるものとなっています。

くわえて、貧困問題や人間の形成する社会や組織、国家の問題を解決することを目的とした著作でもあります。

彼らは時間やお金の観点から「欠乏」という現象を行動経済学という手法を駆使して分析し、世界の貧困や組織の欠乏への処方箋を提示しているのです。

では以下では本書の要約をざっくり解説して行きます。

この本の問い

まずこの本は、人が欠乏について論じた本です。特に、主観的な欠乏に焦点を合わせています。既存の研究は、欠乏を物理的制限として捉えていました。持っているものが少ない。時間が少ない。といったように。

しかし、本書では、物理的な側面ではなくマインドセットとしての欠乏を分析しています。例えば処理能力といったものがあげられます。

こうした前提のもと

「持っているものが少なすぎると感じるとき、人の心に何が起こるのか、それがどうゆうふうに選択や行動を決定するのだろう?」

『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』(p25)

といった問いに答えて行きます。

欠乏で人の心に起こること

人は、欠乏状態になった場合、欠乏は人の心を占拠することになります。

そもそも欠乏状態とは、締め切りに追われ「時間がない」と気持ちになること、来月までの給料日までに「お金がない」と言った気持ちになることを指します。これらは、人の心にプラスの影響を与えることもあれば、ネガティブな影響を与えることもあります。

欠乏状態は人の心にポジティブな結果と、ネガティブな結果の2つを与えます。ポジティブなものは集中、ネガティブな結果はトンネリングと言う結果になります。

欠乏状態で心の中に起こること
  • ポジティブな結果→集中ボーナス
  • ネガティブな結果→トンネリング

集中ボーナス

集中という状態は欠乏が生み出すプラスの効果のことです。例えば、締め切りを設けられた際に、心の中では時間が足りないと人は感じます。結果、人は作業に対して集中し生産性が高まるのです。

これを集中ボナーすと言います。

トンネリング

一方で、欠乏が与えるネガティブな影響がトンネリングです。先に述べたように、欠乏は集中を生みだします。これは裏を返すと、1つのことに集中し他のことをほったらしにすることです。

つまり、トンネリングとは、目先の欠乏のことだけにひたすら集中してしまうことを言います。本書では、トンネリングとは

トンネルの内側のものは鮮明に見えるが、トンネルに入らない周辺のものは何も見えなくなる視野狭窄

前掲書p49

の述べられています。本書では、このトンネリングの弊害をトンネリング税と呼んでいます。例えば、あるプロジェクトの締め切りが迫っているときに、つい家族に対して雑に扱ってしまったり、企業が不況時に経費削減が目的になり、長期的に重要なマーケティング投資を怠ってしまうことが挙げられます。

処理能力の低下

トンネリングを起こすとどうなるのか?その結果起こるのが処理能力の抑制です。本書では

欠乏は常に人をトンネルへと引き込むことにによって、その処理能力に負担をかけ、その結果人の基本的な能力を抑制するのだ。

前掲書p68

また、処理能力とは具体的には、認知能力と実行制御力の2つのことを指します。

認知能力

認知能力とは、「人が問題解決、情報保持、論理的推論などを行う能力の根底にある心理的メカニズム(p75)」のことを指します。つまり、物事を抽象化する能力などのことを指します。

実行制御力の低下

実行制御力とは「計画立案、注意、行動の開始と抑制、衝動の制御など、認知活動をこなす能力の根底にある(p75)」のことを指します。

つまり、集中したり、注意したり、物事を記憶したりするような能力のことです。

これらの能力が、トンネリングによって制限されることになるのです。

スラック

欠乏の罠

書評

まとめ


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