ミクロ経済学経済学

かんたんな経済学 / 完全競争市場と独占市場とは?わかりやすく解説。

 「完全競争市場」や「独占市場」なんて言葉、聞いたことあるのではないでしょうか?ビジネスの記事を読んでいる時、会議の時。

わかったふりをしているけど、実はよく分かっていない……

そこで、この記事では

  • 完全競争市場
  • 独占市場
  • 独占的競争市場
  • 寡占市場

といった市場の分類について説明します。この記事を読んでわかったふりを脱却しましょう!

また、この記事を読むことで以下のことがわかります。

  また、この記事では市場経済の知識に関してある程度抑えていた方が読みやすいと思います。よかったら以下の記事も読んでみてください。↓↓↓↓↓

この記事で得られること
  • 経済の仕組みを理解することができます。
  • 4つの競争の分類について知ることができます。
  • 経済学の知識が身につきます。

競争の4つの分類

 市場経済において企業は、常に競争にさらされています。市場における競争の度合いは、4つに分類できます。

  • 完全競争
  • 独占的競争
  • 寡占
  • 独占

 市場において競合企業の数が多いほど競争の度合いが高くなります。完全競争は小規模の企業が乱立した状態です。競争の度合いは高くなります。たくさんの企業でパイの取り合いが起こるので利益は少なくなります。
 逆に、独占とは大規模な一企業が市場で売上を占めている状態です。競争度合いは低くなります。競合がいないのでパイの奪い合いは起きません。独占的競争は完全競争と独占の中間に位置します。寡占は独占的競争よりも独占状態寄りの状態です。

 競争の度合いが高いことは企業にとって良くない状況です。しかし、消費者は、競争の度合いが高いほどメリットがあります。なぜなら企業は競合よりも優位に立つために消費者に選ばれるために、安く良質な商品を生産しなければなりません。もしそれを怠れば、競合企業よりも不利になり利益が減ることになります。

続いて、4つの競争状態について細かく解説していきます。

CHECK

市場経済において企業は、常に競争にさらされています。その競争の度合いは

  • 完全競争
  • 独占的競争
  • 寡占
  • 独占

に分類されます。

完全競争

完全市場は、誰でもできるできて専門性のないビジネスの傾向があります。完全競争の特徴は、

  • 価格受容性
  • 新規参入の障壁が低い

です。

 価格受容性とは市場の価格をそのまま受け入れる性質のことです。完全市場において、企業は市場の提示する価格を受け入れるしかありません。価格をあげると売上は0になります。なぜなら、消費者は他企業の割安の商品を購入するからです。そのため容易に価格を変更することが難しくなります。

 二つ目の新規参入の障壁が低いこと。これも完全市場の特徴です。製品の特徴として、専門性などがない製品があげられます。つまり、誰でもできるということです。誰でもできたら、そりゃ殺到しますよね….

結果、完全市場では、製品の価格と費用が一致します。なぜなら、競争によって利益がギリギリまで削られるからです。そのため、完全競争では企業の利益は限りなく0に近くなります。

しかし、あくまで注意していただきたいのは理論上の概念であることです。完全競争の市場は現実には存在しません。現実を把握する上での指標程度に考えておいてください。

また、完全競争を前提に経済学を体系的に整理したのがアルフレッドマーシャルです。以下の記事を合わせてお読みください。

アルフレッド・マーシャル
CHECK

完全競争市場では
価格受容性
新規参入の障壁が低い
ことが特徴です。誰でもできる商売は競合が多くなります。ブログとが転売とかまさにその典型例ですよね…..

独占

 独占とは、一つの売り手が市場の売上を占めている状況です。

独占が生まれる要員として、

  • 参入障壁が高い
  • 法律により守られている
  • 規模の経済性が発揮されている

ことがあげられます。一つ目は、参入障壁が高いことです。例えば、特許などは参入障壁の代表的な例です。とある企業が薬Aの特許をとったとします。

その場合、他企業は薬Aの市場に参入することができません。薬Aの市場をその企業は独占したことになります。

二つ目は、法律により守られていることです。例えば郵便事業は、日本では一つの企業が独占しています。その他、エネルギー関連も独占の場合が見られます。

三つ目が、規模の経済性が発揮された場合です。規模の経済性とは、事業規模が大きくなり一製品あたりのコストが低くなることです。

水力発電の企業の場合を考えてみましょう。ダムなどの大規模な投資が必要になります。その場合、後から電力会社がその市場に参入することは難しくなります。

また、こうした経済活動のなかで独占が自然に発生することを、上記二つと分けて自然独占と言います。

この独占という状態は、消費者にとってはあまりよくありません。価格の決定も一つの企業がほしいままに決めることができてしまいます。

スチュアートミルという経済学者は「あらゆる独占とは、勤勉な人間に課税して、惰性を助ける」と言っています。つまり、企業の生産効率は低くなる傾向が高くなるのです。

CHECK

独占が生まれる要員として、

  • 参入障壁が高い
  • 法律により守られている
  • 規模の経済性が発揮されている

ことがあげられます。規模の経済性のように、自然に独占が形成されるものを自然独占と言います。

独占的競争

独占的競争は、独占よりも完全競争に近い状態をさします。独占的競争において、企業は常に差別化された商品を生産販売します。

 独占的競争において、同じ靴下でも様々な商品があります。そのほか、同じスマホでも様々なデザインがあったりします。同じ製品市場でもデザインや品質などで差別化を図っているのです。

また、価格弾力性が低い製品を取り扱っていたとします。しかし、競合が入ってきた場合価格競争が起こり弾力性が高くなる場合もあります。

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独占的競争は、独占よりも完全競争に近い状態

寡占

寡占は、独占的競争よりも独占に近い状態のことです。数少ない企業が、市場のシェアの大半を占めているような場合です。

例えばアメリカのソフトドリンク市場はペプシコーラとコカコーラが占めています。

寡占市場をみる場合、寡占している企業が

  • 競争しているのか
  • 結託しているのか

という点をみるべきです。後者の場合、ほぼ独占と変わりません。企業の経営者はなるべく競争を避けようと考えています。そのため、結託することがありうるのです。

寡占や独占と言った状態は、市場の状態としては健全ではないと捉えられることもあります。アメリカの公正取引委員会はトラスト法によって独占状態にある企業に何らかの措置を取ることもあるそうです。

CHECK

寡占は、数少ない企業が、市場のシェアの大半を占めているような場合。

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございます!

この記事をきっかけで少し経済学について理解を深めたいと思った方は、以下の書籍から初めてみるのがおすすめです!

それは、スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編・マクロ編です。

こちらはミクロ経済学に関して難しい数式を使うことなくわかりやすく説明してくれています。

これらの本を理解できたら、次に『スティグリッツ入門経済学』を読んでみるのもアリだと思います。ですが、正直、信じられないくらい分厚いので覚悟は必要かもしれません。

しかし、この本を読めば経済学という学問の全体像を知ることができるのでオススメです。

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