【図表あり】ミクロ経済学とは?わかりやすく解説。〜消費者理論・生産者理論〜

ミクロ経済学

こんにちは。労働者マンです。今回はミクロ経済学について、年間150冊の本を読んでいる暇人の僕が解説していきます。他の記事に比べて、少しレベルが高い内容となっています。

この記事でわかること

・ミクロ経済学の全体像がつかめる
・消費者理論と生産者理論の概要をつかめる

ミクロ経済学の全体像

ミクロ経済学とは何か?中心となるのが消費者理論と生産者理論になります。それぞれ、消費者と生産者が主人公になっています。そして、ミクロ経済学では消費者と生産者が合理的に動いた場合に価格と数量がどのように決定されるかを分析します。

消費者理論:需要曲線に関して

消費者理論は、ミクロ経済学における消費を取り扱う理論です。理論において主人公となるのは消費者です。消費者がどのように消費をするのかを単純化して経済の動きを分析します。

 商品の価格が下がると、消費者が「買いたいとおもう量(=需要量)は増えます。この関係をあらわしたのが需要曲線で、一般的には右下がりの形であらわされます。

では、なぜこの需要曲線は右肩下がりになっているのでしょうか?感覚的にはなんとなくわかると思います。

ここからは、需要曲線が右肩下がりの理由を、直感ではなく論理的にこの理由を説明していきます。

効用

効用関数

 財・サービスを購入して得られる満足感を効用といいます。そして、消費者はなるべく多くの効用を受け取ろうとします。

 財の消費量(x)と効用(U)の関係を表す関数を効用関数といいます。横軸に財の消費量、縦軸に効用をとって、両者の関係を示したグラフを効用曲線といいます。


 効用曲線が右上がりなのは、消費量が増えるほど効用も増えることを仮定しているからです。こうした仮定を非飽和の仮定といいます。

限界効用

 財の消費量が1単位増加したときに得られる効用の増加分を限界効用(MU)といいます。

 効用関数のグラフの傾きを限界効用といいます。先ほどの効用曲線に傾きを可視化すると以下のようになります。

例えば、ラーメンを一杯食べたあとの効用と、3杯食べた後の満足感は違うはずです。

この一単位の増加分が限界効用と呼ばれるのです。

限界効用低減の法則

 効用は、単位数を増やすと限界効用は、下がっていきます。これを限界効用逓減の法則といいます。消費量が増えるほど、確かに効用は増えます。しかし、その増え方はだんだんゆるやかになっていくのです。

先ほどのラーメンの例だと、一杯目は満足ですが、2杯目3杯目になってくると「もう….いい……」となると思うのです….つまり、得られる効用が少なくなっているのです。

無差別曲線

無差別曲線

 2つ財の消費量の効用の組合せをまず想定します。この2つ財の効用を曲線にしたものを無差別曲線といいます。

 たとえば靴と洋服の組み合わせで考えてみましょう。靴5個と洋服1個と靴3足と洋服2着が同じ効用だとします。そして、靴と洋服の組み合わせには、一定の効用になる組み合わせがいくつも存在します。この組み合わせをグラフにしたものが無差別曲線と言います。

限界代替率(MRS)

 限界代替率とは、ある商品(財・サービス)の消費量を1単位増加させたときに同程度の効用を保つために、もう一方の財を何単位減少させればよいかを示します限界代替率はああ、無差別曲線の接戦の傾きでもあります。

上記の場合、X財の消費量がx→x”に増えたところ、Y財の数量がy→y”に減少します。この傾きですから、限界代替率は以下の式で導くことができます。

限界代替率(MRS)=X財の限界効用(Δx)/Y財の限界効用(Δy)

 ΔxとΔyはそれぞれX財とY財の限界効用でもあります。そのため、以下の計算式に置き換えることもできます。

限界代替率=X財の限界効用/Y財の限界効用

 これらをもっと具体的に説明すると、お茶の数量をx、オレンジジュースの数量をyとおくとします。その際にxを一単位増加させたとき、効用を一定に保つのに必要なyは減少します。この減少したY財の減少量をX財の一単位増加した分で割ることで限界代替率が導き出せるのです。

簡単に言うと、「オレンジジュースがなくても最悪お茶で替えが効く」割合のことを限界代替率といえるでしょう。

限界代替率逓減の法則

 限界代替率も逓減する傾向にあり、これを限界代替率逓減の法則と言います。ある財の消費量を増やすことで限界代替率が小さくなっていくことを指します。

下の無差別曲線をみてください。

・接点Aは、お茶(x)の消費量>オレンジジュース(y)の消費量になっています。
 →接戦の傾きはαに
・接戦Bは、オレンジジュース(y)の消費量>お茶(x)の消費量という関係性。
 →接線の傾きはβに

となっています。

この場合、接点Aの場合の方が接点Bのときより限界代替率は低くなります。αからβになる中でオレンジジュースの消費量を増やしたことで、限界代替率が逓減しているのです。

予算制約線

予算制約線

 予算制約線は、財の価格と消費者の所得が与えられているとき、消費者が購入可能な最大の財の組合せを示します。どうゆうことかというと、みなさんは無限にお金を持っているわけではありません。必ず所得の限度内でしかお金を使えません。この所得が予算制約の限度額になるのです。

予算制約線は右下さがりの直線になります。この予算制約線の式は、M=所得、Px=X財の価格、X=Xの数量、Py=Y財の価格、Y=Yの数量とおいた場合、

M(所得)=PxX(X財の合計額)+PyY(Y財の合計額)

となります。これを予算制約式と言います。また、所得とはX財とY財の合計金額です。

これをY=のかたちにすると

Y=-(Px/Py)X+M/Py

となり、以下のグラフを描くことができます。

 これを消費者目線でみてみると、まず所得はコントロールできない部分です。一方で消費者にコントロールができるのがX財とY財の消費量だけです。
 
 そうなると、予算制約線とX軸とY軸で囲われた部分が消費者が消費可能な部分(購入可能領域)であると言えます。(下記のグラフ参照)。一方で、予算制約線の外に越え出た分は消費者には手が届かない部分となっています。

最適消費点

消費者は、与えられた所得の制約の下で、自分の効用を最大化しようとします。

最適消費点は、無差別曲線と予算制約線の交点にあたります。ここでは、効用が最大となる最適消費量が決定されます。最適消費点では、予算制約の下で効用が最大化されております。またこのとき、

価格比(相対価格)=限界代替率

の場合と一致します。

これで、需要曲線を導くための準備が整いました。

所得の変化

所得-消費曲線

所得が変化すると、消費量も変化することが考えられます。

この関係を無差別曲線と予算制約線を用いてあらわすことができます。
所得が増加すれば、予算制約線と無差別曲線の接点が右上に推移します。これにより最適消費点も右上にずれます。所得が減少すればこれと逆の動きが起こります。

こうした最適消費点の動きを結んでいくと以下のグラフのようになります。所得が増えれば、消費量も増えるので所得-消費曲線は右上がりになります。

需要の所得弾力性


 需要の所得弾力性とは、所得が1%増加したとき、消費量の変化は何%かを示します。式であらわすと次の形になります(X:消費量、M:所得)。また、あくまで変化率

需要の所得弾力性
    =需要の変化率(Δx/X)/所得の変化率(ΔM/M)=(Δx/ΔM)×(M/X)

財の分類

 では、需要の所得弾力性は製品分類別に考えるとどのようになるのでしょうか?まず、製品は上級財・中級財・下級財で分類できます。弾力性について製品別で考えてみましょう。

上級財の場合は、需要の所得弾力性は0より大きくなります。所得が増えれば、消費量も増加します。→需要の変化率(+)を所得の変化率(+)で割ると0以上になるからです。
中級財の場合、需要の所得弾力性は0になります。所得が増えても、消費量は変化しません。
→需要の変化率(0)を所得の変化率(+)で割ると0になるからです。
下級財の場合、需要の所得弾力性は0より小さくなります。所得が増えたら、消費量が減って減少します。→需要の変化率(-)を所得の変化率(+)で割ると0になるからです。

需要の所得弾力性所得消費量
上級財0<++
中級財±0+±0
下級財0>+

価格の変化

価格消費曲線

価格が変化すると、消費量も変化します。

この関係を無差別曲線と予算制約線を用いてあらわすことができます。この場合、予算制約線と無差別曲線は以下のグラフのように推移します。
これによって、最適消費点もずれていきます。この動きを結んでいくと価格-消費曲線ができあがります。

需要の価格弾力性


 需要の価格弾力性とは、価格が1%上昇したとき、消費量の変化は何%かを示します。式であらわすと次の形になります(X:財の消費量、P:価格)

需要の所得弾力性
    =需要の変化率(ΔX/X)/価格の変化率(ΔP/P)=(ΔP/ΔX)×(X/P)

代替効果・所得効果・全部効果

 また、価格の変化を考えるさいに注意すべきことがあります。それは、
・価格の変化
・実質所得の変化
の2つに分けて分析をする必要があります。

価格の変化をみたものは、代替効果です。相対価格の変化によって消費量がどの程度変化したか、という意味になります。
実質所得の変化をみたものが所得効果といいます。実質所得の変化によって消費量がどの程度変化したか、という意味になります。

需要曲線

 価格が変化するとそれに応じて最適消費量が決定されます。それが先ほどの価格-消費曲線にあたります。価格-消費曲線の需要の変化量と価格の変化を、それぞれX軸とY軸に組み替えると需要曲線ができあがります

生産者理論:供給曲線に関して

続いて、生産者理論について説明します。理論の中心は、生産者です。そして、生産者がどのように経済の中で振る舞うかを分析します。

 商品の価格が上がると、生産者が売りたいとおもう量は増加します。売りたいと思う量とは供給量のことです。この関係性をあらわしたものが供給曲線になります。かたちとしては右上がりです。

では、供給曲線はなぜ右上がりなのか?以下ではその理由について説明していきます。

生産関数

生産要素


 財・サービスを生産するためには、資本・労働・土地の3つの生産要素が必要となります。資本とは例えば工場や機械などがあげられます。労働は、その名の通り労働者の労働力のことです。また、土地は労働や資本が

 現代の経済学では土地はあまり重視されません。そこで今回土地に関する解説は割愛します。ですので、ここでは資本と労働を組み合わせて財・サービスを生産すると考えます。


生産関数

生産関数とは、生産要素(労働・土地)の投入量と、投入の結果えられる生産量の関係をあらわしたものがです。

そして、生産関数は、
資本と生産量の生産関数
労働と生産量の生産関数
の2種類が求められます。また、前者の場合は、労働は一定と仮定します。後者の場合は、資本は一定と仮定します。


生産関数のグラフ

生産関数をグラフかしたものが生産曲線です。横軸は資本もしくは労働の投入量、縦軸は生産量をおきます。かたちが凸型になっているのは、限界生産力が逓減した生産関数だからです。

続いて、限界生産力について説明していきます。

限界生産力


 限界生産力とは、生産要素(労働か資本のどちらか)を1単位分増加させたときの生産量の増加分のことです。これを簡単に言いかえると生産性になります。

 限界生産性は生産関数と同様に、労働と資本の場合の二つに分けることができます。
・資本を1単位増加させた場合の生産量の増加分を資本の限界生産力
・労働を1単位増加させた場所の生産量の増加分を労働の限界生産力
といいます。

 また、限界生産力はグラフの接戦の角度に該当します。これは、生産量を労働もしくは資本の投入量で微分して求めることができます

 また、限界生産力も逓減する傾向を持っています。限界生産力逓減の法則とは、生産要素の投入量が増加するにつれ、限界生産力が低下していく傾向のことをさします。


費用最小化の条件

等量曲線

 2つの生産要素の組合せについて描いた生産曲線を等量曲線(等産出量曲線)といいます。
この曲線は、同じ生産量を生産するのに必要な生産要素の組み合わせを示したものです。消費者理論で登場した無差別曲線の二つの財・サービスが資本や労働の生産要素に変わったバージョンと考えて良いでしょう。

 等量曲線は、原点に対して凸型になっています。これは、技術的限界代替率逓減の法則があてはまるケースです。

 こうした原点に対し凸型の等量曲線は、コブ=ダグラス型生産関数といいます。

原点に対してL字型の等量曲線も存在します。これをレオンチェフ型生産関数といいます。資本と労働の組み合わせの仕方が限定的な生産システムの場合にこの生産関数になります。コブ=ダグラス型生産関数は、資本と労働の組み合わせがレオンチェフ型生産関数に比して柔軟になります。

技術的限界代替率

 同じ生産量を保つために、片方の生産要素を1単位増加させたとき、もう一方の生産要素を何単位減少させるべきかを示したものを技術的限界代替率(MRS)といいます。この技術的限界代替率は、資本の限界生産力と労働の限界生産力の比と等しくなります。

等費用線


 等費用線とは、同じ総費用となる生産要素の組み合わせを示したものです。等費用線は、消費者理論でいうところでの予算制約線に相当するものです。当費用線の傾きは生産要素の相対価格になります。

最適生産

企業は等量曲線と等費用線の接点はで、最小費用で済む生産要素の最適な投入量を決定します。消費者理論でいるところの最適消費点と一致します。

 また、費用最小化の条件は次の形になります。

技術的限界代替率 = 生産要素の価格比(相対価格)

技術的限界代替率は限界生産力の比率から求めることができます。

総費用

前提

 生産者は、利潤を最大化することを目的に生産量を決定します。利潤とは、つまり利益のことです。具体的には、売上から費用を引いたものになります。

総費用・総費用関数

 まず、ある財・サービスを生産する際にかかる費用全てのことを総費用(TC:total cost)といいます。そして、生産量と総費用の関係性をあらわしたものが総費用関数になります。グラフであらわしたものが総費用曲線です(以下のグラフ参照)。総費用曲線は逆S字型の総費用曲線が一般的です。

可変費用(VC)・固定費用(FC)

 総費用は二つの要素から構成されています。それは、可変費用(VC:variable cost)固定費用(FC:fixed cost)です。数式で表すと以下のようになります。

総費用(TC)=可変費用(VC)+固定費用(FC)

 可変費用は、生産量に比例して変化する費用のことをさします。例えば、商品の原価などが該当するでしょう。生産した分だけ原価は大きくなります

 固定費用とは、生産量に関係なく必要となる一定の費用のことです。例えば、事務所や管理にかかる費用などは生産量に関係なく発生する費用です。

どうして、こうなるのか?総費用(TC)を努力に、生産量(Q)を結果に置き換えてみてくダサい。努力は最初は実りませんが、次第に結果が出てくるようになります

限界費用と利潤最大化

限界費用

 財・サービスの生産を1単位増加させた時に、総費用が増加した分を限界費用(MC:Marginal Cost)といいます。限界費用は、総費用関数の接点の傾きになります。算出方法としては、総費用関数を生産量で微分します。

完全競争の仮定

生産者が完全競争市場で生産をしているととします。完全競争市場では競争者が大量に存在します。そのため、個々の生産者は市場で決定された価格を受け入れるだけのプライス・テーカーなるとされます。逆に独占をしている企業の場合、値段を決定することができます。これをプライスメーカーといいます。

利潤最大化の条件

完全競争市場における利潤最大化の条件は、

価格(P)=限界費用(MC)

になります。つまり販売価格と生産にかかる費用が0になるのです。実際にこのような状況は存在しません。あくまで経済学における仮想モデルになります。

平均費用と平均可変費用

平均費用


総費用を生産量で割ったものを平均費用(AC:Average Cost)といいます。

平均費用=総費用/生産量
       =(固定費用+可変費用)/生産量

平均費用(AC)をグラフで示すと、グラフ上の点に対して原点から引いた直線の傾きになります。

平均可変費用(AVC)


 可変費用(VC)を生産量で割ったものを平均可変費用(AVC:Average Variable Cost)といいます。

平均可変費用(AVC)をグラフで示すと、グラフ上の点に対して縦軸切片から引いた直線の傾きになります。


損益分岐点と操業停止点

 続いて、損益分岐点と操業停止点について説明していきます。グラフをみながら解説していきます。まず、損益分岐点は一番上の点、操業停止点はその下の点になります。

損益分岐点 

損益分岐点とは、利益が0になる点のことです。平均費用曲線の一番底の点になります。これより右側の場合、限界費用(MC)>平均費用(AC)となっています

 企業が利潤最大化(P=MC)実現した場合、価格(P)>平均費用(AC)となります。価格より平均費用が小さいので企業の利潤は黒字になります。価格(P)<平均費用(AC)の場合、企業の利潤は赤字になります。

 損益分岐点とは、利益が0になる点、つまり損益を分ける点のことです。ACの最低点に対応する価格のことを、損益分岐価格ともいいます。損益分岐点より価格が低くなった場合でも、企業は固定費用をカバーできれば生産を続けるので、たとえ価格が損益分岐価格を下回ることになったとしても、営業を継続します。

 例えば、企業が何か商売をしている場合、大きな元手をかけて商売を始めています。お店を建てる費用などは、ローンで支払うことになります。全体で見れば赤字かもしれないですが、日々の営業は、商品の仕入れや従業員の給料などの可変費用が払えれば問題なく営業することができるのです。

操業停止点


 企業が生産を停止する生産量と価格を示す点を操業停止点といいます。操業停止点では、固定費用(FC)が回収できなくなるだけでなく固定費用を上回る赤字生み出すことになります。この場合は、生産を停止したほうが損失は少なくてすみます。

価格(P)=平均可変費用(AVC)

供給曲線

供給曲線

 価格と生産量の関係は供給曲線で表されます。供給曲線は、限界費用曲線の操業停止点より上の部分が供給曲線と一致することになります。

まとめ

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