【イラスト図解】マクロ経済学とは?わかりやすく解説 | かんたんなマクロ経済学

かんたんなマクロ経済学 マクロ経済学 とは? マクロ経済学

この記事ではマクロ経済学の全体像について触れていきます。ニュースなどで、失業率やGDPなどといった経済用語が多く流れていると思います。しかし、この指標が何を示すのか?何を目的にこの指標を使っているのかわからない方も多いと思います。

そこで、マクロ経済学を学ぶとこういったことへの理解が深まります。ぜひ最後まで読んで見てください。

この記事でわかること

・マクロ経済学の全体像がつかめる

マクロ経済学とは?

そもそも、マクロ経済学とはなんなのか?この節で解説していきます。

マクロ経済学とはどんな学問

マクロ経済学とは、国を単位として経済全体を分析する学問です。つまり、国全体が今どうなっているのかを分析するのです。そのため、一つの商品や個人、一企業などは分析の対象になりません。

また、この学問の目的は、国内の人々の生活を良くするはどうするかを考えることです。そのため、政府は、マクロ経済学の考え方を経済政策に使います。

それだけでなく、マクロ経済学は経済政策の効果が良かったのか悪かったのかを測る指標を提供します。その指標が、有名なGDPや失業率などといったものになるのです。

マクロ経済学とは?

マクロ経済学とは、国を単位として経済全体を分析する学問

マクロ経済とは?

では、そもそもマクロ経済学は経済をどのように捉えるのでしょうか?

まず、国の中でモノ・ヒト・カネがぐるぐると循環していると考えます。これらは、マクロ経済学の3つの市場に該当します。それが以下のようになります

・モノ→財市場
・ヒト→労働市場
・カネ→貨幣-債券市場

これらの市場の詳細は後ほど取り扱いますが、とりあえず労働市場はヒトを、財市場はモノを、債券-貨幣市場はカネを取り扱う市場だと理解しておきましょう。

マクロ経済学の経済の捉え方

マクロ経済学は、経済をヒト・モノ・カネを国の中をぐるぐる循環しているととらえます。
そして、それぞれ
・モノ→財市場
・ヒト→労働市場
・カネ→貨幣-債券市場

の三つの市場に該当します。

財市場

まず、財市場を取り扱っていきます。先に述べたように、財市場はモノを取り扱う市場です。財市場の状況を知る上で、重要なのが国内総生産(GDP)という指標です。これにより景気の良し悪しを図ることができます。

国民所得

をまとめて国の経済の状態を図る指標には

・国民所得:NI
・国内総生産:GDP
・国内純生産:NDP

などがあります。

ここでは、国内総生産(GDP)について説明していきます。GDP(国内総生産) とは一定期間に生み出された付加価値の合計です。GはGross(総)の略、DはDomestic(国内)PはProduct(生産)の略になります。

また、付加価値とは企業により生み出された製品・サービスなどの価値の中で、企業の活動によって生み出された価値のことを指します。

例えば、鉄を作る会社Aと、鉄を分割して車の部品にする会社B、車を組み立てる会社Cがあったとします。その際に、B社がA社から仕入れる原材料や、C社がB社が原材料として仕入れる鉄や部品などは付加価値ではありません。これは中間生産物と言います。

あくまで、企業やその労働力の活動によって生み出された部分が付加価値になるのです(下記の図の赤い部分)。

付加価値とは?

企業により生み出された財・サービスの価値の中で、企業自身の活動によって生み出された価値のこと

ここから、国内総生産(GDP)は、

総生産額-中間生産物

と言い表すこともできます。

国内総生産(GDP)とは?

GDP(国内総生産) とは一定期間に生み出された付加価値の合計

GDP=総生産額-中間生産物

とも言い表すこともできる。

三面等価の原則

三面等価の原則とは、国内総生産(GDP)国民所得(NI)生産面支出面分配面の三つの側面が常に等しいとう原則のことです。

三面等価の原則を計算式で表すと、
Y【生産面】
=  C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+(X(輸出)-M(輸入))【支出面】
= C(消費)+S(貯蓄)+T(税金)【分配面】

というように表すことができます。このように、GDPは様々な要素、例えば消費や投資などによって決定されることがわかると思います。

三面等価の原則とは?

三面等価の原則とは、国内総生産(GDP)や国民所得(NI)が生産面支出面分配面の三つの側面が常に等しいとう原則。数式で表すと以下のようになる。

Y(国民所得)【生産面】
=  C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+(X(輸出)-M(輸入))【支出面】
= C(消費)+S(貯蓄)+T(税金)【分配面】

有効需要の原則:需給均衡式

有効需要とは金銭的な裏づけがある需要のことです。そして、有効需要の原則とは、需要が供給を決定するという考え方です。

有効需要の原則に気づいた人物のことをケインズと言います。彼は、『一般理論』という本で有効需要の原理などのマクロ経済学の基礎になる理論を究明しました。詳しくは以下の記事を読んでみてください。

 不況時に失業が増えている場合は、基本的に有効需要が不足しているとケインズ派は判断します。そこで、金銭的裏付けのある政府が公共事業を行うことで有効需要を増加させることができるのです。 

この有効需要が、最終的に国民所得を決定するとするのがケインズの主張でした。

Image

需給均衡式

有効需要の原理は需要が供給を決定するという考えでした。これを式で表したものが需給均衡式です。Cは消費、Iは投資です。そして、Yは国民所得もしくはGDPになります。

消費(C)や投資(I)を増やすことで、国民所得(Y)を増加させることができると考えたのです。

他には、マクロ経済学では財市場の説明において、有効需要、45度線分析などの理論が展開されていきます。

より詳細を知りたい方は以下の記事も読んでみてください。三部構成でかなり重厚な説明となっています。より深めたい方は読んでみてください。

貨幣-債券市場

人はものを交換する時にカネを使います。このカネの取引がおこなわれる市場が貨幣-債券市場です。この節では、貨幣-債券市場について取り扱います。※

貨幣-債券市場

貨幣-債券市場とは、カネが取引される市場のことです。カネにも二種類あり
・貨幣
・債券

の二つがあります。貨幣とは、現金や預金、債券は国債と社債、株といったものが挙げられます。

カネは、財・サービスの売り買いの際に使用されます。皆さんの生活にも馴染み深いカネの使い方だと思います。これは財市場でのお金の使い方です。

一方で、貨幣-債券市場では、カネを使ってカネを増やすことができます。そこで人々は金でカネを増やすために、貨幣と債券でよりカネが増える方を選択します。

債券-貨幣市場

貨幣-債券市場とは、カネが取引される市場のことです。カネにも二種類あり
・貨幣
・債券

の二つがあります。貨幣とは、現金や預金、債券は国債と社債、株といったものが挙げらる。

貨幣需要

貨幣需要、つまり貨幣を欲しがることです。の動機として、次の3つがあげられます。

取引動機:財の取引に使用するため。
予備的動機:将来の不確実な支払に備えるため
投機的動機:資産運用のため。

この貨幣需要を考える際に重要なのが流動性選好説です。流動選好説とは、貨幣需要量は利子率のと反比例するという考え方です。わかりにくいのでもう少し詳しく説明します。

すぐに消費として使える度合いのことを流動性といいます。貨幣はすぐにモノと交換ができますが、債券は使うことができません。貨幣は流動性が高く、債券は流動性が低いということになります。

債券で持つ場合は貨幣のメリットであるすぐ使えるということを犠牲にすることになります。その代わりに得られるのが利子となります。

そのため、人々が資産を貨幣でもつか、債権や株式でもつかは利子率で決まるのです。

貨幣需要とは?

・貨幣需要、つまり貨幣を欲しがること。貨幣を欲しがる動機には以下のものが挙げられます。
取引動機:財の取引に使用するため。
予備的動機:将来の不確実な支払に備えるため
投機的動機:資産運用のため。
・人々が資産を貨幣でもつか、債権や株式でもつかは利子率で決まる

貨幣供給

貨幣供給とは、 市場に流通している通貨の量のことです。

中央銀行が担っています。中央銀行は、金融システムの頂点にある存在で、貨幣を自由に作ることができます。しかし、これだけでは、貨幣供給は収まりません。

そこで重要なのが、信用創造です。信用創造とは銀行が貸し付けによって預金通貨を創造できる仕組みの事を指します。

人々は銀行に預金をします。そして、銀行は預金を様々な企業などに貸し出します。そうすると、企業は資金を元に利益を得ることができます。

そこで生まれたお金はさらに別の銀行に預金されることになります。こうした連鎖を無限に繰り返すことで、初めに受け入れた預金の何倍もの派生的預金が、世の中に発生することになります。これが信用創造です。

信用創造により、中央銀行が当初製造したお金の何倍ものお金が市場に出回ることになるのです。

貨幣供給とは?

貨幣供給とは、 市場に流通している通貨の量のことです。

4IS-LM分析

マクロ経済学とは、ある国の経済を全体的に分析する学問でした。

これを利用して政府は経済政策を行うのでした。その中で、IS-LM分析という手法は経済政策の効果を図ることに役立ちます。

IS-LM分析とは?

IS-ML分析は、経済政策の効果を図る上で役に立ちます。しかし、ISやMLとは何を示しているのでしょうか?分解して解説します。

・Iは投資(Investment)
・Sは貯蓄(Saving)
・Lは貨幣需要(Liquidity)
・Mは貨幣供給(Money Supply)

を意味します。

まずは、ISの側面を説明します。貯蓄(Saving)とは供給に当たります。貯蓄(S)とは預金をすることを指します。そして、この預金は投資(I)などに回されます。ちなみに、タンス預金などは経済学では貯蓄(S)とはいいません。

この貯蓄(S)を元に、投資(Investment)が行われ企業は生産を行います。この投資(I)と貯蓄(S)が一致するところで財市場が均衡します。これをグラフで表したのがIS曲線です。

LMにおいて、Lは貨幣需要(Liquidity)でMは貨幣供給(Money Supply)のことを指します。ここで、貨幣需要(L)と貨幣供給(M)が一致するとき、貨幣市場が均衡します。これをグラフで表したのがLM曲線です。

また、X軸は国内総生産(Y)、縦軸は、利子率(r)となっております。

IS-ML分析とは?

IS-ML分析は、経済政策の効果を図る上で役に立ちます。しかし、ISやMLとは何を示しているのでしょうか?分解して解説します。
・Iは投資(Investment)
・Sは貯蓄(Saving)
・Lは貨幣需要(Liquidity)
・Mは貨幣供給(Money Supply)
を意味します。


国民所得と利子率

IS曲線とLM曲線は、それぞれの市場が均衡すると国内総生産(Y)利子率(r)のくみあわせを示しております。

国内総生産(Y)は、財市場で決まる値ですが貨幣市場にも影響を与えます。また、利子率(r)は貨幣市場で決まる値ですが、財市場にも影響を与えます。

そのため、国内総生産(Y)利子率(r)を考えることで、貨幣市場と財市場の関係性を理解することができます。

IS曲線とLM曲線が交わる点は、財市場と貨幣市場が同時に均衡する国民所得と利子率の組み合わせになります。この状態が経済としてはとても効率的な状態になります。

IS-ML分析とは?

・IS曲線とLM曲線は、それぞれの市場が均衡すると国内総生産(Y)利子率(r)のくみあわせを示しております。
・国内総生産(Y)と利子率(r)を考えることで貨幣市場と財市場の関係性を理解することができます。

労働市場

モノを作るためにヒトが働く必要があります。そのため、労働力は市場で商品として取引されます。この労働力の市場のことを労働市場といいます。

労働市場において
・賃金
・物価
・失業率

の三つが重要なキーワードになります。

賃金・賃金率

労働の対価として支払われるのは賃金(W:Wage)です。つまり賃金率です。賃金率(W)を見れば経済の状態がわかるといわれています。

景気がいい時には、労働需要が増加して人手が不足するので賃金率(W)は上昇します。一方で、景気が悪い時には労働需要が減少し、人手が余るので賃金率は減少します。

物価

また、賃金が高いのか低いのかは、物価が高いのか低いのかを考慮する必要性があります。インフレーションやデフレーションなどというように、物価は変動します。

昔の100円は非常に価値が高かったですが、現在ではそこまで価値は高くないことからもわかると思います。

失業率

失業率は、労働力人口のなかで失業者が占める割合のことです。計算式は以下のようになります。もちろん先に書いたように、ここでの労働力も雇用者と失業者の合計となります。

失業率=失業者数/労働力人口×100
   =失業者数/(雇用数+失業者数)×100

景気が良い時にはもちろん失業率が下がります。また、景気が悪い時には失業率が上がります。

賃金率

労働の対価として支払われるのは賃金(W:Wage)です。つまり賃金率です。賃金率(W)を見れば経済の状態がわかるといわれています。


AD-AS分析

続いて、IS-LM分析を先に解説しました。財政政策や金融政策を発動することで、国民所得や利子率がどのように変化するのかを見ることができました。これにより経済政策の効果を測定することができました。

これを労働市場にまで分析ができるように発展させたものがAD-AS分析になります。財市場における物価と国民所得の組み合わせを表したAD曲線(そう需要曲線)と、労働市場における物価と国民所得の組み合わせを表したものになります。

AS曲線は右下がりです。

AD曲線は、ケインズ派と古典派で違います。ケインズ派は右上がりで、古典派は垂直だと考えました

こうした、AS-AD分析に関する内容は以下の記事でより詳しく書いているので是非読んでみてください。

AD-AS分析

IS-LM分析を発展させることで、金融政策や財政政策の影響を労働市場における国民所得や物価状況を分析できる手法。

経済成長論

(工事中)

さいごに

もう少し経済学について理解を深めたい方は以下の書籍から初めてみるのがおすすめです!

それは、スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編・マクロ編です。こちらはミクロ経済学に関して難しい数式を使うことなくわかりやすく説明してくれています。経済学に触れてみたい!なんて方は、まずこの本からスタートしてみるのもアリだと思います!まずはミクロ編から読んで、マクロ編に移動するのが定石でしょう!

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編
ティモシー・テイラー (著), 池上 彰 (監訳), 高橋 璃子 (翻訳)

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編
ティモシー・テイラー (著), 池上 彰 (監訳), 高橋 璃子 (翻訳)

ここまで読んだら、次に『スティグリッツ入門経済学』を読んでみるのもアリだと思います。ですが、正直、信じられないくらい分厚いので覚悟は必要かもしれません。しかし、この本を読めば経済学という学問の全体像を知ることができるのでオススメです。

スティグリッツ入門経済学 第4版
ジョセフ E.スティグリッツ (著), カール E.ウォルシュ (著)

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